補助金検討後では遅い!なぜ経営革新計画を先に作成しておくべきか?
原口 卓也
中小企業診断士
・商工会議所
個社支援(制度資金あっせん、補助金申請他)/面的支援(イベント企画運営)
・税理士法人
財務に基づく経営計画PDCA支援コンサルティング/ 法人個人の決算書、申告書作
・中小卸小売業 経理財務部
月次・年次決算とりまとめ/プロジェクト活動(インボイス制度対応など)
中小企業診断士の原口です。経営革新計画をテーマに、三回にわたって、現状分析、新事業の構想、新事業の検証と数値化について.動画と記事をお届けします。
本題に入る前に、今回のペルソナ、そのペルソナに動画や記事を通じて到達していただきたいゴール、そして、ゴールに到達するための手段である本記事の構成(目次)は以下の通りです。
経営革新計画を先に作成すべき理由-なぜ経営革新計画なのか-
最初に、経営革新計画を紹介する理由を説明します。
それは、公的な中小企業支援策は数多くある中で、経営革新計画が、全国の中小企業が一年を通じて活用でき、他の支援策を有利に使う条件であるためです。
例えば、東京都令和5年度予算のうち、産業労働費は6,733億円ですが、それら支援策を利用できるのは、基本的に東京都内の事業者のみです。また、国の施策として、全国の事業者が利用できる事業再構築補助金第10回公募は、6/30までに申請する必要がありました。以上のように、他の中小企業支援策は使いたくても使えない、使いたい時に使えないということが多々あります。
また、経営革新計画の承認が得られると、日本政策金融公庫からの借入に特別利率が適用され、通常より0.65%安く資金調達できます。5,000万円を5年間で借り入れた場合、基準利率なら247万円が特別利率では164万円と、支払利息が83万円も削減できることになります。
そして、経営革新計画の承認は加点項目として、ものづくり補助金の採択率に直結します。
全国中小企業団体中央会が「ものづくり補助金総合サイト」で公表している赤い折れ線グラフが示す第14次ものづくり補助金の採択率は、加点項目が1個では40.0%、そして2個では51.6%であり、加点項目が増えれば、採択率が上がるという実績があります。それは、経営革新計画の承認はものづくり補助金における成長性加点に該当するためです。
経営革新計画の概要-経営革新計画とは-
東京都産業労働局は「経営革新計画申請について-記載要領と支援策-」において、経営革新計画を次の通り定義しています。
「新事業活動により経営の相当程度の向上を図るための中期的な経営計画書」
この定義には二つのキーワードがあります。それは、新事業活動(新商品を開発または新サービス提供すること)、経営の相当程度の向上(利益を増やし、それを従業員に給与として還元すること)です。
※「経営の相当程度の向上」を具体的に測る指標として、付加価値額と給与支給額があります。
経営革新計画作成・承認のメリット-計画をつくった人が感じたメリット-
事業者のリアルな声を基に、経営革新計画のメリットについてご紹介します。
東京都が経営革新計画の普及を目的に作成している「令和3年度東京都経営革新計画事例集」からうかがえる、事業者が経営革新計画を作成して、また承認を得られて、実感したメリットは以下の通りです。
社内:会社の将来を社員と共有できた
社外:顧客や金融機関からの信用力が向上した
経営者:経営革新計画を専門家とつくることで、会社の状況や計画の内容を客観的に捉えられた
経営革新計画の作成と承認が、事業者にとって社内外の重要な利害関係者である社員や顧客との関係をより強固にすること、経営者自身の気づきや刺激につながっていることが伺えます。
経営革新計画の構成-経営革新計画はどのように作成すればよいか-
経営革新計画をどのように作れば良いかを知るために、経営革新計画の構成について触れてまいります。
まず、商品や人材などの内部環境、顧客や競合などの外部環境の現状を分析します。そして、社員の雇用を守り、市場に商品やサービスを供給し続けるのに必要な、会社が持続的に成長するための課題を設定します。
続いて、その課題を新事業活動でどのように解決していくかをまとめます。新事業活動の構想を5W1Hの切り口から練り上げ、新規性と実現可能性の観点から新事業を評価し、付加価値額と給与支給額という経営革新計画で求められる指標について、妥当性が高い一方で野心的な目標値を立案します。
新事業活動の例-どのような計画が承認されているか-
経営革新計画における新事業活動の評価ポイントをお伝えします。それは、新規性と実現可能性の二つです。
何も新しく考えてくださいというわけではございません。どの新事業にもあるはずの、この二つの要素に根拠をもたせて、経営革新計画において意識的に際立たせて作成することです。
まず、新規性についてです。みなさんの新事業が顧客の課題、市場のニーズ、それらの変化を捉えているか、顧客からのヒアリングや統計資料などから裏付けます。つまり、皆さんが新事業でやりたいこと・できることが、顧客や市場から求められていて、売上につながることを示します。
次に、実現可能性についてです。企業の成長や顧客の課題解決につながる、魅力的な新事業でも、実現できなくては絵に描いた餅で終わってしまいます。既存事業から培った強みの活用や外部連携による補完などから、新事業の実施に必要なヒト・モノ・カネ・情報といった経営資源が揃っていることを理論付けます。
新規性と実現可能性の視点は計画検討段階から意識してまいりましょう。
経営革新計画を作成する-経営革新計画作成の支援者-
最後に、経営革新計画をつくりたいがどのようにつくったらよいか、胸に秘めたアイデアを共に事業化してくれないか、社員と共に新事業を作り上げたいので第三者として社内を取りまとめてくれないか、そのようなお悩みを抱えていらっしゃる経営者の味方を紹介します。
それは経営コンサルタントとして唯一の国家資格・中小企業診断士です。
中小企業診断士は、経済産業大臣が「中小企業支援法」に基づき登録する、中小企業の経営課題の診断と助言を行う専門家のことです。その他、公的な支援機関として、商工会議所や商工会などがあります。事業所の所在地名を入れて、中小企業診断士協会や商工会議所などを検索してみてください。中小企業診断士協会は各都道府県、商工会議所や商工会は市町村毎に設置されています。
まとめ
最後に、本記事のまとめをさせていただきます。
経営革新計画の概要は、新たな商品やサービスを開発または提供して、増やした利益を従業員に給与として還元することを目指す中期経営計画でした。
そして、経営革新計画作成・承認によって得られるメリットは、全国の中小企業が一年を通じて活用でき、他の支援策を有利に使う条件でした。
最後に、経営革新計画における新しい取り組みの定義とは、新規性と実現可能性の二つを兼ね備えたものでした。
経営革新計画の概要やメリットをご理解いただき、経営革新計画をつくりたいと思っていただけたら幸いです。
共に、経営革新計画を活用して、新しい取り組みによって、会社を成長させましょう。
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