クラウドファンディングの戦い方 | 後編 使える必勝法を伝授
梅澤 アンナ
装飾デザイナー /
小売物販コンサルタント
株式会社Mari`eeFleurir代表
日本大学芸術学部卒業後、株式会社ユニクロへ入社。
ファッション業界に精通するため量販小売店でBY、DBを経験し、アウトドアメーカーでMDと商品管理を経験。
その後、独立し装飾品店を開業。年間500件以上のオーダーを受注し、西武百貨店や高島屋などにも出展。現在は日本の着物を後世に繋ぐファッションプロジェクトを推進。2021年からはクリエイト塾を開講し、個別コンサルも行う。2023年にはパリコレに出展。
本シリーズは二部制で、上記の動画は「後編」です。
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はじめに
今回は、「実例と本音で話す!あまり知られていないクラウドファンディングの裏側-クラウドファンディングの戦い方」というテーマで、業界共通で使える必勝法を伝授していきます。
私の会社では、3回クラウドファンディングを実施しました。すごく小規模な20万円くらいの目標金額から、ちょっと大きめの350万円という目標金額までクラウドファンディングを3回行いました。
クラウドファンディング必勝法の結論を先に言うと、「絶対に目標達成できる見込みがあること」です。もう、これしかないです。
「そもそもクラウドファンディングは挑戦するということじゃないの?」と思う方もいらっしゃるかと思います。
弊社もさまざまなクラウドファンディングを立ち上げて実践し、クラウドファンディングに挑戦しました。クライアント様の実績を見て分析したり、実例からクラウドファンディングの勝ち方を考えたりしてみました。
実例から紐解く クラウドファンディングの必勝法1
まず、実例から紐解く必勝法1ですが、クラウドファンディングというのは初動がとても大事です。
開始3日から7日目、1週間以内に達成率50%を超えている必要があります。クラウドファンディングで成功した方に聞くとほぼそうで、初動がとても大事です。
1週間以内にクラウドファンディングを立ち上げて達成率50%まで持っていくにはどうしたら良いか、具体的な5つの施策を解説します。
クラウドファンディング開始前から周知活動
1つ目は、フラファン開始前から周知活動をすることです。
「私はクラウドファンディングをやります!こういう内容でやるんです。」などの周知活動をできるだけ早い段階で取り掛かります。クラウドファンディング開始1ヶ月前にはお知らせしておく方が良いでしょう。
最初に、自社のお客様にメール、電話、手紙、メルマガ、SNSなどを使って必死に送ります。例えば、今が11月だとすると「12月からクラウドファンディングが立ち上がります。よろしくお願いします。」のような感じで送ります。
あと、不特定多数の人にも知っていただく必要があるので、SNSや自社の強みのあるサイトを使って、とにかく関わりのある人全員に周知する勢いで、先にお知らせをする必要があります。
皆さん「そんなに一生懸命やる必要あんの?1ヶ月前から…」と言われますが、本当にこれが大事です。
まずは、プロジェクトの内容が決まってなくても、プロジェクトが立ち上がってなくても、とにかく「私はクラウドファンディングをするんだ!」ということを宣言してください。
開始数日前から応援してくれる人を属性で分け、リストを作成し支援者名簿を作る
2つ目は、開始数日前からプロジェクトを応援してくれるであろう人を妄想して、属性で分けてリストを作成し、支援者名簿を作ります。
なぜ、支援者名簿を作るかというと、後々、ご支援いただけていない、まだ応援してくれてないな方に対して、個別にメールや電話をしていくためです。この作業がすごく大事になってくるため、クラウドファンディング開始前にやってもらいたいです。
その理由は、クラウドファンディングの応援依頼の個別メールを送るときに、例えば、「あなたにはこのようなメリットがあるから応援してください」ということを言うためです。したがって、ある程度の属性で分けておく必要があり、例えば、女性向けに応援してもらった方が良いリターンとか、男性向けに応援してもらった方が良いリターンなどがあるはずなので、ある程度の属性で分けておいて、支援者名簿を作っていくことがとても大事です。
クラウドファンディング開始後からしつこく周知活動
3つ目は、クラウドファンディング開始後から毎日しつこく周知活動です。
SNSでもメルマガでも何でも良いですが、とにかく毎日周知活動をするべきです。
私のも毎日周知活動ができていなかったプロジェクトは、達成率が良くなかったクラウドファンディングもありますし、逆に毎日しつこく周知活動ができていたプロジェクトは、140%とか150%とかを達成したクラウドファンディングもあります。
