連続起業家が語る成功し続ける秘訣!Part2 考え方と意識の持ち方とは?

登壇者
株式会社福水戸家 代表取締役 一般社団法人パラレルキャリアマネジメント協会 代表理事 磯部 一郎のプロフィール写真

磯部 一郎
経営者

株式会社福水戸家 / 株式会社福水戸家ホールディングス 代表取締役
一般社団法人パラレルキャリアマネジメント協会 代表理事

プログラマーとしてIT企業に入社。独立し大手企業向けの業務システム開発事業を実施後、上場企業に株式譲渡。立ち上げに関わった法人は15社。ゼロイチ起業から売上高10億円までのスケールアップ経験がある。企業・事業の買収・合併・譲渡や持株会社や合弁会社の設立など、経営者としての経験も豊富。


本シリーズは五部制で、上記の動画は「Part.2」です。

▼ シリーズ動画一覧

目次

はじめに

渡邊社長

今回は、経営者の考え方や意識の持ち方、行動の仕方について、コンサルタントとして活躍されている磯部さんにお話を伺います。
磯部さんは自身の起業家人生や様々な経験を通じて学んだことを、現在起業家や創業者、経営者に伝えていらっしゃいます。
今回はその中でも、特に重要なマインドセットについてお話いただきます。

自信を持つための心がけ=口癖を変える

磯部 一郎

まず、私が大事にしているのは「自信を持つための心構え」として、日常の「口癖」に気を付けることです。
言葉は脳と感情に大きな影響を与えるため、ネガティブな口癖を使ってしまうと、成功が遠のいてしまいます。
成功する経営者は、決してネガティブな言葉を口にしません。このことは、どんなお客様にも最初にお伝えするポイントです。

磯部 一郎

具体的には、「私なんて」「私なんか」といった言葉を使わないことが重要です。謙遜が美徳とされる日本文化の中で、これらの言葉を無意識に使ってしまう方が多いのですが、自己評価の低さに繋がります。
例えば、親が「私なんてお母さんじゃないから」と言えば、子供たちも困惑するでしょう。
自分を小さく見せることが美徳とされがちですが、それが経営にも影響を与えます。お客様や部下、パートナー、株主に対しても同様で、「私なんて」「私なんか」と言わないことが大切です。

磯部 一郎

また、「〇〇さんだから」と言うのも避けるべきです。
これは相手を持ち上げることで自分を引き下げる行為です。
特別視してしまうことで、自分にはできない理由を作ってしまうのです。

磯部 一郎

さらに、「けどけど星人」という表現がありますが、これは「なんとかだけど…」と続けてしまう人のことです。このように逆説で終わると、次のアクションが不明瞭になります。
経営は判断と決断の連続ですので、「言い切ること」が求められます。「こうだと思う、だからこうしよう」と具体的に言い切ることが重要です。「分かるけど」と逃げ道を作らず、決断力と実行力を持つことが経営の要です。

磯部 一郎

「コンテンツなんて何もない」と言うのも、同様に避けるべきです。
特にお一人様企業にとって、情報発信は非常に大切です。自分に価値のないコンテンツなどないのですから、自信を持って発信していきましょう。

磯部 一郎

先日、20年ぶりに友人から連絡がありました。
彼は現在コンサルタントとして活動しており、私のSNSでの活躍を見て、久しぶりに連絡をしてみたとのことでした。彼はお茶でも飲みたいと誘ってくれたので、元々の友人でもありましたので、快く応じてお茶を飲みに行きました。
その際、彼の優秀さを改めて認識しました。彼は私以上の知識を持っているかもしれません。しかし、彼は全く儲からず、忙しいと語っていました。
私と彼の最大の違いは、発信をしているかしていないかにあります。彼は豊富な知識を持ちながら、自分自身のコンテンツを作成し、発信することを全くしていなかったのです。

磯部 一郎

その結果、彼の営業活動は常に「お願い営業」になってしまいます。
つまり、「コンサルタントをさせてください」とお願いする形になるのです。もちろん、お客様との関係は大切であり、お願いすることが関係を崩すとは思いませんが、コンテンツを発信することで、共感を得たファンマーケティングが可能になります。
こうすることで、お願い営業ではなくなり、ファンからの自然な支持を得ることができます。

磯部 一郎

私自身、コンテンツを発信することで、価値を提供し、付加価値を売ることができるようになりました。これにより、競争市場の中で他と差別化し、ブルーオーシャン戦略を実現することが可能となります。
スモールビジネスにおいては、競争市場での戦いではなく、選ばれるビジネスを作り上げることが重要です。長期的に成功するためには、コンテンツを作成し発信することが大切です。

渡邊社長

今のお話はとても印象的ですが、自分で発信できる人と発信できない人の違いはどこにあるのでしょうか?

