2024年最新版!省エネルギー補助金とは?手続きのポイントを解説

執筆者
中小企業診断士 花村 大祐のプロフィール写真

花村 大祐
中小企業診断士

大卒後、工作機械メーカーに勤務し、主に金属加工業を営む中小企業への法人営業に従事。フィールドセールス・マーケティング・プロモーションと幅広いセールス活動を経験。

中小企業診断士登録後は、補助金申請支援をきっかけに、ベンチャー企業の融資獲得のための事業計画策定、営業力向上・WEBマーケティング支援、組織構築、新規店の立ち上げ等の全般的な経営支援に従事。ご縁を大切にする経営支援を目指す。

補助金と助成金の無料相談ができるサービスページ

省エネ補助金とは、経済産業省・資源エネルギー庁が実施する、省エネルギーの利用促進に向けた各種支援制度の総称であり、税制優遇・低金利等の融資支援策から、補助金支給による省エネ効果の高い設備投資費用の支援策まであります。

また、エネルギー使用の合理化については、2050年のカーボンニュートラルへ向けて、化石エネルギーから非化石エネルギーへの転換が強く求められております。2023年4月より省エネ法が改正されており、従来型の化石エネルギーのみならず、非化石エネルギーの分野にまで拡大され、全てのエネルギー分野における使用の合理化が求められております。

省エネ補助金は、こういったエネルギー使用の合理化の要請に対し、省エネ効果をもたらす設備投資やサービスの導入を促進しており、そうした事業内容に対して支援が実施されることとなります。

目次

省エネポータルサイト 令和5年度省エネ補助金の公募概要情報

省エネルギー投資促進に向けた支援補助金

省エネ補助金は、省エネ設備・機器の更新費用等の一部を支援する補助金です。設備更新の内容によって、2種類の補助金があります。

  1. 省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金
    工場・事業場全体や電化・脱炭素目的の燃料を伴う設備更新で省エネの実現を目指す事業者が対象
事業区分補助対象経費補助率補助金限度額
(Ⅰ)工場・事業場型 先進設備・システムの導入設計費 設備費 工事費中小企業等:2/3以内 大企業、その他:1/2以内上限額:15億円/年度
(Ⅱ)オーダーメイド型設備の導入中小企業等:1/2以内 大企業、その他:1/3以内
(Ⅲ)電化・脱炭素燃転型 脱炭素目的の燃料転換設備の導入設備費1/2以内上限額:3億円/事業全体
(Ⅳ)エネルギー需要最適化型 EMS機器の導入設計費 設備費 工事費中小企業等:1/2以内 大企業、その他:1/3以内上限額:1億円/事業全体

2. 省エネルギー投資促進支援事業費補助金
 汎用的な製品による設備更新で省エネの実現を目指す事業者が対象

事業区分補助対象経費補助率補助金限度額
(Ⅰ)工場・事業場型 先端設備・システムの導入設計費 設備費 工事費中小企業等:2/3以内 大企業、その他:1/2以内【上限額】15億円/年度(20億円/年度) 【下限額】100万円/年度
(Ⅰ)工場・事業場型 オーダーメイド型設備の導入設計費 設備費 工事費中小企業等:1/2以内 大企業、その他:1/3以内【上限額】15億円/年度(20億円/年度) 【下限額】100万円/年度
(Ⅱ) 電化・脱炭素燃転型設備費1/2以内【上限額】3億円/事業全体(5億円/事業全体) 【下限額】30万円/事業全体
(Ⅲ)設備単位型 指定設備の導入設備費1/3以内上限額:1億円/事業全体
(Ⅳ)エネルギー需要最適化型 EMS機器の導入設計費 設備費 工事費中小企業等:1/2以内 大企業、その他:1/3以内上限額:1億円/事業全体
補助金と助成金の無料相談ができるサービスページ

省エネルギー設備投資に係る利子補給金助成事業費補助金

省エネ設備の新規導入や省エネ事業に対して支援を実施します。1事業当たり最大100億円の融資を実施可能です。ただし、本補助事業は令和5年10月31日をもって公募受付を終了しております。

中⼩企業等に向けた省エネルギー診断拡充事業費補助金

専門家が事業者を訪問し、省エネ方法の説明やエネルギー管理状況の診断を実施します。また、エネルギーコスト削減を目的に、設備・機器の運用改善や設備投資を提案します。別途、診断費用が発生します。

中⼩企業等に向けた省エネルギー診断拡充事業費補助金の省エネクイック診断のご案内
出所:省エネクイック診断のご案内 r5_gaiyoushiryou.pdf (shoeneshindan.jp)

