脱サラし、好きなことで起業へ! 女性起業家からの起業マインドを学ぶ | Part3仕事を取ってくる営業方法
梅澤 アンナ
装飾デザイナー /
小売物販コンサルタント
株式会社Mari`eeFleurir代表
日本大学芸術学部卒業後、株式会社ユニクロへ入社。
ファッション業界に精通するため量販小売店でBY、DBを経験し、アウトドアメーカーでMDと商品管理を経験。
その後、独立し装飾品店を開業。年間500件以上のオーダーを受注し、西武百貨店や高島屋などにも出展。現在は日本の着物を後世に繋ぐファッションプロジェクトを推進。2021年からはクリエイト塾を開講し、個別コンサルも行う。2023年にはパリコレに出展。
栃久保 奈々
人事コンサルタント
早稲田大学卒業後、15年以上に渡り人材業界や人事業務に携わる。
10か国でのビジネス経験や30以上の企業や学校と関わり、高校生からシニアまで対応する。採用や研修、カウンセリングを通じて「人」に関する問題提起や課題解決の提案を行う。面談した社員約550名、メンタルヘルスや企業研修で指導した社員は約3,000名にのぼる。
雑誌やWEBでのヨガ・インドの連載や、ラジオ番組への出演をこなしながら、インド政府公認ヨガインストラクターとしても活動。
著書に『インド式壁の乗りこえ方(自由国民社刊)』。
本シリーズは三部制で、上記の動画は「Part3」です。
これから起業を目指す方へ向けて
今日は女性起業家、またはこれから起業を考えている方々に向けて、女性としての本音を語るというテーマでお話ししたいと思います。
本日のテーマは、営業や仕事の獲得方法についてです。おそらく、多くの方がこの点に関心を持っていると思いますので、その点についてお話を進めていきたいと思います。
私の方は法人営業についてお話しし、営業の具体的な経験談をお伝えしようと思います。一方、B to Cについては、アンナさんに主にお話を伺いたいと考えています。
それでは、まずは奈々さんの自己紹介とこれまでの経緯についてお聞きしたいと思います。奈々さんが法人営業についてお話しされるとのことで、私も興味津々ですので、まずは自己紹介からお願い致します。
栃久保奈々と申します。
私は、営業の話をしようと思いましたが、実際のところ新卒時代に行っていたのは飛び込み営業だけで、その後は派遣業務のコーディネーターとして、スタッフさんに仕事を紹介する役割を担当していました。
そのため、営業経験としては限定的であり、現在もそのような状況です。
学生時代に関しては、経営学部や経済学部を専攻していたわけではなく、文学部で日本文学を学んでいました。ビジネスや経営とは無縁の分野でした。しかし、そのような私でも営業を行うことができました。
これから起業を考えている方や、現在うまくいっていない方にとっても、自信を持っていただけるような経緯をお話しできればと思います。
経営やビジネスについての知識がなくても、ここまで続けてこられたわけですね。その間に営業トークを駆使することなく、それでも10年間続けてこられたという実績があるので、その点についてもお話しいただきたいと思います。
アンナさんも自己紹介をお願いします。
私は梅沢アンナと申します。
鎌倉市で物販業を営んでおり、自らアトリエと店舗を構えており、お客様にご予約いただいています。制作しているのは、特別な日のための装飾品です。例えば、男性がスーツを着る際のネクタイや、女性の成人式や結婚式用のヘッドドレスなどです。こうした特別なシーンに合わせたアイテムを手がけています。
私も以前、アンナさんに子供のお食い初め用のヘッドドレスを作ってもらいました。
そうでしたね、そういった懐かしい経験もあります。
私は芸術学部出身で、ビジネスについては一切学んでおりませんでした。芸術の分野では、作品を創造することやエンターテイメントを作ることに注力していました。営業や企画書作成の経験は全くなく、ビジネスに関する知識はゼロでした。
ただ、大学生の頃にはアパレル業界で短期のアルバイトを経験しました。夏休みのセール時期などに、地元のデパートで洋服のたたみや接客を行っていました。お客様からサイズやフィット感について尋ねられた際には、率直に「似合ってないですよね…」などとアドバイスをしていました。この経験が、私の長所となり、百貨店で「学生アルバイトの中でお客様からの評価が高い」として表彰されることもありました。
その後、営業や飛び込み営業の経験はありませんが、これらの経験を通じて学んだことが、どのようにして私の店舗が維持できているのかについてお話ししたいと思います。
営業方法について
早速ですが、B to B(企業間取引)の営業についてお話していただきたいと思います。
一般的には、B to B営業では名刺交換をして「私がどのような仕事をしているか」「あなたの会社にどのように貢献できるか」といった形でアプローチするイメージがありますよね。
私の営業スタイルは少し異なります。
どのように仕事を受注しているのかというと、基本的には既存のお客様からの紹介が中心です。お客様と一緒に仕事をする中で、そのお客様から他の方を紹介していただくという流れで仕事を広げています。
例えば、研修を行う際には、研修の講師として参加する方と親しくなり、その結果として他の研修講師からも仕事の依頼を受けることがあります。こうして、法人のお客様を徐々に増やしていきました。
紹介となると、紹介してくれる人との食事や飲み会なども必要になりますか?