やはり、毎日しつこく、とにかく言い続けるということがとても大事です。Instagramの場合は予約投稿を使って、1ヶ月先までの予約投稿を作っておくぐらい周知活動をしてください。
その間に大事なことは、まだご支援いただけてない方に対して、個別で「応援してください!」とお願いしなければなりません。よって、毎日しつこく周知活動しながら、確実に応援してくれそうな方には、メッセージを送り続けます。
支援者が集まってきたら、全員にプロジェクトの拡散をお願いする
4つ目は、支援者が集まってきたら、全員へ向けて「このプロジェクトを拡散して欲しいんです!」とお願いもします。
クラウドファンディングで達成したい目標があったり、その資金を使って何か成し遂げたいという想いがあったりするのであれば、とにかくお願いすることが絶対に必要です。
恥ずかしがらず、とにかくお願いをします。
終了数日前から最後の追加支援を応援する
5つ目は、終了日数日前から最後の追加支援を応援するということです。
「これだけ集まってきました!」とか「まだ、ちょっと足りてません…」など状況にもよりますが、とにかく一度支援してくださった方はあなたのプロジェクトの応援者なので、「もうちょっと頑張りたいんだよね」と言ったら必ず応援してくれます。
ほとんどの方が、もう一度「最後に応援してくれませんか?」とお願いをする必要があります。
なぜ初動の準備に時間をかけ、絶対達成させる必要があるのか?
「なぜ、そこまで初動の準備に時間をかけ、絶対達成させる必要があるのか?」をお話します。
テストマーケティングのためにクラウドファンディングするのであれば、必ずしも目標達成する必要はなく、気にしなくても良いでしょう。
しかし、会社を上げて取り組んでいるプロジェクトや社会貢献の活動など、企業イメージに関わるクラウドファンディングは絶対に目標達成をした方が良いです。
なぜなら、クラウドファンディングのサイトは、一度立ち上げるとずっと残り続けます。そこで目標達成率が悪かったり、目標達成率が100万円に対して10%という状況になったりしてしまうと、「この企業、全然応援されていないけど大丈夫…?」など信頼性にかけてしまいます。場合によっては、その後の商売に不利に働いてしまう場合もあります。
したがって、クラウドファンディングを立ち上げたら勝つ必要があるということを覚えておいてください。
実例から紐解く クラウドファンディングの必勝法2
次に、実例から紐解くクラウドファンディングの必勝法2です。
クラウドファンディングの目標金額は少し抑えめに設定
目標金額は少し抑えめに設定し、達成後にネクストゴールという形で金額をアップする方が精神的に楽です。
クラウドファンディング中は精神がすり減ります。ですから、達成できる目標をあらかじめ設定しておき、達成した後にプロジェクトが終了するまで金額を伸ばしていく方が、精神的に安心します。
クラウドファンディングの目標金額は、ほとんどの場合、途中で変更できません。例えば、一度目標金額を350万円と決めてしまうと、後から「350万円の目標金額をちょっと下げます…」ということができないのです。
したがって、目標金額は多少低めに設定しておいた方が精神的に楽です。
これは、100万円~500万円、また1,000万円など高額なクラウドファンディングをやってる方々は皆さん言っています。特に高額なクラウドファンディングに挑戦する場合は、少し低めに設定した方が良いでしょう。
目標達成後にネクストゴールという形で金額をアップする
目標金額は少し抑えめに設定し、目標達成後にネクストゴールという形で金額をアップする具体例を解説します。
私が行ったクラウドファンディングのひとつ、「医療従事者にマスクを届けたい」というプロジェクトでは、元々の目標金額を50万円と考えていました。
しかし、最初の目標金額を35万円に設定することで、早いうちに目標達成したという安心感が生まれ、その安心感で本来の目標金額50万円まで持っていけたという体験があります。
また、目標金額を35万円に低く設定したため、早いうちに100%以上で目標達成しているという見え方になるため、「このプロジェクトは、これだけ支援する人がいるんだな!こういう良いプロジェクトなんだな!」と思ってもらえる効果もあります。
クラウドファンディングの目標金額設定の失敗例
次は、失敗例を紹介します。
このプロジェクトは、最終的に3,630,400円を達成していますが、元々は350万円を目標金額と考えていました。
そして、そのまま素直に目標金額も350万円と設定したのですが、初動でなかなか支援者が増えませんでした。30万円の応援をもらっても達成率が10%以下となってしまい、「全然、目標達成していないプロジェクト…」のような感じになり、精神的な負担がありました。
今思えば、このプロジェクトは最初250万円という目標金額に設定しておき、それをすぐに達成して、その後のネクストゴールで350万円にして、本来考えていた目標を達成する形にした方が、自分としても精神的に楽だったと後悔してます。
