クラウドファンディングで250万円以上売れた!新商品開発の成功事例!

登壇者
株式会社3Rマネジメント代表取締役社長 渡邊 賢司のプロフィール写真

渡邊 賢司
中小企業診断士

株式会社3Rマネジメント 代表取締役
株式会社IoTメイカーズ 代表取締役

約15年にわたり、事業再生支援等に従事。100社以上の中堅・中小企業に対し、事業再生スキーム構築、経営改善計画作成支援、伴走支援、金融機関交渉等を行ってきた。東京都中小企業再生支援協議会での事業デューデリジェンス業務にも多数従事。金融機関向けや税理士向け研修講師等も多数実施。
2016年に小中学生向けプログラミング教室等を運営する(株)IoTメイカーズを設立し、中小企業経営者としての顔も持つ。同社では、6年間で5つの新規事業を立ち上げた。

今回のコラムでは、弊社開発のボードゲーム「ナンバーワン・ベーカリー」の誕生経緯をご紹介します。

このゲームは、小学3年生から楽しめ、かつ会計とマーケティングを体感して学べる起業体験ボードゲームです。

実体験に基づく内容なので、新規事業開発のご参考になるかと思います。

目次

商品開発の経緯

 「ナンバーワン・ベーカリー」のアイデアを思いついたのは、約3年前でした。

私は、中小企業診断士としての仕事と、小中学生向け教育事業を行う経営者としての、2足のわらじを履いていました。そこで培った知識やノウハウを融合したのが、この商品です。

当時、私自身も講師として、小中学生にビジネス的な思考法を教えていました。最近はゲーミフィケーションと呼ばれるゲーム感覚で楽しく学ぶ手法が注目されています。

そこで思いついたのが、「ナンバーワン・ベーカリー」です。子供たちが楽しみながら、財務・会計やマーケティングの考え方を学ぶことができればと思い、形にしようと思いました。

商品化における苦労

 しかし、最初から商品を作るとなると、一定のコストもかかり、売れなければ、損失になります。そこで、まず、試作品を作ることにしました。

「ナンバーワン・ベーカリー」は、パン屋のオーナーを体験するゲームです。

従って、パンのカードやお金、売上や利益を計算するシートを手作りしました。

カードは、画用紙にイラストや文字を印刷して、ハサミで切って作りました。また、お金は、Amazonでお金の形をした玩具を買って、用意しました。

その試作品を使って、弊社のレッスンでの実施や、親子向け無料体験会を開催したところ、非常に評判が良かったのです。

一定のニーズがあると感じたのですが、これだけでは、マーケットが狭いと感じました。

ビジネスとして、一定の売上を確保するためには、顧客ターゲットの幅がある程度広くないといけません。

従って、親子だけではなく、大人だけでも楽しめるかどうかという観点で、テストマーケティングをする必要がありました。

そこで、20代から30代ぐらいのフリーランス、会社員、自営業者、経営者などを集め、体験会を累計100名以上に行いました。そこでさまざまなことが分かり、商品化する決断に繋がりました。

「ナンバーワン・ベーカリー」は、小学3年生でも、利益の計算ができるようになります。

しかし、比較的、大人の方が、固定概念があったり、難しく考えたりと、上手く計算できないのです。ゲームが終わっても、計算方法が理解できていない人もいました。

一方で、子供の場合は、ほぼ全員が理解できていたように思います。

従って、大人こそ、一度、売上や利益について、または、経営について学ぶべきだと感じ、大人向けの研修として活用できるのではないかと確信を持ったのです。

「ナンバーワン・ベーカリー」の最大の特徴は、楽しみながら、簡単に小学3年生ぐらいからでも学べる点です。

大人向けの財務・会計を学べる研修用ボードゲームは、他社製品でも、以前から存在していました。私もやってみたことがありますが、私たちプロでも、少々難しいものです。

従って、財務・会計の学びの入り口としては、「ナンバーワン・ベーカリー」は最適なのではないかと感じたのです。

販売ルートの確保

 商品化の過程も含め、どのように売るかをいろいろと考えてきました。

テストマーケティングの結果から、大人から子供まで、広くターゲットになると想定できたので、どのような販路で広めていくか、非常に楽しみでした。

大きく分けると次の5つを実施しています。

  1. 最初の先行販売は、クラウドファンディングを活用。
  2. 子供向けは、学校や学童保育、図書館、児童館などへアプローチ。
  3. 家庭向け等の一般顧客への販売は、ネットや卸売りなど幅広に検討。
  4. 大人向けは、主に研修での活用を想定。商工会議所や銀行、一般企業での普及を目指す。
  5. また、研修会社や研修講師へのライセンスビジネスも検討。

 特に、①については、2021年11月25日から、クラウドファンディング大手のMakuakeで販売を開始しました。目標金額を30万円に設定していたのですが、開始2時間で目標達成、最終的には120万円以上売れ、大成功でした。

良いスタートダッシュができた要因は、次の点かと考えています。

  • ランディングページとゲームの紹介動画、ゲームのやり方の説明動画などをしっかりと用意していたこと
  • SNSで開発段階から経緯を伝えており、ファンが育っていたこと
  • 私自身のブランディングとゲームがマッチしており、顧客にとって商品の優位性がイメージしやすかったこと

子供向けビジネスの展開

 「ナンバーワン・ベーカリー」は、子供でも楽しめます。従って、全国の小学校や中学校、高校、専門学校などへの普及を目指しています。

学校の先生が、授業などで実施してくれれば、ビジネスや起業などに興味を持つ子が増えてくるのではないかと思います。

日本は、欧米に比べて開業率が低いと言われています。国民性もあるのかもしれませんが、教育の違いもあると思います。アメリカを代表とする欧米諸国は、小学生からビジネスに関連することを教えています。