中小企業等に対するエネルギー利用最適化推進事業費補助金

省エネルギー診断や省エネ相談地域プラットフォームの構築など、中小企業等の省エネを推進するためのきめ細かな支援を行います。⺠間団体・⾃治体・公的機関等が主催する省エネセミナーが対象です。

  • 地域プラットフォーム構築事業
    エネルギー使用状況の把握から省エネ計画の策定・実施・見直しまで、経営状況も踏まえつつ、中小企業等の取組みを一貫して支援します。
  • 省エネ最適化診断
    僅かな負担で省エネのプロフェッショナルの「省エネ診断」、「再エネ提案」を受けることができます。
  • IoT診断
    省エネ最適化診断等を受診した事業者が、更に深堀した省エネを推進したいというニーズに応えるため、詳細データ等を活用した診断を提供します。
  • 講師派遣
    省エネをテーマに含むセミナー等に「無料」で講師を派遣します。
補助金と助成金の無料相談ができるサービスページ

⾼効率給湯器導⼊促進による家庭部⾨の省エネルギー推進事業費補助⾦

家庭のエネルギー消費量の中で⼤きな割合を占める給湯分野について⾼効率給湯器の導⼊⽀援を⾏い、その普及拡⼤により、「2030年度におけるエネルギー需給⾒通し」の達成に寄与することを⽬的とする事業です。

住宅・建築物需給一体型等省エネルギー投資促進事業費補助金

ネット・ゼロ・エネルギーハウス(ZEH)の普及目標を掲げたZEHビルダーにより建築された、次世代ZEH+(省エネの更なる深掘り、および太陽光発電等の更なる自家消費の拡大を目指したZEH)や、超高層の集合住宅におけるZEH化の実証を支援する補助事業となります。

AI・IoT等を活用した更なる輸送効率化推進事業費補助金

運輸部⾨の更なる省エネ化を⽬指し、AI・IoT等の新技術を活⽤して、サプライチェーン全体の輸送効率化・省エネルギー化を関係事業者が連携して図る取組みの実証⽀援を行います。さらに、貨物の運送状況を荷主に提供することを可能とする⾞両動態管理システム等のトラック事業者への導⼊等、トラック事業者と荷主が連携した輸送の効率化に向けた実証の⽀援を⾏います。また、⾰新的省エネ技術のハード対策、ソフト対策を組み合わせた省エネ船舶等の実証の⽀援を⾏うほか、使⽤過程⾞の実燃費改善に向け、⾃動⾞の不具合情報の把握が可能なスキャンツールの⾃動⾞整備事業者への導⼊を⽀援し、点検整備に係るビッグデータを分析すること等により、適切な予防整備等が⾏われる環境を整備します。

脱炭素社会実現に向けた省エネルギー技術の研究開発・社会実装促進プログラム

2050年の脱炭素社会の実現に向けては、業種横断的に大幅な省エネルギーを実現する革新的な技術の開発を促進し、これらの更なる普及や新たなシーズの技術開発を継続的に支援することが必要です。このため本事業では、経済成長と両立する持続可能な省エネルギーの実現を目指し、「省エネルギー技術戦略」で掲げる産業・民生(家庭・業務)・運輸部門等における重要技術を中心に、2040年に高い省エネ効果が見込まれる技術について、事業化までシームレスに技術開発を支援します。

補助金と助成金の無料相談ができるサービスページ

省エネ補助金の事業メリットとは?

省エネ補助金を取得すると、事業に対して以下のようなメリットが想定されます。

①設備導入におけるコストの低減

省エネ効果をもたらすのに、設備投資が必要な場合、その導入経費を補助してもらうことができます。本来であれば、満額を要しなければならないところ補助金を活用して導入することができるというメリットがあります。

②最新設備導入によるランニングコストの低下

設備の入れ替えによって、既存設備より性能が向上するものが大半となります。省エネ効果のみならず、自社の事業にとって、競争優位性の高まるような設備投資を実施することで、生産性が向上する、品質が向上するといった効果がもたらされることになります。性能向上によるランニングコストの低下が見込まれるというメリットがあります。

