【人材採用】これからの人材確保に必要なこと | Part1 基礎編

【執筆者】
人材支援 / DX支援 コンサルタント 中原 二郎

地域中小企業に対し人材支援・DX推進支援の責任者として各種コンサルティングを展開中

20年間のIT業界経験で、SE・PM・ITコンサルとして様々な役割を担い、支援先の業務改善や業務改革に取り組んだ後、5年間IT部門長として事業会社で活躍。企業内の現場課題と解決策に関する幅広い知識を蓄積

その後、政府系人材会社(日本人材機構)にて各地域中小企業の課題解決に向けた「伴走型人材支援サービス」の事業モデルを構築。DX推進も支援。

2020年7月から現職の地方銀行でのコンサルティング事業に参画。
人材支援・DX推進支援の事業構築を推進するとともに有償コンサルや伴走型BM支援とのシナジーを体現した「多角的一元的連続伴走支援」のスタイルを確立中。
一方、副業にて内閣府補助事業の支援にも従事。金融機関向けに人材支援事業に関する各種セミナー実施及びコンテンツやメルマガを発信中。


本シリーズは二部制で、上記の動画は「Part.1」です。

▼ シリーズ動画一覧


目次

はじめに

今回は、これからの地域企業の人材確保に必要なことについて解説します。実際に、求職者自身も地域企業に関心を持ち始めています。人材確保のためにどういったことをやっていけばよいのか、基礎編として解説したいと思います。

これからの人材確保

これからの人材確保として、今、人材市場で何が起きているのかを整理してみました。

「労働」市場のシフト

買い手市場から売り手市場に逆転し、会社が労働者を採用するという形は変わってはいないものの、実際には立場が逆転していて、求職者の方が入社する企業を選んでいる時代に入っていると思います。昔は、転職は悪いことのように思われていましたが、昨今は転職の概念自体が変化しており、大企業とオーナー企業を経験して両方知っている方が戦力になりやすいと評価される事業者も非常に増えてきています。

また、終身雇用という概念が崩れた中で、プロジェクト型での雇用、あるいは副業・兼業としての雇用にも、求人企業、求職者ともに非常に関心が高まっています。

求職者・従業員の意識のシフト

①「会社」の捉え方
転職に対するハードルも低く、キャリアアップやスキルアップ、ステップアップのために転職を選ぶようになってきています。会社の捉え方は、目的ではなく手段となっており、同じ会社をずっと勤めるという考え方は少なくなっています。

②「仕事」の捉え方
仕事より私事、家庭や友人、趣味などに価値観を置いて、お金より自分の時間をどうやって大切にするかに関心が高いです。残業を極力しない、残業が多くなる管理職に就かないような形で、給料よりも時間を取るという方も非常に増えています。
また、自分のキャリアをどうするか、スキルをどうするかを常に考えて、どこの会社でも通用する自分でいたいという価値観を持っている人も非常に多いです。

③「キャリア形成」の考え方
キャリア形成においては、1社では足りず複数社経験しないといけないと考えている求職者が大半を占めています。
また、キャリアの軸としては、会社本位な「多能工スキル」よりも、従業員本位な「専門スキル」を重視している人が非常に多い状況です。

④「最終キャリア」の目標
会社に頼らずに生きていくために、本業、副業の両方を持っている方、これらをうまく使い分けている方が非常に増えています。

⑤「働き方」の多様化
育児と介護は、誰の身にも起きる可能性が高い出来事であり、このような私事に時間を使える働き方ができる会社が選ばれ始めています。
また、人生100年時代を生き抜くために70歳まで活躍したいという要望も、働き方という切り口では重要となります。

⑥「求職条件」の変化
人材確保に力を入れている会社では、「休日日数」、「育児休暇、介護休暇の有無」、「時短の可否」、「在宅の可否」といった求職条件について制度を整えています。
また、給料や休み以外に、「やりがいがある」、「会社のミッションと直結している」、あるいは「キャリアスキルが活かせる」、「スキルを伸ばせる」といったところに価値を感じる人も出てきており、求職条件として要求されるケースがあります。