従って、日本で、「ナンバーワン・ベーカリー」が普及し、学んだ小学生たちが、将来、起業したり、新しいビジネスを生み出していってくれれば、日本経済も活性化するのではないかと期待しています。

大人向けビジネスへの展開

 財務・会計を苦手とするビジネスパーソンは多いと思います。企業の通知表は決算書です。従って、財務・会計をしっかりと理解することは、ビジネスをする人にとって、必要不可欠です。

全国のビジネスパーソンが、「ナンバーワン・ベーカリー」を体験し、難しいと思われがちな財務・会計を学ぶハードルが下がれば、中小企業も含め、日本の企業はますます飛躍すると思います。

「全ての人に、財務・会計の知識やノウハウを!」をキャッチフレーズに、全国での普及を目指したいと考えています。

先日も、地方銀行の取引先の中小企業経営者向け研修や、人材関連研修の講師の方々向けに、「ナンバーワン・ベーカリー」を体験して頂きました。

非常に楽しんで頂き、体験された方から、「会計の仕組みが体感できたので、今後もっと学びを深めたい」や、「マーケティングの重要性があらためて実感できた」などのお声を頂きました。

<ご紹介>「ナンバーワン・ベーカリー」利用者からのお手紙

最後に、人材採用に関する悩みを「ナンバーワン・ベーカリー」に出会って解決した、N山様からの手紙をご紹介させて頂きます。

N山様は、都内の中堅流通業で採用担当をされていて、弊社の研修に参加した経験がありました。

N山様の悩みは、

「インターンや採用活動を一生懸命しているのに、新入社員の退職率が高い、採用部門の評価が低い」ということでした。

なぜ、「ナンバーワン・ベーカリー」は、インターンシップや採用活動にも有効なの?

「ナンバーワン・ベーカリー」は、参加者のうち一人がパン屋さんのオーナーになって、ほかの参加者が演じるお客さまのニーズをヒヤリングして推測し、パンを仕入れ、販売をして商売をするボードゲームです。

資金の足りないときには銀行からお金を借りたり、お金を使ってマーケティングをしたりと、実際のパン屋さんの経営を経験することができます。

なぜ、N山様は「ナンバーワン・ベーカリー」が、インターンシップや採用活動に有効だと思われたのか?

それは、

  • ビジネスゲームなので、参加者の戦略的思考、コミュニケーションや人柄など参加者のリアルな姿を知ることができること
  • ルールが簡単なので、5分ほどで参加者がすぐに理解できること
  • 時間の限られたインターンシップや採用活動など、リクルート活動を有意義なものにする最適のツールであること

であると仰っています。

「ナンバーワン・ベーカリー」に熱中していると、「この学生ってすごくロジカルだな」とか、「あの学生はコミュニケーション能力が高いな」などの能力面や、「自分の願望」や「自分はこうなりたい」などのやる気の面が見え隠れするようです。

さらに、山あり谷ありのあるビジネスゲームを「楽しんでいる学生」がいると思えば、「落ち込む学生」がいたりと、実際のビジネスの世界での適応力などの面を見ることができるそうです。

N山様は、数年前から採用活動の中で「ナンバーワン・ベーカリー」を利用しはじめたそうですが、その効果は想像以上で、新入社員の定着率はあがり、採用部門の評価も上々と言うことです。

そして、N山様は悩める採用担当者から、今ではすっかり成功する採用担当者へと変身なさったとのことです。

ナンバーワン・ベーカリーを、もっともっと使ってみよう!

さらに、N山様はお手紙の中で次の様にも、仰っています。

「ナンバーワン・ベーカリー」は、誰でも簡単に理解することができることから、一人で参加するだけでなくチームを組んで、チーム同士で参加することもできます。

チームで戦略を練って、マーケティング活動や、ファイナンス活動を行うことで、戦略的思考の強化や、メンバーの結束や組織強化などにも利用できます。

また、より深くファイナンスを勉強したい方には、損益計算書や貸借対照表の作り方などの研修とあわせることをお勧めしたいとのことです。

N山様の会社では、このような「ナンバーワン・ベーカリー」の良さを知り、弊社の講師やコンサルタントの力を借りて、インターンシップや採用活動以外にも社内研修や活動にも積極的にご利用になっています。

そして近頃では、会社で「みんなの会話のレベルが上がったよね」とか、「前向きな組織になってきたよね」などとの声も聞かれるようになってきたと言うことです。

弊社では、一人でも多くの悩める採用担当者の方に「ナンバーワン・ベーカリー」を使っていただき、N山様のような成功する採用担当者になって頂きたいと思っております。

最後になりますが、N山様、お手紙ありがとうございました。

現在は、研修会社や研修講師の方々が、ご自身の研修等で活用して頂けるよう、ライセンス提供なども行なっています。

ナンバーワン・ベーカリー」の詳しい内容はHPをご参考ください。

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この記事を書いた人

中小企業診断士
(株)3Rマネジメント 代表取締役 https://3r-management.jp/
(株)IoTメイカーズ 代表取締役 https://www.iot-makers.co.jp/

約15年にわたり、事業再生支援等に従事。100社以上の中堅・中小企業に対し、事業再生スキーム構築、経営改善計画作成支援、伴走支援、金融機関交渉等を行ってきた。東京都中小企業再生支援協議会での事業デューデリジェンス業務にも多数従事。金融機関向けや税理士向け研修講師等も多数実施。
2016年に小中学生向けプログラミング教室等を運営する(株)IoTメイカーズを設立し、中小企業経営者としての顔も持つ。同社では、6年間で5つの新規事業を立ち上げた。

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