補助金と助成金の無料相談ができるサービスページ

省エネ補助金の対象事業者となる企業

省エネ補助金の対象事業者には、以下の要件をすべて満たすことが必要となります。

  1. 国内で事業活動を営む法人、および個人事業主であることが必要になります。
    年間のエネルギー使用量が原油換算1,500kl以上である事業者(特定事業者等)は、省エネ法に基づき中長期計画書、および定期報告書を提出している必要があります。また、税務署の受領印が押印された確定申告書と所得税青色申告決算書の写しの提出を求められます。
  2. 本事業を実施するために必要な経営基盤を有し、事業の継続性が認められる者であることが必要になります。直近の年度決算において、導入する補助対象設備の所有者が債務超過の場合は対象外となります。
  3. 本事業により国内において設置する補助対象設備の所有者であり、その補助対象設備の処分制限期間まで継続的に使用する者であることが条件となります。
    ※導入する補助対象設備の所有者と使用者が異なる場合、導入する補助対象設備の所有者と使用者が共に補助対象事業者となり、共同申請を行うことが原則となります。
  4. 本事業により取得した補助対象設備を、SIIが交付規程で定める取得財産等管理台帳に記載のうえ、善良な管理者の注意をもってその補助対象設備等を管理し、補助金の交付の目的に従って、その効率的運用を図る者であることが求められます。
  5. その他の要件は以下の通りです。
    • 経済産業省から補助金交付等停止措置、または指名停止措置が講じられていない者であること。
    • 公的資金の交付先として、社会通念上適切と認められない者でないこと。
    • 風俗営業等の規制、および業務の適正化等に関する法律第2条に規定する「性風俗関連特殊営業」を営む事業所、またはそれに類する事業所ではないこと。
    • 成果報告時に、補助対象設備の1年間のエネルギー使用量と省エネルギー効果を報告できる事業者であること。
    • 会計検査院による現地検査等の受検に際し、事業者として会社単位で誠実に対応することが可能な事業者であること。
補助金と助成金の無料相談ができるサービスページ

省エネ補助金の対象となる経費

省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金の対象経費は以下のとおりです。

  • (Ⅰ)工場・事業場型、(Ⅳ)エネルギー需要最適化型の場合、補助対象設備に係る設計費、設備費、工事費とする。
  • (Ⅱ)電化・脱炭素燃転型の場合は補助対象設備に係る設備費のみとなる。

省エネルギー投資促進支援事業費補助金の対象経費は以下のとおりです。

  • (Ⅲ)設備単位型の補助対象経費は補助対象設備に係る設備費のみとし、原則3者以上による価格競争等を実施した結果による最低価格を上限とする。

【対象経費一覧】

出所:公募要領https://sii.or.jp/setsubi05r/uploads/r5h_st_01_kouboyouryou.pdf
補助金と助成金の無料相談ができるサービスページ

省エネ補助金の申請方法

補助金申請手続きの前提条件と必要書類

提出書類一覧となります。

省エネ補助金の申請時に必要な書類一覧
出所:公募要領 https://sii.or.jp/setsubi05r/uploads/r5h_st_01_kouboyouryou.pdf

上記以外にも、導入予定設備別に提出書類があります。詳細は公募要領を参照ください。

省エネ補助金の申請手続き

交付申請の手続きは以下の通りです。

省エネ補助金の申請手続き一覧
出所:公募要領https://sii.or.jp/setsubi05r/uploads/r5h_st_01_kouboyouryou.pdf
補助金と助成金の無料相談ができるサービスページ

省エネ補助金の注意点

省エネ補助金の失敗例とは?

省エネ補助金を申請・取得にあたり、よくあるトラブルの事例を以下に記載します。

  • 見積もりについて
    (Ⅲ)設備単位型の場合、相見積もりが必要となります。具体的には3者以上の見積書が求められます。補助対象となる経費と対象外の経費を明確に区分する内容となっていることや、見積もり依頼先が同一資本関係にない法人2者以上からの見積もり取得が求められます。交付申請時に期限等が有効な見積もりであることも注意が必要です。
  • 既存設備との入れ替えにともなう、既設機の写真撮影
    本補助金を活用した設備は、原則として入れ替えを前提として考えられています。そのため、既存設備をどのように除却していったかの説明が求められます。既存設備を廃棄する際は、必ず写真を撮影しておくなど事前準備を進めていくようにしましょう。
  • 事業完了年度までに製品が導入できない
    事業完了年度までに製品が導入できないケースが発生することも考えられます。導入先のメーカーと納期について十分確認し、事業完了年度までに製品を導入できるように準備を進めていくように注意しましょう。
補助金と助成金の無料相談ができるサービスページ

企業を補助支援するその他の補助金

ものづくり補助金

ものづくり補助金とは、革新的な新製品・サービスの開発や生産プロセスの改善などを行い、生産性を向上させるための設備投資等を行う、中小企業経営者を支援するための補助金です。

具体的な補助金額は、製品・サービス高付加価値化枠の通常類型(革新的な製品・サービス開発の取組みに必要な設備・システム投資等を支援)の場合、最大1,250万円となっています。

<補助対象となる中小企業>

業種資本金常勤従業員数
製造業、建設業、運輸業、旅行業3億円300人
卸売業1億円100人
サービス業5,000万円100人
小売業5,000万円50人
ゴム製品製造業3億円900人
ソフトウェア業、または情報処理サービス業3億円300人
旅館業5,000万円200人
その他の業種(上記以外)3億円300人
出所:「公募要領(18次締切分)」より一部加工
補助金と助成金の無料相談ができるサービスページ

