永続する長寿企業の秘訣と特徴〜100年企業と100年人生の共通点とは?〜

執筆者
中小企業診断士 吉川和明

吉川 和明
中小企業診断士

大手製造機器メーカーにて、流通小売業向けPOSシステム、および決済システムの開発に従事。本業と中小企業診断士の二刀流で、商工会議所の経営相談員や補助金申請支援などの活動を実施中。

皆さんは、自分自身の年代の方々の平均寿命が何年かご存知ですか。また、日本には368万の企業がありますが、企業の平均寿命が何年かご存知でしょうか?

人生を長く生き抜く上で重要なこと、企業が長く存続していく上で重要なことには共通項があると言われています。今回は、人生と企業の長寿命の秘訣と題して解説したいと思います。

目次

人生を長く生き抜く上で重要なこと

現代は人生100年時代とも呼ばれ、長寿命化が進んでいます。この時代においては、単なる生存だけでなく、健康で充実した人生を送ることが求められます。

人生100年時代においては、一つのキャリアや人生設計だけでなく、複数のキャリアや異なるライフステージを経験することが大切です。柔軟性を持ち、変化に積極的に対応することで、人生100年時代を充実させることが可能となります。

私の知人にも、柔軟性を持ち、変化に積極的に対応した人がいました。それは、必要に駆られてということでもありました。

彼は、大学を卒業後、大手企業に就職しましたが、5年目で倒産してしまいました。「大手企業に勤めていれば安泰」とは思えなくなり、組織に人生が左右される生き方をやめて、自分自身が主体的に考えて選択する、そんな生き方をしないといけないと考え始めました。

そのために、どこでどんな仕事をしようとも役立つものとして「中小企業診断士」という経営に関する資格を取得し、さまざまな企業の疑似体験ができる「経営コンサルタント」という仕事を始めました。

そして、今に至るまで、知識やスキルを高めるために本を読み、さまざまな会合に出てビジネス交流を広げ、食事や運動にも気を使いながら、自分自身の棚卸を常に行っているとのことです。

100年企業が長く存続していく上で重要なこと

企業の平均寿命は時代や産業によって異なりますが、一般的には比較的短い傾向があります。過去の統計によれば、多くの企業は創業後数十年で事業を継続することが難しくなり、その平均寿命は30~40年程度と言われています。

ただし、この数字はあくまで平均であり、一部の企業は非常に長寿命であり、一方で新しい企業が生まれては消滅するといったサイクルが続いています。

近年では、急速な技術の進化や市場の変化が企業に大きな影響を与え、従来のビジネスモデルが短命化する傾向が見られます。しかし、一部の企業は変革に成功し、長期にわたり成功を収めることもあります。

持続可能性や柔軟性を重視し、市場の変化に迅速に適応することが、企業の寿命を延ばすカギとなります。

人生と100年企業の共通項

人生と企業の存続には共通の価値が存在します。持続可能な未来を築くためには適応力が欠かせません。人生も企業も予測不可能な変化に直面しますが、その変化に対応できる柔軟性と適応力が、長寿命を支えるカギとなります。

また、誠実さ信頼性も重要です。人生において他者との信頼関係を築くこと、同様に企業もお客様や従業員との信頼を築くことが不可欠です。

持続可能な未来は、誠実で信頼性のある関係の中で築かれるものなのです。

 柔軟性と適応力を高めるうえで最も大事なのは、自分について理解し、積極的に新しい経験をしていくことだと思います。自分には何が強みで、何が不足しているかを考えていくことが生き抜くためには必要です。

これは企業でも同じです。競争を勝ち抜くためには、自社の強み弱みを明確にして、強みを強化し、弱みを克服していきます。

 そして、積極的に新しい経験をしていくことで、失敗や成功からさまざまな知識やノウハウ、考え方を学びます。「百聞は一見にしかず」というように、物事の本質は体験してみないとわかりません。

失敗を恐れず果敢にチャレンジする姿勢や新しい経験は、企業にとっても重要です。

まとめ

人生も企業も、変化に対応できる柔軟性と適応力を高めることが長寿命の秘訣であることを解説しましたが、いかがだったでしょうか。

人生100年時代においても変化に積極的に対応し、新たな可能性を模索することが未来へのカギとなります。企業もまた社会的責任を果たし、イノベーションに挑戦し、従業員との強い結びつきを築くことで持続可能な成功を収めることができると思います。

経営コンサルタントの仕事の中には、経営に行き詰まっている企業の再生支援があります。新しいことに常にチャレンジしている企業は業績が良いケースが多く、逆に新しいことを実施してこなかった企業は業績が芳しくないケースが多いです。

 人生も企業も、成果を出し続けていくためには、常に成長できる環境に身を置き、主体的に変化をしていくことが重要ではないでしょうか。

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執筆者

2021年中小企業診断士登録。
大手製造機器メーカーにて、流通小売業向けPOSシステム、および決済システムの開発に従事。本業と中小企業診断士の二刀流で、商工会議所の経営相談員や補助金申請支援などの活動を実施中。

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