相続事前対策に必要な4分野のトータルコーディネート | Part1
杉浦 浩一
相続事前対策コンサルタント
相続対策失敗から背負った借金30億円を完済した相続事前対策コンサルタント。
自身で銀行交渉やCFPを取得し、節税、キャッシュフローの改善、不動産活用を実施し、完済。
宅地建物取引主任者、CFP、1級ファイナンシャルプランナー技能士、TOEIC815点(英語での不動産取引・契約可能)、品質管理主任者等
「借金返済は頑張りすぎてはいけない!相続対策 間違えるとこうなる! 借金30億円を完済した不動産活用術!」出版。相続対策セミナー(住友不動産)、ライフプランセミナー(大和ハウス)その他多数開催
本シリーズは八部制で、上記の動画は「Part.1」です。
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はじめに
今回は「相続事前対策をしたい人のための相続対策失敗から背負った30億円!借金返済復活劇から学んだ!相続事前対策に必要な4分野のトータルコーディネート」についてです。
私は、現在相続事前対策のコンサルタントを行っています。きっかけはタイトルの通り、借金30億円を背負った経験です。
25歳の時に借金30億円に気が付く!
私は大学を卒業してシステムエンジニアになりました。私の実家は、生コンクリート工場を営んでいましたが、私が25歳の頃、父親と母親がよくお金のことで喧嘩をするようになりました。「これは何かまずいことになってるなぁ」と感じておりました。
そして急に父親が私に「俺はもうできないから、まぁ、あとはやってくれ」と言い出して、急遽、サラリーマンを辞めて生コンクリート工場を引き継ぐことになったのです。
そこで私はまず、会社について確認をしました。本業の生コンクリート工場は普通にうまく回っており、借金も少なく、売上も上々でした。
ですので、父親がなぜ「帰ってこい」と言ってきたのかしばらく分からなかったのです。
ところが今度は実家を調べてみると、借金が山ほど出てきました。
借金が判明したのはバブルの後でしたが、バブル前に相続対策ということで、銀行に半ば流されるされるようにマンションを10棟ほど買ってしまっていたのです。加えて、変額保険が5億円。これは0円となりました。
ゴルフ会員券もあり、30本で5億円ほどありました。全部で30億円です。
この30億円、なんとバブルがはじけて5億円の評価となったのです。
遡って20歳の時に連帯保証人になっていたことも判明!
30億円の借金に「親父は何をやっているんだ」と思い、よくよくもっと調べたところ、更に私が20歳の時に連帯保証人になってたという驚愕の事実が発覚しました。私はショックで本当に何も考えられない状態になってしまいました。
しばらく何もやる気が起きなかったのですが、「やるしかない!」と私と父親は破産する覚悟を持ちました。そして保証人になっていなかった母親の名義のものに合法的に移していきました。何とかして生き残るしかないなと感じていました。
様々な本を読み著者を頼るも応じてもらえず
それから私は色々な本を読みました。相続の本や借金返済の本をたくさん読み、著者の方20名ほどと電話をしたり、会いに行ったりして「自分を救ってほしい」とお願いしました。ところが誰も応じてくれませんでした。
なぜなら、結局のところ専門家は専門分野のことしかわからないからです。例えば弁護士は法律的なことしか分からないので、破産しなさい、破産しないんだったらこうしなさいといったアドバイスしかできません。税理士はお金の流れや税金のアドバイス、元金融マンは銀行交渉のことしか分からないのです。
私が知りたいのはそれらをまとめて自分を救う方法なのです。
自分自身で解決するしかない!
結局誰からも助けてもらうことはできず、これはもう自分自身で勉強するしかないと私は気が付きました。
そこで25歳の時に、まずは現状分析をすることにしました。幸い、友達に税理士と公認会計士が2人いたので、毎週土日どちらかに時間を作ってもらい、とにかく色々な資料を引っ掻き集めました。なんとか1年かけて分厚いパイプファイルを5冊程作って、ようやく現状分析が完了しました。
そこで分かったことは、30億円の元金の返済が10年間ストップしていて私が30歳になった時に再びスタートするということでした。
私はこの時26歳でしたので「4年後が地獄で、それまでに準備をしないといけない」ということです。
不動産業を始めて新たに借金50億円
30歳になるまでの過程で、私は不動産業を始めました。自分自身の不動産を売る時になんとか少しでも利益を上げたいということで始めたのですが、これが良くも悪くも結構ハードでした。当初リノベーション事業はあまり流行っていなかったため、まだ敵が少なかったので、不動産を買い取り、仕上げて転売するということを始めました。これが運よく当たり、売上が80億円となって借金がどんどん返せるようになりました。
ところが気がつくと不動産業で新たに借金50億円していました。30億円の借金を返済するのに自分自身も50億円借金をしていたのです。
加えて31歳の時には、内臓の機能不全に陥ったり、いつも過緊張状態のため一人で自動車を運転している時に突然涙がポロポロ流れたりと、とにかく一か八かの人生を送っていました。
2度目の試練の訪れ
しばらく経ち、色々とラッキーなことがあったため、借金30億円は20年ほどで返すことが出来ました。これはもう私の時代が来た!と不動産の会社の上場の準備しておりました。
ところが2度目の試練が訪れました。
実は医療オーナーの方が私に無担保でお金を5億円程貸してくれており、そのおかげで資金繰りが回っていたのですが、その方が62歳で急死してしまったのです。私は直ちに相続人に5億円を返す必要がありました。
よく、お金の流れは血液にも例えられますが、まさに身体の血が抜かれた状態です。会社として、生きていけなくなりました。
そのため、社員を一人ずつ呼んで、泣きながら辞めてもらう話をしました。他に就職の希望があるのなら、私が斡旋をしました。
そうやってなんとか借金は返しましたが、売り上げ上げる仕組みもなくなり、私は生きる目標がなくなりました。人とも会いたくないので、半引きこもり状態でした。売上も、100万円がやっとの時代もありました。友達に当時の話を聞くと「目が死んでたよ」と言われます。
3.11からの復活
そんな私が東日本大震災で、何万人もの方が亡くなるのを見て、「自分はこのままだと生きる屍だな」と、このままでは亡くなっていった方にも本当に申しわけないと思いました。その時にふと「自分がこれだけ経験したことを人に役立てるべきだ!」と、神の啓示のように頭に浮かびました。
相続で同じ悩みを持つ方々を救うことが自分の使命だと気づいてから、借金の話もカミングアウトし、人脈を作ることに成功しました。
なんとかV字回復することができて、今では相続事前対策コンサルタントを天職としています。
相続対策のコツと資産を守る重要な発想方法
私が30年近くやってきたことを短い時間でお伝えすることは不可能ですが、今回は、相続対策のコツと資産を守る重要な発想方法をぜひ学んでいただきたいと思っております。
皆さんが相続対策について相談するとしたら、誰に相談しますか?
これは皆さん、悩んで税理士や弁護士を挙げます。しかし、先ほど私がお伝えしたように、問題を解決するために弁護士のところに行っても解決できず、税理士のところに行っても解決できずでした。なぜなら、相続の範囲はとても広いためです。相続は、大きく分けると不動産絡みと金融絡み、それと税金と法律があります。
私は経験から、相続対策を行うには4つの分野のトータルコーディネートが必要であることを学びました。①法律、②税金、③不動産、④金融です。
ぜひ相続対策はこの4つの分野であるということを、覚えていただければいいと思います。
また、私は実地でやりましたが、皆さんももし相続対策をするのであれば、この4つを同時にトータルで解決できる人を見つけてください。
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