相続事前対策に必要な4分野のトータルコーディネート| Part2
杉浦 浩一
相続事前対策コンサルタント
相続対策失敗から背負った借金30億円を完済した相続事前対策コンサルタント。
自身で銀行交渉やCFPを取得し、節税、キャッシュフローの改善、不動産活用を実施し、完済。
宅地建物取引主任者、CFP、1級ファイナンシャルプランナー技能士、TOEIC815点(英語での不動産取引・契約可能)、品質管理主任者等
「借金返済は頑張りすぎてはいけない!相続対策 間違えるとこうなる! 借金30億円を完済した不動産活用術!」出版。相続対策セミナー(住友不動産)、ライフプランセミナー(大和ハウス)その他多数開催
本シリーズは八部制で、上記の動画は「Part.2」です。
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世の中の「相続対策」は偏りがち
「相続対策」はテレビで取り上げられたり、広告があったりしますが、このうちの9割以上の提案が、不動産だけとか金融だけとか税金だけと、偏っています。これでは相続の問題は解決できないです。
そして大体の提案はお客様のためにというよりも自分自身が儲けるための提案になってしまっています。
ですので、早合点せず、4つの分野のトータルコーディネートができる方に相談して、決断をした方が、後々いい結果になります。
5年後10年後、下手したら15年後に結果が分かるというパターンが多いです。
私のもとにも相続対策をしたけれども、15年後キャッシュが回らなくなってしまいどうしたらいいですかといった相談が来ます。私も含めて、本当に痛い目を見てる方が多いので注意してください。
7つの罠に気を付けて
実は、4つの分野をトータルコーディネートするにあたって、色々な罠が待ち構えております。私はこれを「7つの罠」と呼んでいます。
この7つのうちのどれかに、皆さん嵌っています。
罠1:何もしない
ただ、何もしないだけでなく、何もできない場合も含みます。例えば揉めてしまったりするケースです。
家族同士で揉めると、相続発生から10ヶ月以内に相続申告が出来ず、特例が使えない可能性が出てきます
これで大損しているケースがいっぱいあります。事前に家族間で相続について決めておかないと揉めてしまいます。
私はよく、相続対策は歯医者と一緒だと言っております。私は半年ごとに歯医者に行っていますが、痛くなってから行く方のほうがの多いようです。痛みを覚えてから歯医者に行っても遅いですよね。同じように相続対策も事前に行っておく必要があるのです。
相続対策は、歯医者と一緒と覚えておいてください。
罠2:個々に任せてしまう
4つの分野、①法律、②税金、③不動産、④金融をバラバラに進めても解決できないです。
例えば、遺言書を開いてみたら税金のことを考えていないもので、相続税を沢山払わないといけなくなったとか、贈与税を払わないといけなくなったという事例が沢山あります。
実は信託銀行もそうで、儲けるために多額の手数料を取ってアウトソーシングし、4つの分野のトータルコーディネートをしようとしています。しかし、儲けるために色々な商品を勧めたり、遺言信託だったり、結局バラバラな提案になってしまうのです。私も今まで各地でセミナーを行いましたが、信託銀行にお願いしてバラバラの提案をされ、それを受けたら大変なことになってしまったという方を2、3名見ています。
信託銀行はノウハウがないので、気を付けてください。
罠3:税理士を過信する
税理士で相続税を扱ったことがある方は非常に少ないです。実は年間の相続申告件数に対しての税理士の割合で割ると1%を切ると言われています。それだけ扱うことができる税理士が少ないのです。
しかも税理士の試験は5科目中必須が2科目、残りの3つは任意なのですが、相続の科目を選択しない方が多いのです。相続は難しいので、選択する方は全体の12%くらいだそうです。また、公認会計士や弁護士も税理士の資格を取れることができます。その方々は試験すら受けていません。
税務署に25年勤めてると税理資格が取れたり、昔は大学院2つ渡ると税理資格取れたりということがあり、そもそも相続税の勉強をしてない人が多いです。相続税の申告はトラブルが多く、10人いたら10通りの答えが返ってくるといわれている難しい申告なのです。
そのため、ミスも多いです。特に、会社でお願いしてる税務申告の税理士さんに、相続税の申告をお願いして大失敗するというパターンが非常に多いです。
また、不動産の現場を知らずに取り扱おうとして失敗する税理士もいます。例えば、ある税理士が「関西の田舎のアパートを相続対策で買いませんか」と提案してきた案件です。「借金をすれば相続税がほぼなくなりますよ」なんていうことを言っていたのですが、見てみるとその田舎のアパートは資産価値がないものでした。
アパートを買って、借金して相続税がゼロになったその後に、キャッシュフローが悪くなったり、売却できなくなったりしては元も子もありません。私のように財産がほとんど無くなってしまします。
税理士を過信して、5年後10年後に痛い目を見てる人を沢山見ています、気をつけてください。
罠4:弁護士を盲信する
弁護士は遺言書を書くものの、税金知らない方が多いです。
以前、弁護士さんに遺言書を書いてもらって、いざ蓋を開けてみたら相続税を沢山し払わないとけなくなったという話がありました。
こういった話はよく聞きます。気を付けてください。
罠5:ハウスメーカーに騙される
これが一番多いです。今最も相続対策で力入れてるのはハウスメーカーです。NHKなどでもよく取り上げられています。特にサブリースが社会問題化しており、そもそもハウスメーカーが提案する内容自体も問題があるものが多いです。
例えば、事業計画書を見せてもらうと、30年間家賃が一定だったり、内装費が計上されてなかったりといったことがあります。これはまだ序の口です。
ですので、ハウスメーカーで建てる場合は事業計画書をプロに客観視して見てもらってください。
罠6:金融機関に搾取される
皆さん金融機関というとどのようなイメージがありますでしょうか。
私は散々金融機関と戦ってきたので、ひどいイメージしかないです。正直言うと、彼ら金融機関は顔がお客様に向いてないです。社内の上司にしか向いていないのです。傘を晴れた日に貸して、雨が降ったら取り上げるということをやります。私は何度もやられました。
私の不動産会社の調子が良い時は、「借りてくれなかったら、融資枠削りますよ」と脅されるわけです。借りて情勢が変わると貸し剥がしに来るわけです。こういうことを平気でやるのです。
彼らは相続対策には借金が有効ですよと言って、借金させようとしますが、最終的に借金した人が返せなくなって私のように困るということが多発しています。皆さんぜひこちらも気をつけてください。
罠7:大手仲介会社に相談する
結局のところ、日本の大企業はお客様に顔を向いけていません。自らが利益上げるために、会社が利益上げるために、どうやってお客様を取り込むかということしか考えてません。
不動産の仲介会社は専任契約をとるとポイントが付きます。その不動産が売れようが売れまいが構わないのです。そのため、お客様が2年も不動産を販売できないといったケースが多発しています。
仲介会社は結局、売りと買いの仲介手数料を取るために動いています。これを囲い込みと言いますが、ひどい話が多くあります。
相続事前対策には4つのトータルコーディネートが重要ですよとお伝えしました。
その上でこの7つの罠がありますので、念頭に入れて、対策を練ってみてください。
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