中小企業の賢い広報戦略「メディアに取り上げられる方法とは?」

登壇者

梅澤 アンナ
装飾デザイナー /
小売物販コンサルタント

株式会社Mari`eeFleurir代表
日本大学芸術学部卒業後、株式会社ユニクロへ入社。
ファッション業界に精通するため量販小売店でBY、DBを経験し、アウトドアメーカーでMDと商品管理を経験。
その後、独立し装飾品店を開業。年間500件以上のオーダーを受注し、西武百貨店や高島屋などにも出展。現在は日本の着物を後世に繋ぐファッションプロジェクトを推進。2021年からはクリエイト塾を開講し、個別コンサルも行う。2023年にはパリコレに出展。

目次

1.はじめに

今回は、「小さな会社の賢いメディア戦略術」と題して、「お手紙効果」について説明します。

企業がお客様の信頼や安心を確保するためには、大手メディアに取り上げられるということが大切なポイントになってきます。しかし、小さな会社では、メディアに取り上げられること自体が難しいですよね。

私も最初の頃は、「メディアにコネクションがある人が取り上げられて、うちのような小さい会社は取り上げてもらえない」といった卑屈な考え方をしておりました。

ところが、小さい会社でもやり方次第で大手新聞や大手メディアに取り上げられることがあるのです。実例を踏まえて説明しますので、参考にしていただければ幸いです。

2.小さな会社がメディアに載るメリット

小さな会社がメディアに載るメリットは、社会的な信頼性の確保と安心の提供です。誰もが知るメディアで取り上げられれば、顧客にとって「この店は大丈夫だ」という信頼感や安定感が得られます。

例えば、中小企業の社長の記事が大手新聞に掲載されていたり、TV番組に取り上げられたりすれば、社長の人物像が第三者を通して伝わるので、信頼感と安心感が確保できます。小さな会社であればあるほど、「メディアに載る」ということは大きなメリットになってきます。

気をつけないといけないのは、メディアに載るメリットはあくまでも信頼性の確保と安心の提供です。「メディアに載れば売上が100倍になる」といった下心を持っているようでは、絶対にメディアには載りません。こういった下心は必ず文章に表れてしまうからです。

3.どうしたらメディアに取り上げられるのか?

メディアに取り上げられるためのコツは、「相手にお手紙を書くように」伝えることです。

プレスリリースでは、自社の宣伝めいたことしか書いていないため、メディアに取り上げられる確率はかなり低いです。記者やメディア関係者は、「社会性」と「人の血の通った話」というものを見て選んでいます。「社会性」については、取り上げてもらいたい内容と今の社会、今の時代との結びつきがあるかどうかを見ています。一方の「人の血の通った話」については、取り上げてもらいたい内容の裏側には、どんな人がどんな思いで関わっているのかといった部分を見ています。

この「社会性」と「人の血の通った話」を上手に伝える手段が、「相手にお手紙を書くように」ということなのです。

記者やメディア関係者も所詮は人の子です。例えば、字が汚くても一生懸命、自分の宛名を書いてくれた手紙と、無機質なD Mが届いた時に、どちらを先に開くでしょうか。手紙の方を優先しませんか?

「〇〇記者様 暑い中、日々の報道の取材などご苦労様です。先日、〇〇記者様の書いた記事を拝見しました。このサービスについて私は疎かったのですが、とても勉強になり興味が湧きました」

たった3行かもしれませんが、これが手書きで添えられていたらどうでしょうか?

ほんの少しの心遣いが、記者やメディア関係者にとって「自分の活動を知ってくれて嬉しい」、「この人は何をやっている人なのかな」という興味に変わるのです。

今の時代、ほとんどの人がメールを活用していますが、記者やメディア関係者には、毎日3000通程度のメールが届くといわれています。その中から、自分の依頼メールを見てもらうためには、よほど興味を惹くような件名であったり、送信者が有名な方であったりしない限り見ることはないですよね。

私自身の過去の経験からも、自分の思いを相手に伝える確率を上げたいのであれば、まずは手紙の方がよいと思います。忙しい記者やメディア関係者でも、1ヵ月に1回程度は出社していると思いますので、デスクの上に手紙が届くようにすることをお薦めします。