採用手法・求職手法のシフト

ご存知の通り、ハローワークは無料で求人企業、求職者ともに利用できますが、昨今ではインターネット上での転職活動が8~9割を占めています。特に若い年代の方はスマートフォンでの転職活動が大半を占めています。

インターネット上での転職活動の中でも、かつてはマイナビ、リクナビに代表される求人広告が優勢でしたが、現在はインディード、求人ボックス、スタンバイといった求職者が検索をかける求人検索サイトが主流になってきています。

変化に適応する具体的な取り組み

採用手法

採用手法のトレンドを捉えて、採用手法を最適化するということが重要です。ハローワークだけでなく、求人広告、マイナビ、リクナビ、求人検索エンジンなどを、職種ごとによっては切り替えたりしながら多角的に上手く使い分けている企業が出てきています。

休日休暇

休日休暇を増やす、あるいは増やすための施策を行うことも重要です。首都圏では年間120日以上の休日休暇がある会社が普通だと思いますが、地域の会社は、隔週で土曜日に勤務するケースが多いと思います。経営の体力や採算、あるいは取引先との文化(土曜日にやり取りする)なども含めて調整が必要な業種もありますが、少しでも施策に着手していることが大事だと思います。

雇用形態・働き方

可能な限り柔軟化、多様化した制度に切り替えていくことも重要です。副業という形で、リモートでできる仕事も増えてきています。働き方を柔軟化していくことは、地域の求人への応募においても大事なことだと思います。

制度設計・運用

採用して終わりではなく、採用した後に定着し、活躍してもらうところまで含めた制度設計、運用が重要です。特に、評価制度、賃金制度、等級制度を可視化、標準化して、それに則った運用をすることが人材確保において大事になります。

キャリア形成・スキル向上

キャリア形成・スキル向上の支援や奨励の制度を設けることも重要です。従業員調査を行いながら、P D C Aを回して最適化をはかっていくことがポイントと思います。

活用

雇用だけでなく「活用する」という方法を使うことも重要です。副業が解禁になっている会社も非常に多く、求人市場に出てきている副業の職種も非常に増えています。

エンゲージメント

エンゲージメントを満たす事業ミッション、経営理念を再構築することも非常に大切なことです。地方創生やSDGsというキーワードとも関連させながら、経営理念やミッションを再度表現し直すことも大切なのではないかと思います。

コミュニケーション

会社からのメッセージやコミュニケーション、フォローも重要です。会社側からの働きかけによって変わる人も多いと思います。会社側がコントロールして、メッセージやコミュニケーションを強化することも非常に大切だと思います。

業務改革

人に依存して業務が回っている、熟練したベテランが暗黙知ベースで仕事をしているといった理由から、世代交代ができない、若い世代が入ってこないという問題があります。業務改革を行って、業務の可視化、標準化、効率化、生産性向上などを日々取り組むことが、人材確保にもつながっています。

人材確保手段の整理

常勤社員・非常勤社員の求職者対応については、求人企業自身で対応するやり方と、民間の人材紹介会社を使って対応するやり方があります。

求人企業の場合

求人企業自身で行う方法には求人広告やハローワークがありますが、最近多いのは求人検索サイトです。

また、求人検索サイトの中でも専門分野に特化しているサイトもあり、士業サイトや建設系サイト、副業に特化した求人検索サイトがあります。

人材紹介会社の場合

①再就職支援
再就職支援とは、実際に余剰人が出てしまった企業が、他の会社への就職斡旋を民間の専門会社に依頼してマッチングを行い、成約した時に紹介手数料を払う形態です。手数料は求人企業側ではなく、実際に転職する社員を送り出した企業側が支払うことになります。

②人材紹介
人材紹介とは、人材紹介会社にあらかじめ求職者が個人情報などを登録し、登録者の中から求人企業の条件に見合う人にオファーを出して、求人企業に紹介する形態です。昨今は、エージェント型の人材紹介も出てきており、士業や建設業といった専門分野の方を集めて紹介する形態も増えています。

