マインドマップ活用法 Part2 ビジネスを加速する書き方の基本

登壇者
中小企業診断士、1級販売士、マインドマップの学校登録講師 安田 裕美のプロフィール写真

安田 裕美
中小企業診断士

1級販売士、マインドマップの学校登録講師

営業3年、事務5年→中小企業診断士の資格取得後、独立。創業や経営革新、各種補助金の申請支援の他、主に「食」の業界でのコンサルティング活動を展開中。
会議や研修、売り場や製造現場での指導など、業務改善・拡大等の支援に取り組む中で、いかに現場の力を高めるかが重要であると考えるようになる。
営業研修、管理職研修、5S研修など、様々なシーンでマインドマップを活用。


本シリーズは二部制で、上記の動画は「Part.2」です。

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目次

はじめに

個人と組織の思考力を高め、ビジネスを加速するマインドマップ活用法第2回では、マインドマップの基本的な書き方についてご説明いたします。

マインドマップの書き方

それでは、マインドマップの書き方についてお伝えいたします。

1.A4以上の無地の用紙を用意し、横長に置きましょう。

まず、紙を用意する必要がありますが、基本的にはA4サイズ以上の無地の紙が適していると考えられます。しかしながら、無地の用紙であれば、サイズはある程度自由に選んでいただいても構いません。例えば、メモ用紙やノート、A5サイズ、A4サイズ、B5サイズなど、様々なサイズを利用される方がいらっしゃいます。基本的には、無地の用紙を使用することをお勧めいたします。定規や罫線がない方が望ましいです。

2.まず、中央のイラスト「セントラルイメージ」を描きます。

無地の用紙を横に置き、その中央部分にセントラルイメージ(中心となるイラスト)を描いていくのが基本です。今回の例としては、書籍「Q思考」の読書メモを示していますが、必ずしも複雑な絵を描く必要はありません。イラストのように簡略化された形で、少し試してみると良いでしょう。状況や目的によって、描く内容を決定していただければと思います。

真ん中には、ある程度大きな形の絵を描くことをお勧めします。例えば、A3サイズの紙であれば、グレープフルーツ程度の大きさ、A4サイズの紙であれば、コンビニのおにぎりくらいのサイズが目安となります。また、白黒だけで表現する場合は、シンプルに雲のような形を描いても構いません。

3.次に、セントラルイメージにつなげて、放射状に枝を伸ばしていきます。

次に、セントラルイメージ(中心の絵)から放射状に枝を伸ばしていきます。最初に右上方向から始めると良いでしょう。一山一谷程度の形状が適しています。このように、くねくねとした線で枝を伸ばしていくと良いでしょう。

4.枝が描けたら、その上に「言葉(単語)」をのせていきます。

枝が描けたら、その上に単語や言葉を記入します。枝がアンダーラインのようになるイメージです。ここでのポイントは、単語や言葉で表現することです。連想を促進するためには、単語や言葉であることが非常に重要です。

例えば、「朝コーヒーを飲む」というフレーズから連想する場合、単語に分けるとより多くの連想が得られます。「朝」という単語からは、「目覚め」「目玉焼き」「窓を開ける」「歯磨き」などが連想されるでしょう。「コーヒー」に関連する単語からは、「エスプレッソ」「朝食」「スタバ」などが思い浮かびます。また、「飲む」という単語からは、「水」「コーヒー以外の飲み物」「スープ」なども考えられます。

「朝コーヒーを飲む」と一続きに考えるのではなく、単語ごとに分けることで、連想が広がりやすくなります。そのため、単語で記入するように工夫してみてください。

「出発点」を起点に、次々と単語を枝分かれさせる形でマインドマップを完成させていくと良いでしょう。

5.次に、1つの枝から連想する言葉(単語)をどんどん広げていきます。

先ほど、マインドマップには言葉を記入することをお話しいたしましたが、言葉以外にも、絵やマーク、記号などをどんどん使うと良いでしょう。例えば、赤いマークを付けたり、番号を振ったりすることで、後から見たときに非常に見やすくなります。重要だと思う部分に自分で赤マークを付けたり、思い浮かんだ絵を描いたりするのも良い方法です。

絵や色、マークを使用することで、より視覚的に分かりやすいマインドマップを作成できます。特に、絵文字やアイコンは使いやすく、文字よりも迅速に情報を伝えることができます。例えば、「メール」という言葉を書かずに、四角や三角のアイコンを用いることで、即座に「メール」を示すことができます。このように、アイコンやマークを上手に活用することで、より迅速かつ分かりやすいマインドマップが作成できるでしょう。

6.書き終わったら全体を見直しましょう。

マインドマップを書き終えたら、全体を見直し、俯瞰することが重要です。気づいたこと、例えば重要な部分に印を付けたり、関連性があるものにマークを付けたりすることが効果的です。枝自体に黄色いマークを付けることや、ポイントをまとめることも有効です。全体を見渡してから気が付いたことを追加することで、マインドマップの効果を最大限に引き出すことができます。

書いたものに満足して終わるのではなく、全体を俯瞰して見直すことが重要です。脳は全体を見たときに不足している部分を補おうとする機能を持っていますので、その特性を活かして、マインドマップをより充実させるように心がけてください。