4.自分が何をしている者なのか、しっかり名乗る

自分が何をしている者なのか、しっかりと名乗ることが大事です。「株式会社〇〇の広報担当〇〇です」では、自分が何をしている者なのか相手には全くわかりません。

小さい会社の場合、例えば「私は鎌倉市で着物のリメイクの活動をしている梅澤アンナと申します」といったように、自分の名前をまず書くことが大事です。具体的な地名も添えるとなお良いと思います。

また、「伝えたい内容」×「社会性」というのもすごく大事です。

私の事例を紹介しますと、「世の中では服の大量廃棄が問題になっており、その問題を解消すべく、私は着物をリメイクして、新しい商品に変えるというサービスを考えました。当社ではもともと着物リメイクを事業としているので、着物の生地を再利用することで服の廃棄量を減らすとともに、伝統的な日本文化が消されないように頑張っていきたい次第です。具体的な取り組みとして、このようなことをしています」と書きました。

アンテナを研ぎ澄まして、自分の会社がやっているサービス、広めたい内容と社会にあるいろいろな出来事を絡められないか、とにかく探るのです。今の時代の問題や社会に関わる事を話題に入れることで、メディアに取り上げられやすくなります。

5.「広めてほしい」と素直にお願いする

例えば、プレスリリースに「〇〇月〇〇日、何なにという展示会があります」とだけ書いてあった場合、記者やメディア関係者の受け止め方は、「展示会があるんだ」だけで終わってしまいます。

そうではなく、「あなたのお力で、ぜひ多くの人に展示会を開催することを広めてほしいのです」という思いを素直に書くことが大切です。

例えば、地域イベントであれば「〇〇県〇〇市のこういう人に向けて広めてほしい」と書いて依頼すると、記者は「なるほど。だったら今度書く記事の枠があるから、そこにこの地域の人に向けた記事を書いてあげよう」といった形で取り入れてもらえるのです。相手に何をしてほしいのかを必ず伝えることが重要です。

6.まとめ

 本日のまとめは以下のとおりです。

相手への心配り

本当にちょっとしたことでよいので、相手への心配りを意識しましょう。

個人名で名乗る

「あなたの記事を拝見しました。この記事の内容に私は感動しました。実は私もこういうことをやっています。私は〇〇市でこのような活動をしている梅澤アンナです」といったように、個人名を必ず名乗りましょう。

伝えたいことと社会性を絡める

「社会的にこういうことが問題になっていることから、私たちはこういうサービスを考えています。この問題を解決するために、具体的にこのようなサービスがやりたいのです」というように、伝えたいことと社会性を絡めるようにしましょう。

何をしてほしいのか、しっかり書く

「これをあなたの力で、こういう人に伝えてほしい」というように、相手に何をしてほしいのかを必ず書きましょう。

今回はメディアにまず取り上げられるための第一歩として、記者やメディア関係者に対して「相手にお手紙を書くように」伝えることが重要であることを説明しました。

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この記事を書いた人

【講師】
株式会社Mari`eeFleurir代表 梅澤 アンナ
装飾デザイナー
小売・物販コンサルタント

日本大学芸術学部卒業後、株式会社ユニクロへ入社。店長候補として銀座店に配属。23歳の若さで店長として30人以上のスタッフのマネージメントや店舗運営を行う。
その後、ファッション業界に精通するため量販小売店でBY、DBを経験し、アウトドアメーカーでMDと商品管理を経験。得意分野はカスタマー対応。
2017年に独立し自身で製作販売を行う装飾品店を開業する。年間500件程度のオーダーを頂き、サステイナブルなモノづくりに邁進する。
西武百貨店や高島屋、ラフォーレ原宿などにも出展。現在日本の着物を新しい形で後世へ繋いでいくファッションプロジェクトを推進中。
2021年〜アイデアをカタチにするクリエイト塾を開講し、物販やネットショップ等を開きたい個人さま、企業へ向けて個別コンサルを行う講師としての顔も持つ。
2022年よりキャリア教育の社会人講師として小中学生に向けて講義を行なっている。
2023年にパリコレに出展が決定!

プライベートは・・・ファッションと音楽が好き、北海道が大好き、空港大好き、家族とキャンプ!

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