磯部 一郎

発信できない人は、他人にどう思われるかを気にします。
発信することは、発信して良いと思われる人と付き合う感覚が必要です。閉ざされた社会や小さな組織の中にいると、他の人の顔色を気にしてしまい、「これをバレたらどう思われるか」が一番気になることになります。そのため、発信を躊躇し、「叩かれたくない」「嫌われたくない」といった気持ちから、発信を避ける傾向があります。
もちろん、叩かれることや批判されることもありますが、それもビジネスの一部です。

渡邊社長

叩かれたり、嫌われたりした場合、磯部さんはどういう心持ちになりますか?

磯部 一郎

私は、自分に関心を持たれている、嫌われているのは安心感を持たれている証拠だと考えるようにしています。
つまり、強烈に自分を従わせたいとか、自分の方向に変えたいというわけではなく、批判されるということは、むしろ自分が意識されている証拠だと捉えます。

磯部 一郎

私の最大の敵は、無関心な人です。
全く反応がない人こそ、関心を持たれていない証拠です。関心を持たれるということは、何らかの形で影響を与えているということなので、まだプラスに応援される可能性があると考えます。
反響が全くないことよりも、少なくとも反応があることの方が良いと感じます。努力を続けるうちに、すべての人に共感してもらうことは難しいということが分かり、気にならなくなってきます。

磯部 一郎

初めは批判されることもありますが、例えば私が「講演で120人を集めます」といった際には、誰も文句を言わなくなります。その文句の声も届かなくなり、応援してくれるファンとビジネスを構築することができるようになります。
もちろん、自分を好きな人とだけ付き合うのは人としてどうかという議論もありますが、ビジネスにおいては、マインドや価値観が非常に重要です。その意味では、自分の価値観を貫くことができるようになったと感じています。

磯部 一郎

以前は、営業に行く際に取引先の偉い方の価値観に合わせることもありましたが、今では自分の生き方やビジネスの方法を発信し、それに共感してくれる方との間にビジネスが生まれるという形になりました。
このように、心の持ち方をあまりぶれずに仕事を進めることができるようになったのは、発信を始めてからの大きな変化だと感じています。

磯部 一郎

そのため、「コンテンツが何もない」と言ってしまうと、立ち位置を失ってしまいます。私の経験、例えば11回の癌再発という経験は、他の人にはないかもしれませんが、癌が11回再発しているからこそコンテンツになっているわけではありません。
その経験をどう発信するかに一生懸命取り組んできたことが、非常に重要なポイントだと思います。

磯部 一郎

同様に、「自分には無理だ」と言ってしまうと、その場で可能性が閉ざされてしまいます。
また「であれば」という言葉は、特にエンジニアの方に多い傾向です。「こういうことができる」「ああ、できる」と言っても、相手から「この間はできないと言っていたじゃないか」と返されると、「あの時は条件が違ったのです」といった言い訳が返ってきます。
その場合、最初から「こうすればできますよ」と言ってくれればいいのですが、これはロジカルシンキングだけに頼るために発生する話の食い違いです。

磯部 一郎

ロジカルシンキングは、条件が明確である場合に、数学の証明のようにロジックでつなげていく思考方法です。条件が与えられれば、その条件を基にパズルを展開していくという使い方です。

磯部 一郎

しかし、会社勤めで上司の指示を受けている場合には、指示を基に展開する仕事のスタイルが有効ですが、起業する際には上司がいません。
したがって、自分で組み立てる必要があり、必要なのは「であれば」という条件ではなく、A案、B案、C案といった仮説を作り出すことです。
ロジカルシンキングは二番目に必要であり、まずは仮説思考でA案、B案、C案、D案と仮説を組み立て、その仮説に基づいてロジカルに考えていくことが重要です。