目標達成率は精神的に追い込まれます。
新商品のテストマーケティングで、目標達成率が気にならない場合は別ですが、本当に実現したい社会貢献目標があるのにクラウドファンディングが応援されないと「やる意味ないのかな…」など、マイナスな方向に気持ちが引っ張られるため注意が必要です。
したがって、目標達成率は少し低めに設定しておくのがポイントです。
実例から紐解く クラウドファンディングの必勝法3
次に、実例から紐解くクラファの必勝法3です。
クラウドファンディングでは、「応援してください!助けてください!」と素直に言えることが大切です。小学生に話す内容みたくなっていますが、これは本当に重要です。
私の実例ですが、目標達成率50%を超えた後に伸び悩んで、苦しんでいたときがありました。しかし、最初はその苦しい気持ちを「ダサい…恥ずかしい…」という想いから隠しており、「ご支援お願いします!」とか「こんな風に頑張っています!」など、普通のSNS発信をしていく一方で、なかなか辛い気持ちを言えませんでした。
しかし、ある時このプロジェクトを応援してくれた支援者が、「もっと、みんなに広めて欲しい!」とか「『私は今の達成率に悩んでいて不安だ…』ということを、素直に言った方が良いですよ。その方が私も協力できます。」と、親切に言ってくれました。
そして私は、その支援者の方の声に従って、既に支援してくださった方々に向けて苦悩のメールを送ることにしました。
・目標金額にまだ半分しか達成してないこと
・あと半分の期間で、残り半分を達成できるか不安であること
・これが達成できなかったら医療従事者の人に申し訳なさすぎる気持ち
・毎日が数字に追われてるようで苦しくて仕方ない気持ち
・このプロジェクトを本当にやりたい気持ち
・応援と拡散の依頼
その苦悩メールを送付した後、その日に無事、目標を達成することができました。
ですから、「応援してください」「助けてください」という言葉を素直に言うということがとても大切です。
どのサイトでクラウドファンディングを立ち上げるのが良いか?
必ず勝つクラウドファンディングをするにあたり、どのサイトでクラウドファンディングを立ち上げるのが良いか気になると思います。サイトによって得意・不得意があり、プロジェクトによって向いてるサイト、向いてないサイトがあります。
例えば、物販ではMakuakeが強いとも言われています。Makuakeは物販で新商品を販売する人たち向けに作らえている機能もあり、それを使うと強いです。また、サイト利用者(支援者)がたくさんいるため、一度ご支援してくださった方はそのサイトにログインできる状態になっており、市場が温まっています。
そういうサイトを使うと、自分のコネクションや自社のお客様だけではなく、外部から応援してくれる人も増えたりします。したがって、どのサイトが自分に向いているのか1つ1つサイトを確認し、どんなプロジェクトが成功しているのか失敗しているのかなど、他社の研究もしてみると良いでしょう。
また、サイトによって手数料も違います。
クラウドファンディングが終わった後は、目標達成した金額に対して手数料が引かれますが、引かれる手数料は低いところで10%、高いところで30%ぐらい引かれるサイトもあります。したがって、手数料も先に調べておくと良いでしょう。
例えば、本当に必要な金額が100万円だとした場合、手数料で10%を取られるとしたら110万円で目標金額を設定しなければなりません。そうしないと、目標達成をしても自分が本当に必要な資金が足りない状況になってしまうため、手数料も確認しておくポイントのひとつです。
どのサイトでクラウドファンディングを立ち上げようか迷ってるときは、クラウドファンディングを実際に行ったことがある人に相談することをお勧めします。
また、相談する人は目標達成したことがある人や、あらゆるサイトでクラウドファンディングをやってる人をお勧めします。さらに、何かに特化してる人を集めて、成功事例を聞いてみることも重要です。
私も最初にクラウドファンディングを立ち上げるときに陥ってしまいましたが、ネットで調べた情報には盛られた情報や間違った情報が含まれており、いろいろと惑わされてしまいました。したがって、実際やったことがある人にサイトの使いやすさや、サイト担当者との相性などを聞いてください。
実例から紐解く クラウドファンディングの必勝法まとめ
実例から紐解くクラウドファンディングの必勝法まとめです。
1つ目は、事前準備をしっかりしておき、初動数日で目標達成率50%を目指すことです。
2つ目は、精神的に負担のかからない方法で達成することが大切です。目標金額は少し抑えめに設定し、ネクストゴールで目標に達成するようにしましょう。
3つ目は、すべて本音で戦うことです。支援者に対して、自分の気持ちを恥ずかしがらず素直にすべて伝え、人間性を知ってもらい、そこから支援の輪を広げてください。
目標金額が高額な場合の勝ち方とは?
