【WEBマーケティング】ネットショップの成功法則 第2弾 他社と差別化する価格のつけ方
梅澤 アンナ
装飾デザイナー /
小売物販コンサルタント
株式会社Mari`eeFleurir代表
日本大学芸術学部卒業後、株式会社ユニクロへ入社。
ファッション業界に精通するため量販小売店でBY、DBを経験し、アウトドアメーカーでMDと商品管理を経験。
その後、独立し装飾品店を開業。年間500件以上のオーダーを受注し、西武百貨店や高島屋などにも出展。現在は日本の着物を後世に繋ぐファッションプロジェクトを推進。2021年からはクリエイト塾を開講し、個別コンサルも行う。2023年にはパリコレに出展。
本シリーズは二部制で、上記の動画は「第二弾」です。
▼ シリーズ動画一覧
はじめに
「ネットショップの成功法則」と題して、「実例と本音で話す、あまり知られていない販売の裏側」について話をさせていただきたいと思います。
今回は、第二弾として「他社と差別化する価格の付け方」という内容になります。
価格の付け方どうしている!?
価格の付け方については大きく分けると2通りあります。
仕入れ商品の場合は、適正価格で販売する必要があるケースが多いです。メーカーとの価格規定があり、例えばアウトドアセレクトショップでの販売価格には、ある一定の金額を取らなければいけないと決まっている場合もあります。
一方、自社オリジナル商品の場合は自由に価格設定ができます。同じようなジャンルのキャンプ用品でも、自社のオリジナル商品であれば100万円で売ってもよく、価格が自由に設定できるという点が魅力的なところです。
1)仕入れ商品(価格規定あり)の商品の場合
仕入商品の場合にはポイントが2つあります。
1つ目は、いかに安く仕入れられるかということです。これに全てがかかっていると言っても過言ではないです。市場に出回っている商品を仕入れて販売する時、一番それを安く仕入れる方法を考えることが必要です。メーカーから仕入れているのであれば、メーカーとの関係を良好にして、いかに安く仕入れるかを考えていく必要があります。
2つ目は、バイイング力です。他では手に入らないものをいち早く見つけて、今後の流行を見据えた仕入れを行う事が大切になってきます。
2)自社オリジナルの商品の場合
自社オリジナル商品の場合は、価格の付け方が自由であるため利益率は圧倒的によくなります。好きな値段で売れるというのが魅力的でもありますが、その価格の付け方が実は難しいです。
弊社の事例で、髪飾りの価格の付け方を紹介します。
「つまみ細工」という日本の伝統技法で作った髪飾りなのですが、似た商材での市場価格では5千円程度です。弊社の場合は1万円で販売しており、およそ2倍の価格で販売しています。
もう1つ、ヘッドドレスという花嫁さんが結婚式でつけるドレスなのですが、似た商材の市場価格は1万円程度で、最安値だと2千円というのもあります。弊社の場合は6万円で、およそ6倍の価格で販売しています。
高く売れる商品の作り方
正当な理由があって裏付けがあれば、価格が高くとも販売することができますので、詳しく説明したいと思います。
1)商品を使うシーンを変更する
商品の作り方における一番目のポイントとして、使うシーンを変更する方法があります。
前述の髪飾りの場合は、日常で使うものから式典で使うものという具合にシーンを変えました。シーンを変えると価格が高くなっても不自然ではないということを作り込んでいったのです。
日常で使うものは使い捨てになることが多いことから数千円の髪飾りでもよいですが、例えば、大切なお子さんの七五三用ではどうでしょうか。
これは成人式や結婚式も同じで、特別なシーンではお金をかけてでも、「一生の思い出をつくりたい」、「いいものに出会いたい」、「いいものを身に付けさせてあげたい」という気持ちになるものなのです。
2)世界観を作り込むこと
弊社の場合、市場で人気のこなれたデザインではなく、和洋折衷を掛け合わせた「大正浪漫」をテーマにしたデザインで勝負をしています。
日本の着物と西洋のリボンを掛け合わせて作り込んだ「大正浪漫」というニッチな世界観を作り出すことで他との差別化を図り、ここにしかない物を生み出すことで価格差をつけることができるのです。
3)素材には唯一無二のものを使う
弊社の場合、市場ですぐに買える生地やパーツを使うのではなく、アンティークの着物や帯というものを布地にして、パーツは基本的に自社で手作りしています。
市場には出回ってない素材や、元々1点しかないような価値のある素材を使うことで、他者が真似できない、唯一無二のものとなるようにしています。
高く売れる商品の作り方レッスン
それでは、高く売れる商品の作り方のレッスンを行ってみたいと思います。
1)苺を高く販売するには?
オーガニックで苺を作っている弊社クライアントの事例です。
差別化できるポイントは生産者が思っているよりも、消費者側からするとよくわからないのが実態です。例えば、オーガニック苺だといわれても、苺の品種自体たくさんあってよくわからないですよね。そのため、苺を購入するシーンを変えてみることにしました。
具体的には、日々の食卓で食べるものではなく、苺を季節の贈り物として購入するようにシーンを変えて、価格が高くなっても不自然ではないシーンを作り出したのです。
「季節の贈り物に●●ファームの苺」という売り方をして、「オーガニックの苺をあなたの大切な方へ贈り物にしませんか」、「数量限定です!希少価値の高い贈り物になります」、「多種多様な品種!苺の宝石箱のような感覚で楽しめます」というフレーズに変更しました。
その結果、今までスーパーで1パック980円だった苺が5千円のギフト商品となり、よく売れる商品に変わっていきました。
2)革小物の価格を高くするには?
革小物の制作・販売をしている弊社クライアントの事例です。
革小物は百貨店など、さまざまなところで売っています。ハンドメイドで作っている方もおられます。革小物の作家は探せばたくさんいて、「この人から購入したい」という特徴的なポイントが特に見当たらないのが購入者側の気持ちだと思います。したがって、どのように差別化するかがポイントになります。
そこで、従来の革小物の販売ではなく、「アップサイクルしてオリジナル商品を作る」という付加価値を全面に打ち出すように変えたのです。
お客様アンケートに「父が使っていた鞄を修理できないか」とか、「昔使っていた財布を定期入れにしてもらえないか」といったリメイクの声がすごく多かったことがきっかけとなりました。
「あなたの大切な革小物を新しい形でアップサイクルできます」、「思い出の品を蘇らせて使えるオリジナルデザインします」、「工房に持ち込めば一緒にデザインを考えてベストな提案をします」というフレーズに変更したことで革小物のイメージが変わり、アップサイクルして良いものを作ろうと思っていただけるようになったのです。
それに伴って唯一無二の価値が出て、オーダー料で価格をアップすることができました。
まとめ
他者と差別化する価格の付け方についてまとめを行います。
1つ目は、利用シーンの差別化を図るということです。弊社の事例でいえば、日常で使う髪飾りを特別な日に使う物として、シーンを変えたことで差別化が図れました。
2つ目は、オリジナル性を強くするということです。自分の商品が本当にオリジナルなんだということを強く打ち出すことで差別化が図れました。
3つ目は、唯一無二になれる箇所を作ることです。ここの苺は「ギフトの苺」という唯一無二の場所を作ることで差別化が図れました。
最後に、オリジナル商品販売の秘訣ですが、商品の作り手側は思い入れが強く、どうしても主
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