磯部 一郎

さらに、褒められた時に「そんなことないです」と言う方がいらっしゃいますが、これを言ってしまうと広がりが失われてしまいます。
「そんなことないです」というのは謙遜として言う方が多いですが、特に発信を進めている場合には、「私が言っていることはこういうことですよね」と上位のフィードバックが入ってくることがあります。
その際に「そんなことないです」と言ってしまうと、自分の可能性を狭めてしまいます。発信している内容に対して、自分が思った以上の捉え方をされることがあっても、それを広い意味で受け入れることが重要です。
これは、自分の発信がそのような影響力を持つ可能性があるということを示しています。このように、キャッチボールとして受け取ることで、自分の広がりを得ることができるのです。

磯部 一郎

例えば、「生き急ぐ」というテーマについてですが、これは自分の病気や経営の経験を人に伝えるために書いたわけではありません。
最初の目的は、もし自分が亡くなった場合に息子たちが父親の経験を理解できるように、子供たちに向けて本を書こうとしただけのことです。
結果的には商業出版され、その本が癌患者の亡くなった家族に癒しを与えることになりました。
このように、様々なフィードバックを受けるようになりましたが、その影響を受け入れることで、社会貢献の可能性も広がります。もし「そんなことないです」と感想を拒絶してしまった場合、その良い広がりは生まれなくなってしまうのです。

磯部 一郎

また、最後に書かれている「内なる声」というのは、自分の心持ちを形成する重要な要素です。内なる声が「無理だよ」と言っていると、それがずっと心の中で響き続け、思考に影響を与えます。
そのため、セルフマネジメントをしっかりと行い、自分の内なる声をコントロールすることが経営においても重要だと思います。

渡邊社長

内なる声を変えるためのポイントはありますか?

磯部 一郎

内なる声を変えるポイントとしては、まず「肯定語」で話すことが挙げられます。
例えば、「私なんて」といった否定的な表現は避け、「私だからできる」「私でもできる」といったポジティブな表現に変えることが有効です。
このように、全ての否定的な言葉を肯定的にひっくり返すことで、気持ちが大きく変わります。内なる声を変えるためには、「やってみよう」「できる」といった前向きな言葉で自分を励ますことが効果的です。

磯部 一郎

このような変化をすぐに実行できると思いますので、もし自分の口癖に否定的な言葉が多いと感じた場合は、ぜひ「肯定語」で話す意識を持ってみてください。


講師に無料相談をする

ビジネス処方箋に登壇している講師に無料相談を行うことができます。
お問い合わせいただきましたら、ご相談内容に適した士業・経営者の講師をご紹介いたします。

このフォームに入力するには、ブラウザーで JavaScript を有効にしてください。
講師の多忙により、ご希望いただいた講師が対応できない場合がございます。予めご了承ください。

執筆者

磯部 一郎
株式会社福水戸家 代表取締役
株式会社福水戸家ホールディングス 代表取締役
一般社団法人パラレルキャリアマネジメント協会 代表理事

芸者の置屋の息子として、日本橋人形町に生まれる。
大学卒業後、プログラマーとしてIT企業に入社。26歳で共同起業し、大手企業向けの業務システム開発事業を開始。37歳のときに悪性リンパ腫を発病し、上場企業に株式譲渡する。

その後、9度の再発・骨髄移植・右眼失明・余命宣告などを乗り越え奇跡的に生還。闘病中にメディア事業とコワーキングスペース事業、コンサルティング事業を開始。現在は株式会社福水戸家ホールディングスに経営統合。スモールビジネス向けの戦略コンサルティング事業に専念。

立ち上げに関わった法人数は15社にのぼり、ゼロイチ起業から売上高10億円までのスケールアップ経験がある。企業・事業の買収・合併・譲渡や持株会社や合弁会社の設立など、経営者としての経験も豊富。過去にはオンラインサロン・法人向け有料勉強会の運営や、ITによる町内会の活性化を成功させるなど、コミュニティ運営にも定評がある。

2021年3月には著書「生き急ぐ」を出版。

目次