応用編として、目標金額が高額な場合の勝ち方を解説します。
いろんな方法がありますが、目標金額が高額な場合は高額なリターンを用意する必要があると思います。一方、企業が最初から支援してくれる場合は、リターンをそれほど高額にしなくて良いこともあります。
今回は、私の実例で解説します。
目標金額が数百万円や数千万円のクラウドファンディングになると、戦い方が変わってきます。何が一番違うかというと、目標金額が高額になってくると、通常のクラウドファンディングと違い、個人の方だけでなく企業や個人事業主など、大きな団体にご支援してもらうことも重要になります。
個人の応援の場合、自分の会社のお客様や自分のコネクション、友達に応援してもらうなど数を多く集めなければなりません。1ヶ月ほどの期間で相当な数を集めるとなると、有名人や凄いコネクションがある人でない限り、目標達成は難しくなります。
したがって、あらかじめ大口の支援者に目安をつけて、確保しておくことが大事になります。
例えば弊社の場合、目標金額350万円のクラウドファンディングにおいて、大口支援者として100万円を10人ぐらい、50万円を15人ぐらい想定していました。「こういう人にオファーして応援してもらおう」と、10~15ぐらいの団体や会社、個人をイメージしていました。
最終的に350万円を目標金額にしたクラウドファンディングは達成しましたが、実際の結果は100万円の支援が1名、150万円の支援が1名、後は5万円から20万円程度の支援がパラパラといった感じになりました。
このクラウドファンディングで大変だったのは、大口支援者をクラウドファンディング開始前から準備できていなかった点です。目安となる大口支援者はいたのですが、前もってお願いができなかったため、クラウドファンディング開始後に話をして、最後の最後でご支援をいただいて目標達成することができました。
したがって、高額な目標金額の場合は、あらかじめ高額支援をしてくれそうな方をリストアップしておき、クラウドファンディング開始前にプロジェクトの想いと支援のお願いをする必要があります。
クラウドファンディングは一度立ち上がったら消えない
クラウドファンディングは、一度立ち上げたら消えません。
基本的には、どこのサイトでも一度立ち上げて実行しているプロジェクトは、そのサイトから消えることはありません。どんなプロジェクトをやったのかもすべて残ります。
裏を返すと、著しく目標達成率が悪かった場合、企業イメージが悪くなることがあります。
例えば、ラーメン店がクラウドファンディングで30万円の目標金額を設定し、レトルトで食べられるラーメンを発売したとします。しかし、目標達成率が5%と低かった場合、「このラーメン美味しくないんじゃない…」と悪いイメージを持たれ、悪評に繋がったりすることもあります。
クラウドファンディングが流行っているからといって安易に取り組み、目標達成率が悪かった場合、会社のイメージを損ねることになってしまう可能性もあります。したがって、クラウドファンディングを立ち上げる際には、「本当にクラウドファンディングをすべきなのか?」を見極める必要があります。
クラウドファンディングの事例
次は、クラウドファンディングの他社事例を紹介します。
自主映画を製作するための資金調達
1つ目は、自主映画を制作するための資金調達として、クラウドファンディングを活用した事例です。この団体は、「虐待された子供たちが、大人になって今どうなっているのか」という自主制作映画を作るために、クラウドファンディングを活用しました。
この団体には、既に1,000名近く応援してくれている支援者がいました。したがって、クラウドファンディングを行わなくても、この1,000名に対して「自主映画作るんです!頑張りたいんです!」といえば、絶対に応援してくれたはずです。
しかし、あえて大手クラウドファンディングのCAMPFIREを使うことによって、虐待の問題を広く周知し、知らない人たちにも知ってもらうことにしたのです。当然ですが、すぐに目標金額を達成し、最終的には150%くらいの目標達成となりました。
ここで大事なのが、見え方です。
これだけ虐待の問題に関心がある支援者が、虐待は良くないことだと考え、そして、どうしていけば良いのか、未来はどうなっていくのかと考えた人が、たくさんいることが数字として証明されました。
