環境変化をチャンスに変えよう! | Part3
長澤 秀幸
経営コンサルタント
Will Partners 代表
商工業者の支援を行う浜松商工会議所に20年間勤める中で、経営者が持つ「強み」に寄り添って、「納得」から伴走者として信頼していただき一緒になって展開するスタイルを確立。
「価値を顧客に伝えるビジネスプロセスの創出・再構築」こそ「売れる仕組みづくり」につながり、事業拡大や事業承継までつながっていくことを実感。
2019年独立。「強みと顧客を巻き込んだ」販売戦略、ブランドをづくり、小さな企業が持つ、独自の強み(宝モノ)を発掘し、持続可能な経営と売上づくりを実践。
本シリーズは四部制で、上記の動画は「Part.3」です。
▼ シリーズ動画一覧
付加価値の向上とターゲットの変更
新しい価値を創造する中小企業における経営革新について、具体的なアプローチを解説します。
今回は付加価値の向上に焦点を当ています。
付加価値とは何か、その難しさを感じる方もいるかもしれませんが、これまで自分たちの商品やサービスについて考えてきたことを振り返り、誰にとって良い商品なのかという発想を持つことです。
アイデア創出の視点:転用、変更、拡大
発明家になろうと考えるとアイデアが出てこなくなってしまうため、転用や変更、拡大縮小、代用、置換&逆転、結合、復活、輸入輸出といった視点で考えることが有効です。身近にあるものを変えることで独自のアイデアを生み出すことができます。
転用(使い道)
例えば、イベント用のテントを作っている会社があるとします。コロナ禍でイベントが減り売上が立たない状況があったとしても、キャンプが流行っているならばキャンプ用のテントに変更することが可能です。
変更(形・色)
イベントのテントを作っている製造業であれば、色を付けたり、形を変えたりして、おしゃれな商品にする方法もあります。
拡大縮小(大きさ・回数・時間)
テントを折りたたみ式にして大きく対応できるようにするなどです。また、長く使えるようにしたり、使用回数を増やすことで価値を高めることも可能です。
商材を拡大や縮小の観点から再開発し、利便性を向上させることで価値を上げることもできます。
代用(人・材料・場所)
代用として、イベント用からキャンプ用に変えることで、使う場所や材料を変えて新しい価値を提供することができます。例えば、軽い材料を使って持ち運びやすくするなどです。
置換、逆転(順番・レイアウト・上下・左右)
置き換えや逆転という視点では、レイアウトや配置を変えることで、使いやすさを向上させたり、デザインを改善したりすることができます。業界の常識を疑い、新しい使い方を提案することが重要です。
結合(異なる業種・混ぜる)
結合や連携も大切です。他の企業と組むことで、新しい価値を生み出すことができます。例えば、自社で製品を作り出し、新しいステージに進むことが可能です。
復活(終了商品の改良)
大手企業が昔のものをリメイクして今に使いやすくすることが行われています。過去に評価されていたものを見直し、その価値を再評価し向き合うことで、価値を上げることができます。
輸入・輸出(地域、業界)
日本内でしか取引を行ったことがない企業も輸入や輸出についても検討してみましょう。自分たちの商品が海外市場に適しているかどうかを考えることで、新しい価値を見出すことができます。
ランチェスターの法則の取り入れ
ランチェスターの法則を取り入れることも有効です。自分たちの強みを明確にし、ナンバーワンを目指す戦略です。これを差別化戦略と捉え、業務の流れを整理し、自分たちがどのようにやっているかを言語化することが重要です。
売れる側の視点と買う側の視点を
売る側の必要性と買う側の要求を一致させることにより売買が活性化します。
業務の流れと差別化
業務の流れを整理し、どのような流れで行っているのかを明確にします。例えば、飲食店では接客のポイントやメニューの見せ方など、全てのプロセスを言語化します。業務の流れを言語化することで、経営のステージを一歩上に上げることができます。これにより、自社のサービスや商品の差別化を図ることができます。
物語の作成とアウトプット
商品だけではなく、物語を作ることが重要です。なぜその商品が必要なのかを顧客に伝えることで、購入意欲を高めます。
物語を作成した後は、アウトプットシートを作成していきます。
自社の将来像や市場の変化を意識し、自社の価値観や問題点を洗い出します。これにより、ターゲットや価値の提案を細分化し、自己分析を行います。
総括
このように、新しい価値を生み出し、中小企業の経営革新を進めていくための具体的な戦略とアプローチを取り入れることで、競争力を高めることができます。
次回の動画では、顧客の物語作成について詳しく解説していきます。
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