例えば、カラオケや食事の場でビジネスの話が出ることもありますが、そういった場に積極的に参加することはありませんし、逆に、そうした場に一緒に参加したくない方とは仕事をする気がしません。
要するに、ビジネスの話をするために交流の場に出るわけではなく、あくまで自然な形で関係を築き仕事の話になるということですね。
また、夜の飲み会や外出が難しい方も多いですし、特に家庭を持つ方にはハードルが高いでしょう。そんな場合、無理に外出する必要はなく、まずは小さなオンラインの仕事から引き受け、そこで実績を積んで広げていく方法もあります。
最初のきっかけとしては、知り合いに「独立しましたので、もし仕事があれば紹介してください」と軽い感じで伝え、それがきっかけで1件の仕事をいただき、それが次第に広がっていくこというイメージですね。
さらに、B to C(消費者向け)向けに何かイベントを開催する機会があれば、参加者が自社に興味を持ってくれることもあります。
例えば、ヨガのイベントを通じて、「このヨガレッスンを私の会社でも提供してもらえませんか?」といった形で、新たなビジネスのチャンスが生まれることもあります。このように、B to CのイベントからB to Bの機会が生まれることもあるのです。
なるほど。
私がやっている物販業においては、自店での集客に力を入れることが重要ですね。お客様に良いサービスを提供し、その結果として紹介やリピートが生まれるという形が理想的です。
ですが、最初の頃はリピートや紹介を意識せず、集客に偏りすぎていたため、リピート性のない商品が多く、結果としてリピートが生まれにくかったという点は大きな教訓ですね。
集客もリピートも大事ですが、継続的にお付き合いできるお客様がいることは大切ですね。
そうですね。
私は最初、物を売ることばかりを考えていて、物が売れてレビューが付いたら安心して終わっていました。商品自体もリピート性があるものではないため、リピート施策を考えていなかったのが失敗でした。
特別な日用の製品を扱っていると、顧客がその特別な日の度に思い出してくれることが望ましいです。しかし、そんな状況でもリピートを狙うには、単に商品を売るだけでなく、顧客との関係を深めることが大切だと思います。
B to B営業の失敗はありませんか?
B to Bのビジネスにおいては、大元のお客様の失注が直接的なリスクとなりますね。なので、複数の会社との契約がないと常に不安がつきまといます。
コロナ禍では、オンラインへの切り替えが必要になり、リアルな研修が減少したため、人材系のビジネスは売上が大幅に減少するリスクがありました。
それは、どうやって回避されたのですか?
早期にオンライン研修に切り替える企業もあり、オンラインでの契約が増えたのは幸いでした。単価は少し下がるものの、オンラインでもスムーズに研修を進められるスキルがあったため、契約の確保には成功しました。
また、業界によっては、コロナ禍でも需要が高まったケースもあります。例えば、ペット業界や医療業界では、家で過ごす時間が増えたためにペットの需要が増えたり、医療業界では採用の必要が高まったりしました。こうした業界の変化に応じて、契約を取ることが重要です。
結局、業界ごとの需要の変動をしっかりと把握し、その変化に応じた戦略を立てることが、B to Bビジネスにおいては大切です。
市場の変化を察知して、自分が活躍できる場所のアンテナを張っていたのですね。
B to B営業の紹介で、仕事を断ることはありますか?