採用政策の見直し

採用政策の見直しという観点で、これからの人材確保において具体的にどのようなことを行う必要があるのか整理しました。

採用チャネルの見直し

採用手法は多角化してきているため、人材確保ができずに困っている企業においては、まだやったことのない手法を試みることをお勧めします。その中でも、利用料金としても従量課金として非常にリーズナブルな利用ができるということで、求人検索サイトのインディードを試すことを推奨いたします。

また、エージェント型の人材紹介の活用もお勧めします。民間の人材紹介会社が非常に優秀で、データベースとしても大きいものを持っていて、求職者を多く募ってくれる人材紹介会社もあります。

採用後の育成・フォローの見直し

入社した当初から、定着に向けた育成やフォローしていくということが重要です。これをマネジメント層にも研修しながら「仕組み化」していくことが必要となります。

「雇用」「活用」の使い分け

企画・導入フェーズの仕事、戦略的なマーケティング施策、DX推進などができる人材を採用したいと思っても、高額な年収が条件となっています。

ここで考えたいのが、プロ人材の「雇用」ではなく「活用」です。副業解禁の時代に入り、市場には専門性の高いプロ人材がたくさん出てきております。副業プロ人材を企画・導入フェーズで「活用」し、運用フェーズ以降は一般人材を「雇用」するといった、「雇用」と「活用」の組み合わせによる改革が必要となります。

会社磨き(外面)への取り組み

ホームページの再構築

採用を強化したいのであれば、ホームページの再構築をお勧めします。

ホームページは、「辞めない、休まない、文句を言わない、1対Nでも対応してくれる」という優秀な営業員であると考えることが重要です。同業者他社のホームページも参考にしながら、ストーリーを持って訴求力あるホームページとなるよう改善することが大切です。

SNSの活用

採用に成功している会社は、BtoBの会社であっても、インスタグラムでの発信を頻繁に行っています。20代、30代の人材を確保するために、積極的にインスタグラムで発信し、親しみやすい会社というブランディングにも活用しています。

今回は、これからの地域企業の人材確保に必要なことについて解説しました。特に採用に関して最新の知識や知見が得られず、苦労されている地域中小企業の経営者の皆様にご覧いただければ幸いです。

講師に無料相談をする

ビジネス処方箋に登壇している講師に無料相談を行うことができます。
お問い合わせいただきましたら、ご相談内容に適した士業・経営者の講師をご紹介いたします。

このフォームに入力するには、ブラウザーで JavaScript を有効にしてください。
講師の多忙により、ご希望いただいた講師が対応できない場合がございます。予めご了承ください。

この記事を書いた人

人材支援 / DX支援 コンサルタント 中原 二郎

地域中小企業に対し人材支援・DX推進支援の責任者として各種コンサルティングを展開中

IT業界で長年キャリアを積んだ後、政府系人材会社(日本人材機構)にて地域中小企業への幹部人材紹介に従事。全国の各地域金融機関から支援要請を受けながら各地域中小企業の課題解決に向けた「伴走型人材支援サービス」の事業モデルを構築(各企業の経営者と直接課題を棚卸し・整理し採用すべき幹部人材要件を最適化、自ら候補者をサーチ・スカウトし経営者に紹介、採用支援~定着化支援までフォロー)。また必要に応じてDX推進支援も実施(IT診断・業務改革他)上記と並行して、各地域金融機関における人材支援事業の構築自体も支援、地銀における人材業の現実的なモデルを複数検討した上で、各事情に合わせた形で進め方を提案・実践支援。尚20年余り従事したIT業界では、SIer(ITベンダ)にてSE・PM・ITコンサルと様々な役割で支援先の業務改善や業務改革に従事、その後社員2000名余の事業会社でIT部門長として5年従事、企業内の業務や人・組織における現場課題と解決策のナレッジを広汎に蓄積。
2020年7月から現職の地方銀行でのコンサルティング事業に参画。
前職の経験を活かし人材支援・DX推進支援の事業構築を推進するとともに有償コンサルや伴走型BM支援とのシナジーを体現した「多角的一元的連続伴走支援」のスタイルを確立中。
一方、副業にて内閣府補助事業の支援にも従事、2年半に渡り全国の地域金融機関向けに地銀の人材支援事業に関する各種セミナー実施及びコンテンツやメルマガを発信中。

目次