環境変化をチャンスに変えよう!| Part2

登壇者
Will Partners 代表 長澤 秀幸 経営コンサルタントの譜フォリール写真

長澤 秀幸
経営コンサルタント

Will Partners 代表

商工業者の支援を行う浜松商工会議所に20年間勤める中で、経営者が持つ「強み」に寄り添って、「納得」から伴走者として信頼していただき一緒になって展開するスタイルを確立。
「価値を顧客に伝えるビジネスプロセスの創出・再構築」こそ「売れる仕組みづくり」につながり、事業拡大や事業承継までつながっていくことを実感。
2019年独立。「強みと顧客を巻き込んだ」販売戦略、ブランドをづくり、小さな企業が持つ、独自の強み(宝モノ)を発掘し、持続可能な経営と売上づくりを実践。


本シリーズは四部制で、上記の動画は「Part.2」です。

▼ シリーズ動画一覧

目次

付加価値を上げよう

付加価値を上げるために、今までの商品やサービスについて、あらためて向き合っていただきたいと思います。

誰にとって良い商品なのかという発想で、例えば飲食店で若者にターゲットを絞ってメニュー作りを行う際には見栄えによって単価を高くするなど、要素の組み合わせ次第で新しい付加価値が生まれます。

独自のアイデア

身近にあるものを変えることで独自のアイデアが生まれることに気づいていただきたいと思います。

①転用(使い道)

例えば、イベント用のテントを作っている会社の場合、コロナでイベントが行われなくなると売上が上がらなくなります。これをキャンプの流行を踏まえて、キャンプ用テントという形でリニューアルすることにより、テントの使い道を変えることができます。

②変更(形・色)

例えば、製造業であれば、アルマイト処理で製品に色付けを行うことで、おしゃれなイメージに変えることができます。

③拡大縮小(大きさ・回数・時間)

ものを大きくする、小さくする、使える回数を増やす、長く使えるようにするといったことで、付加価値を上げることができます。

④代用(人・材料・場所)

先ほどのテントについて、イベント用からキャンプ用では使う人や場所が変わります。また、キャンプ用であれば軽い材料で持ち運びをしやすくすることで付加価値を上げることができます。

⑤置換・逆転(順番・レイアウト・上下・左右)

順番やレイアウト、上下左右を変えることによって、利便性が向上することも考えられます。従来の業界の常識を疑うところから取り組んでいただきたいと思います。

⑥結合(異なる業種・混ぜる)

自社だけでなく他の業種と組むことによって、新たな付加価値が生まれるケースもあります。

⑦復活(終了商品の改良)

リメイクして使いやすいものに生まれ変わることで、付加価値を上げることができます。過去の商品と今一度向き合ってみることも大切です。

⑧輸入輸出(地域・業界)

海外のウェブサイトに出店することで売れるものがあります。自分たちの商品に合うマーケットが他にないかという視点で探ることも大切です。

ランチェスターの法則

付加価値を上げるために、ランチェスターの法則の考え方を取り入れていただきたいと思います。

①先発会社と差別化 同じやり方をしない

先発している会社との差別化を意識して、同じやり方をしないことが大切です。

②小規模1位主義、部分1位主義

小規模でも部分的でも、どこかでナンパーワンになることによって、価値を広げやすくなります。

③強い競争相手がいる業種には決して参入しない

強い競争相手がいる業種には参入しないという決断をすることが大切です。

④戦わずして勝つ

 戦略とは「戦いを略す」こと、戦わず、勝つやり方を狙っていくことです。ランチェスターの法則でも同じであることを意識していただければと思います。

⑤対象を細分化する

業界など対象を大きくとりすぎるとナンバーワンを見出すことが難しいため、細分化してみることが大切です。

⑥目標を得意なもの1つに絞る

 自分が得意なものに絞って、その得意なもので一番になるためにどうしたらよいかを考えていくことが大切です。

⑦軽装備で資金の固定化を防ぐ

過剰投資をせずに、資金効率の良いやり方を意識することが大切です。

⑧目標に対して持てる力のすべてを集中する

目標に対して持てる力のすべてを集中し、強い意志を持ってやり抜くことが大切です。

⑨競争相手に知られないよう、静かに行動する

競争相手に自社の取り組みや構想などを悟られないよう、静かに行動することが大切です。

マーケティングとは

マーケティングとは、顧客が真に求める商品やサービスを作り、その情報を届け、顧客がその商品を効果的に得られるようにする活動です。

売る側と買う側の視点を意識することが大切です。「売れる商品を」、「売れる価格で」、「売れる流通で」、「売りましょう」というのは売る側の視点です。買う側の視点と一致するからこそ、商売を続けることができます。

業務の流れ

提供しているサービスやものづくりには、「業務の流れ」があります。

ものづくりであれば、企画・設計を経て、材料を投下して商品を作り、流通や卸を通じて価値提供をしていくという「業務の流れ」があります。

差別化を行うには、この「業務の流れ」を整理していただきたいと思います。

自社の「業務の流れ」を一つ一つ書き出して言語化することにより、経営のステージを一歩上にできるものがないかを考えていただければと思います。

物語をつくろう

今の業務の視点に合わせて、「物語」というものを作っていただきたいと思います。

顧客にとっての価値、なぜこれを買わなければいけないかがわからないと、商品は購入されにくいです。

その商品の必要性を先に設計し、顧客の想定する価値を踏まえて展開するという「物語」を意識していただければと思います。

「物語」をつくるための3つの視点について説明します。いずれも「問い」という形で項目を整理しました。

1)顧客視点

顧客視点について図に表しました。一部抜粋して説明します。

商品ごとに、顧客はどんな会社なのか、どんな個人なのか、個人の場合は、性別や年代まで落とし込んでいただければと思います。

なぜ商品を買ってくれているのかについて言語化することができたら、他の顧客に商品を広げることが容易になります。ぜひ言語化からチャレンジしてみましょう。

口コミ等で自社商品を紹介されることがないのであれば、商品の良さが伝わっていない可能性があります。商品やサービスについて、何を売りとしているのかを顧客に伝えることを意識していただきたいと思います。