これは、クラウドファンディングを立ち上げて良かった事例だと思います。
コロナ禍でライブができなかったライブハウスの経営維持
次は、コロナ禍でライブができなかったライブハウスが、経営維持のためにクラウドファンディングを活用した事例です。
コロナ禍では、ライブハウスナはまったく運営ができず、そのライブハウスに出入りしていたアーティストや出演者も仕事ができない状態でした。
そこで、アーティストや出演者たちが中心となり、ファンの人に支援してもらえる可能性が高そうだったため、クラウドファンディングを立ち上げることになりました。リターンの内容は、コロナ後にファンミーティングやファン限定ライブの開催を約束したチケットであり、これが凄く人気でした。
クラウドファンディングは、最初周りの人が応援してくれるため、自分のお客様や友達から応援が始まり、次第に支援が広がっていきます。したがって、ファンの人達は本当に強い支援者となります。アーティストや出演者は、ファンの人が喜ぶものをリターンに入れると、ファンの人たちが何度も応援してくれることになります。
普段のライブはファン以外の人も見られるものですが、「今回はファン限定ですよ!」とか「今回はファンだけのミーティングですよ!」となると、ファンは嬉しくてたまりません。ファンに対して「あなた達だけのためにやっています」というファン思いの気持ちをリターンに含めることによって、ほぼ外部の支援者を使わなくてもコアなファンだけで目標達成してしまいます。
したがって、ファンの存在はとても大事であることが伺えます。
ビジネスコンサルタントが本を執筆
次は、ビジネスコンサルタントが本を執筆し、その本をクラウドファンディングのリターンで販売しようとした事例です。
この事例は、結果的に「クラウドファンディングはしない方が良い」という話をしました。その理由は、この本が既存のクライアント向けの本ではなく、新規のクライアントを獲得するための本だったためです。
クラウドファンディングは、自分のお客さんや応援してくれるファン、自分の友達など、身近なところから応援してもらい、支援を広げていく方法がひとつの勝ちパターンです。しかし、この事例の場合は、まったくの新規でクライアントを獲得することが狙いのため、クラウドファンディングを立ち上げても応援が確保できなさそうだと判断しました。
例えば、この本がクラウドファンディングで販売され、目標達成率が20%や5%になってしまった場合、そのコンサルタント自体の実績がマイナスに見えてしまい、評判が悪くなってしまう可能性もあります。
したがって、クラウドファンディングは行わず、あえてkindleとして販売することをお勧めしました。kindleでビジネス書を探してる人は多いため、結果的に2,000冊ぐらい販売しているそうです。
よって、クラウドファンディングをあえて選ばないことも重要です。
まとめ
結論として、クラウドファンディングは、プロジェクトを起こす段階から勝ち戦である必要があります。絶対に目標達成できる見込みがあればブランドイメージにも貢献しますし、大きな支援の輪も集まります。
しかし例外として、新商品のテストマーケティング要素の強い物販であれば、負け戦をしても問題ありません。むしろ、そこで負けた方が良いです。大々的に製品を発売する前に、クラウドファンディングで「あっ、これ人気なかったんだな…」と改善点に気付くこともできます。
一方、社会貢献型プロジェクトや、自分がどうしても達成したい目標、また自分のブランドイメージを掲げて行うクラウドファンディングは、絶対に目標達成させるのがクラウドファンディングの必勝法です。
利用の仕方によっては良い効果を生みますが、間違って利用してしまうとブランドイメージを損ねたり、自分の評判を損ねることにも繋がったりします。したがって、必ず「本当にクラウドファンディングやる必要があるのか?これはクラウドファンディングで集めなければいけない資金なのか?」を考えてください。
クラウドファンディングの必勝法は「絶対に目標達成できる見込みがあるプロジェクト」ということです。
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