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金は、小規模な会社や個人事業主が販路開拓や生産性向上に向けた取り組みを行うために国が支援する補助金です。

例えば、1.チラシやパンフレットの作成、2.新たな設備を入れる、3.展示会に出品する、4.ホームページ・ランディングページの作成、WEB・SNSによる広告等の経費に活用できます。

最高で250万円の補助を受けられるという制度となっています。

なお対象経費のうち、ウェブサイト関連費(ウェブサイト制作費、リスティング広告費、SNS広告費、SEO対策費、動画作成費等)においては、対象経費全体の1/4までとなっていますので、経費構成を考える際は注意が必要です。

省人化省力化補助金

省人化・省力化投資補助金とは、令和5年度補正予算にて発表されている補助金になります。物価高騰や人手不足への対応を事業目的としており、事業規模の拡大を目指した設備投資に対する補助金となります。

中小企業から小規模企業まで幅広く活用でき、取得できる補助額も小規模事業者持続化補助金と比べても高額となり、より大きな設備投資・システム導入に活用することが可能です。

本補助金に関して、公表されている経済産業省の資料から抜粋して解説します。

2024年2月23日時点で公表されている概要は以下の通りです。

出所:経済産業省「令5年度補正予算の概要」
補助金と助成金の無料相談ができるサービスページ

補助金の相談・支援は3Rマネジメントへ

当社は、中小企業支援に関する知識や経験があると国が認定した「認定経営革新等支援機関」に登録していますので、安心して補助金申請をお任せいただけます。

当社のサポート内容と依頼するメリットを以下にまとめましたので、支援先検討の参考になさってください。

補助金と助成金の無料相談ができるサービスページ

3Rマネジメントのサポート内容

当社では、以下のとおりサポートを行っています。

  • 初回面談(オンライン)による相談受付
  • 申請書類の確認
  • 経営計画書などの申請書類の作成支援
  • 電子申請システムの入力支援
  • 採択後の交付申請支援
  • 交付決定後の遂行状況報告支援
  • 補助事業完了後の実績報告支援

当社では中小企業の事業再生に特化して支援をしてきましたので、補助金申請後においても、伴走型の経営改革・改善支援、融資や資金繰り、銀行対応等は特に強みが発揮できるところです。

補助金と助成金の無料相談ができるサービスページ

3Rマネジメントへ相談・依頼するメリット

当社に相談・依頼するメリットを主に3つ紹介します。

  • 書類作成や申請の手間が減る
  • 採択決定後から実績報告まで支援がある
  • 採択される可能性が高くなる

 

補助金は、交付申請に多大な労力がかかりますので、当社では書類作成や電子申請システムの入力支援を行っていますので、手間が減り、本業に時間を費やすことができます。

また、採択されて補助事業実施後の実績報告においても相当な手間がかかります。そこで当社では、採択決定後の実績報告までの支援サービスを行っておりますので、安心してお任せいただけます。

なお、当社では、弁護士や税理士、社会保険労務士などの他仕業の方々や、製造業や飲食業、流通業などの会社員として実務を経験された中小企業診断士の専門家が多数在籍しています。

そのため、あらゆる業種の補助金申請においても、知見が備わっていることから高い採択率を保持できています。

補助金と助成金の無料相談ができるサービスページ

まとめ

省エネルギー補助金について解説しました。

補助金は、申請するための準備や経営計画書など漏れなく書類を用意して、沢山の書類を書くため、多くの企業が専門家に支援を依頼して補助金の申請を行っています。

自社のみで採択されるためには、多くの時間と労力を割くことになりますし、競争相手も沢山いるため、採択は簡単なことではありません。

そのため、補助金の申請は、自社のみで行おうとせずに、専門家による申請代行や申請サポートを活用することをおすすめします。

当社3Rマネジメントでは、補助金の申請支援に注力しており、豊富なサポート実績や高い採択率を誇っております。

補助金の申請代行やサポートを活用したいと思われた際には、3Rマネジメントまでお気軽にご相談ください。

補助金に関する初回のご相談は、無料でお受けしています。

補助金と助成金の無料相談ができるサービスページ

この記事を書いた人

中小企業診断士

大卒後、工作機械メーカーに勤務し、主に金属加工業を営む中小企業への法人営業に従事。フィールドセールス・マーケティング・プロモーションと幅広いセールス活動を経験。

中小企業診断士登録後は、補助金申請支援をきっかけに、ベンチャー企業の融資獲得のための事業計画策定、営業力向上・WEBマーケティング支援、組織構築、新規店の立ち上げ等の全般的な経営支援に従事。ご縁を大切にする経営支援を目指しております。

目次