また、同業他社の売りを把握することで、自分たちが何を価値として提供すれば差別化ができるかが見えやすくなります。ここも意識していただきたいと思います。

2)業務視点

業務の視点として、どこを得意とするかによって3つのパターンに分かれます。

①低価格が売りの場合

顧客が期待するサービスは何かを考えて、常に新しいことを考えるという意識を持ちきましょう。

顧客が安さを求めているということは、当然仕入れ価格を安くするために、自分たちは何をし続けなければいけないかを考える必要があります。より安く仕入れる方法は何かをぜひ追求してもらいたいと思います。

もう一つ、安く提供するために、商品開発の仕組みを考える必要があります。より安く開発するための仕組みについても向き合っていく必要があります。

②親密さが売りの場合

濃厚なサービスをしていることが顧客に伝わっていない場合は、サービスをしていないことと同じです。

また、顧客との親密さに見合った商品であることが重要です。どの商品を見ても「こだわりを感じなかった」と感じさせてしまったら、商品として適切でない可能性が高いです。

顧客との親密さが増すことで他の顧客を連れてきてもらえれば、商売というのは楽になります。顧客と親しくなるために何が大切なのかを意識していきましょう。

③商品が売りの場合

商品を仕入れて売っている場合、その仕入の選択は適切なのかを考えていただきたいと思います。

また、独自の商品やサービスについては、他との違いを説明しなければ、顧客は類似品に変えてしまいます。商品やサービスの独自性を深掘りして、この商品の売りという部分を確認していただければと思います。

3)人材視点

最後に、人材の視点についても意識してもらいたいと思います。

価値を生む人材にするためには学習が必要です。提供してもらいたい価値に対してどんな教育をしているか、何を学習させているかということを言語化してもらいたいと思います。

学習方法については、経営革新を進めるにあたって、戦略に合ったものに集中して行うことが重要です。新しいものを生み出すことを目指すのであれば、そこにあった戦略を選ぶことによって、学習成果を早く手元に引き寄せることができます。

もう一つ、社員の意見や考えなど、現場で話ししたことを吸い上げる仕組みを作ることも重要になります。顧客ニーズの変化や要望をいち早く取り入れて形にしていく仕組みがあることで、経営革新を進めていくスピードがかなり変わります。

1人だけでは、会社を経営革新という新しいステージに持っていくことが難しいため、戦略や目標に向かって全員で取り組むという姿勢が大切です。人材教育の視点を持ちながら、物語を作っていくということを意識していただきたいと思います。

ドラッガーの「5つの問いかけ」

ここで、ドラッガーの「5つの問いかけ」についても意識していただきたいと思います。

①我々の「事業の使命」とは何か

 何のために我々は存在しているかを意識して、その存在価値を提供し続けなければいけません。それに見合う商品やサービスとは何でしょうか。

②我々の「顧客」とは誰か

 存在価値を認めて対価を払い続けているのは誰か、自分たちが提供する価値を今一度見直して、それに対する顧客を今一度見定めていただきたいと思います。

③顧客は何を「価値あるもの」と考えているか

 顧客は何を価値あるものと考えるか、何を提供したら価値を払ってくれるかを意識していただきたいと思います。

④我々の「成果」とは何か

 何をもって私たちの事業がうまくいったのか、成果基準を作っていただきたいと思います。

⑤我々の「計画」とは何か

 計画というのは、使命や目標を達成するための役割分担やスケジュールですので、具体的に落とし込んでいただきたいと思います。

必要なのはスパイラルアップPDCAサイクル

実際に具体化していくにあたっては、業務の計画を立て、それを実行し、検証するというPDCAサイクルを回すだけでは不十分です。

中期目標に向けたPDCAサイクルを策定し、改善点をまた次の計画へ盛り込むというスパイラルアップの視点を持って取り組んでいくことが必要です。

最後に

常に成長へのこだわりを失わず、すべての結果を自らに問い続けて行動していただければと思います。

  1. 大きな仕事を創っているか。
  2. 変化とスピードを大いに楽しんでいるか。
  3. 目の前のチャンスを逃さずに常にトライしているか。
  4. 人のやらないことを進んでやっているか。
  5. 少しでも上に目標を設定しているか。
  6. 優先順位を決めて行動しているか。
  7. 相手の目を見て結論から話しているか。
  8. 全ての結果を受け止め、言い訳をしていないか。

この8つの問いかけを意識して、経営革新に向けて行動していただければ幸いです。


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この記事を書いた人

Will Partners 代表 長澤 秀幸
経営コンサルタント

商工業者の支援を行う浜松商工会議所に20年間つとめる中で、経営者が持つ「強み」に寄り添って、「納得」から伴走者として信頼していただき一緒になって展開するスタイルを確立。
「価値を顧客に伝えるビジネスプロセスの創出・再構築」こそ「売れる仕組みづくり」につながり、事業拡大や事業承継までつながっていくことを実感。
『 あなたなら、多くの方を助けられるから 』の声に応える形で、「人に寄り添い、笑顔を与える存在であれ」を理念にかかげ2019年 伴走支援をお約束した経営コンサルタントとして独立。
「強みと顧客を巻き込んだ」販売戦略、マーケティング、ブランドづくりを実践し、小さな企業が持つ、独自の強み(宝モノ)を発掘し、持続可能な経営の仕組みづくり、売上づくりを実践している。

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