マインドマップと一般的なノート・記録との違い

マインドマップと一般的なノート・記録との違いについてまとめてみましたので、ご覧ください。

何を書くか

一般的なノート・記録の場合、基本的には文字だけで考えた結果を記録することが多いです。つまり、頭の中で考えた結果を結論としてまとめて書き留めるというスタイルが一般的です。

一方、マインドマップの大きな利点は、考えている途中で思い浮かんだことをそのまま記入できる点です。思いついた単語や関連がないと思われるアイデア、さらには枝から全く別の言葉が出てくることもありますが、それもそのまま書き留めることが推奨されます。後でどのように発想に繋がるか分からず、そのアイデアが重要なキーワードになる可能性もあります。

マインドマップでは、考えている途中のアイデアも遠慮せずに自由に記入することができます。例えば、字でも絵でも模様でも記号でも、何でも自由に書き入れることができます。字の大きさや色も自由に変更することができ、例えば赤やピンク、緑など、自分の好みに合わせた色を使って書き込むと、より楽しいマインドマップが完成します。

この楽しさが脳にとって非常に良い効果をもたらします。脳はワクワクしたり楽しい状態になったりすると、新しい発想やアイデアが湧きやすくなります。そのため、マインドマップを楽しんで作成することが、創造的な思考を促進するために重要です。是非、楽しみながらマインドマップを作成していただければと思います。

どのように描くか

通常のノート・記録では、一般的に上から順に枠の中に収まるように書くことが多いです。このような方法では、無意識に制約を感じることがあります。例えば、枠がある程度の大きさであれば、その枠に合わせて3行程度書けば良いと考えてしまうことがあります。枠が埋まっているから、形が整っていると感じてしまうこともありますが、このような制約が発生しやすいのです。

一方、マインドマップの場合は、放射状に自由に書いていくことができます。思い浮かんだことをどこからでも、どのようにでも書くことができるため、脳の制約が解放され、自由な発想が可能になります。

何で書くか

書く際のツールについても異なります。

通常のノート・記録では、黒いペンが基本となることが多いですが、マインドマップではカラフルなペンや色鉛筆など、様々なツールを使用することができます。色を使うことで、視覚的に楽しく、また新しい発想が生まれやすくなります。

しかしながら、カラフルなツールを使うことに抵抗がある方もいらっしゃるかと思います。私も以前はそうでした。そのような場合は、黒いペンから始めて、徐々に赤やピンク、紫などのマークや色を加えると良いでしょう。あまりルールを気にせず、重要な部分には赤いペンを使い、思い浮かんだ絵には絵文字を加えるなど、自分に合った方法で自由に書いていただければと思います。

何に書くか

通常のノート・記録では罫線や方眼用紙でも構いませんが、マインドマップでは無地の紙を使用することをお勧めします。特に発想を広げたい場合は、大きな紙を使用するのが良いでしょう。例えば、A3サイズの紙を使ってじっくりと書くこともできます。グループで作業する場合は、ホワイトボードや模造紙を使うと良いでしょう。大きな紙を使用することで、より広がりのあるマインドマップを作成することができます

フレームワーク

フレームワークについてですが、皆さんが普段のビジネスシーンでよく活用されていることと思います。通常のノート・記録では、記載の前後に「どのフレームワークを使うべきか」や「論理的に考えるためにどうしようか」と考えることが多いでしょう。ロジカルシンキングが推奨されるケースが多いかと思います。

実は、マインドマップとフレームワークの相性は非常に良いのです。マインドマップのセントラルイメージ(中心の絵)を書いた後に、フレームワークを加えていくと良いでしょう。例えば、前回ご紹介したような5W1H、SWOT分析やPEST分析などのフレームワークを用いる場合は、まずマインドマップの中心にそのフレームワークを載せ、そこから発想を広げていくと良いです。

マインドマップとフレームワークの組み合わせは非常に有効ですが、逆にフレームワークに囚われずに自由に発想することも重要です。フレームワークに左右されず、新しい視点やアイデアを発見することができるかもしれません。そのため、フレームワークに固執せず、自由な発想を試してみることも大切です。

思考の結果

思考の結果については、通常のノート・記録では、個人の思考やこれまでの枠を超えることが難しい場合が多いかもしれません。一方、マインドマップでは新しい気づきや発想が生まれやすく、また各プロセスで結果を共有しやすいというメリットもあります。

ぜひ、マインドマップの特徴をうまく活用し、ビジネスシーンでの思考を深めていただければと思います。

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執筆者

中小企業診断士 安田 裕美
1級販売士、マインドマップの学校登録講師

営業3年、事務5年→中小企業診断士の資格取得後、独立。現在は、創業や経営革新、各種補助金の申請支援の他、主に「食」の業界でのコンサルティング活動を展開中。

会議や研修、売り場や製造現場での指導など、業務改善・拡大等の支援に取り組む中で、いかに現場の力を高めるかが重要であると考えるようになる。

現場の考える力を高めるための一手法として「頭の使い方」なども研究。
2013年にマインドマップの公式インストラクターとして活動を開始。

大手企業の営業研修、管理職研修の他、5S研修、マニュアル作成研修など、様々なシーンでマインドマップを活用している。

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