基本的に、長いお付き合いで私の事を知ってくれている人からの紹介なので、紹介された仕事を断ることはほとんどありません。
ただ、子供がいるため、早朝の仕事で保育園の送迎に支障が出る時間帯に働くことができないときや、長期出張を要する仕事などは、個人的な理由でお断りすることもあります。
自分の生活スタイルに合わない仕事は、断ることもあるということですね。
B to C事業者の営業方法
私の場合、個人であるため、真剣に営業活動を行わなければ、会社とのつながりを築くことが難しい状況にあります。
実際、会社からの注文はあまり受けておらず、これは私が提供するのがオーダーメイドでニッチな商品であるためです。これらの商品は一般的な世間の需要に合致しているわけではなく、したがって「卸しをお願いしたい」といった電話を受けることはほとんどありません。
そのため、私はこれまで本当に真剣に営業活動を行ってきました。
営業先としてどのような会社にアプローチしているのか、私自身も興味があります。
例えば、百貨店やラフォーレ原宿などは、新人営業のように電話を掛け、担当部署に接続してもらうことが多いです。
しかし、大手の企業ではすぐに繋がるわけではなく、何度も電話をかける必要があります。そのため、何度もかけ続けられることに対して「またこの人がかけてきた」と思われることもありますが、それでも鋼の精神で諦めずに取り組んでいます。
特に、私はラフォーレ原宿に対して昔から憧れを抱いており、そこで一度は自分のお店を出してみたいと考えています。そのため、電話をかけまくり、ようやく会ってもらうところから始めました。
実際の営業活動では、企画書や商品を持参し、直接お会いしてご提案することが多いです。商品を見てもらいながら、どのように協力していただけるかを考えて、できるだけ心を込めて話します。
例えば、私の店舗では和風のアイテムが多いため、お正月の時期などに和のアイテムを集めて販売するイベントなどを提案することがあります。
そのように、自分の強みを活かしつつ、相手のニーズを探りながら提案を行っています。
最近では、開発した商品があるのですが、地元企業でお菓子を作っている会社さんがあり、そのお菓子にぴったり合う包装資材を考案しました。その提案を行い、共業できるかどうかを模索しています。
ただし、ツテがないため、話を聞いてくれるかどうかが不安です。一般のお客様との関係では、そのようなビジネスチャンスを得ることは難しいため、営業活動には本当に全力で取り組んでいます。
営業がうまくいく時といかない時の違い
営業に行って、良い感触と悪い感触があると思いますが、良い感触の共通点はありますか?
自分のビジョンが明確で、そのビジョンが相手のビジョンと合致していると感じるときが、営業活動がうまくいく瞬間です。
例えば、ラフォーレ原宿でポップアップショップを開いた際のことですが、その時期は成人式のシーズンで、ちょうど卒業シーズンに近い時期でした。当時、卒業式の髪飾りは非常に人気があり、楽天などでもよく売れていました。
そのため、ラフォーレ原宿に卒業式の髪飾りを置くことで、若いお客様が新たに訪れてくれるのではないかと考えました。卒業式の髪飾りがきっかけで、ラフォーレ原宿に来ないようなお客様にも足を運んでもらえるかもしれないと構想し、そのアイデアを提案しました。
実際、ラフォーレ原宿の方もそのような目的買いのイベントが少ないことを認識しており、卒業式の髪飾りを取り入れることで新たな顧客層を引き入れる可能性があると考えていただけました。
このように、自分のビジョンが相手のビジョンと合致していると、営業活動がうまくいくことがあります。
しかし、目先の売上だけを考えてしまうことがあり、これがうまくいかない原因となることもあります。例えば、売上が厳しい時期には焦りから「どこか良い卸先はないか」と探し、DMを送ったり電話をかけたりしますが、そのほとんどが失敗に終わります。
これは、目先の売上を追い求めるあまり、長期的な関係構築や本当に自分がやりたい仕事なのかを考慮せずに営業してしまっているからです。
長期的なお付き合いができるかどうか、本当にお客様のためになれるかどうかは大事ですね。そこはB to Bの営業も同じです。
私が奈々さんのお話を伺っていて感じたのは、私がB to Cしか経験していない一方で、B to Bの観点で参考になることがあるという点です。
一つの仕事に専念していると、自分がどのようなことをしているのかを周囲に知ってもらうことが重要だと感じました。
例えば、一般のお客様に対しても、私が「今こういうことをやっていて、こういった会社を探しています」といった内容のメールを送ったりすると、逆に力になってもらえる可能性があると考えました。
自分がどのような仕事をしているのかを周囲に伝えることは、講師同士の関係のように、お客様との関係構築にもつながると感じました。
営業や紹介においても、結局は「応援される人」であることが重要だと最近実感しています。商品に関しては、差別化に限界があると考えますが、そもそもその人自身が応援したいと思うかどうかが重要です。
また、子供を持つ私たちにとっては、自分の状況を包み隠さずに伝えることが、応援されるためのコツになるのではないかと考えています。
自己開示が重要であるという点について、確かにその通りです。
奈々さんの場合、現在は小さなお子様がいらっしゃるため、夜遅くまで働くことが難しいと正直に伝えているからこそ、日中に働ける仕事を提案してもらえることもあるでしょう。
同様に、私も自分の現状をお客様に伝えることで、応援してもらえる可能性があると感じています。性別に関わらず、自分の状況を正直に伝えることが大切だと思います。
人柄や自分の状況を正直に伝えることが大事であることは、確かに誰にとっても共通しています。
営業で気を付けているポイント
奈々さんが営業で気を付けているポイントはありますか?
営業の際には、自分のできること、できないこと、そしてやりたいことを明確に伝えるようにしています。
また、相手から何かをもらうだけではなく、まず自分が相手のために何ができるかを考えることが重要です。与えた結果として、紹介を受けることが容易になると感じます。
与えたからこそ受け取るという考え方では、うまくいかないことが多いですね。今の自分ができることを100%、120%で頑張る必要があると思います。
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