クロージングの効果的な8つのポイント

登壇者
売れる話し方 ・プレゼンコンサルタント 悠稀智惠

悠稀 智惠
売れる話し方 /
プレゼンコンサルタント

舞台女優歴15年。ハリウッドの有名俳優も使う演技メソッドと起業家の成功ノウハウから編み出したオリジナル話し方メソッド「ハートフルスピーチ®」を、起業家や経営者向けに研修を行う。

講師実績
・電話/接客研修(KDDI代理店, 老舗洋菓子店, 食品会社など)
・営業研修(IT企業, 健康グッズ販売, 住宅販売など)
・新人研修/ハラスメント研修(IT企業, 製造企業など)

本シリーズは四部制で、上記の動画は「Part.3」です。

目次

はじめに

営業の流れにおけるクロージングについて、以下の8つのポイントをお伝えします。

「BANT条件を抑える」「テストクロージングをする」「選択肢を用意する」「沈黙を恐れずに待つ」「導入のメリットを事例込みで伝える」「購入後を想像してもらう」「YESセット話法を使う」「購入しなかった場合の損失を説明する」

それでは、これらのポイントを一つずつ詳しく見ていきましょう。

クロージングとは

クロージングとは、直訳すると「終了」や「幕を引く」といった意味がありますが、ビジネスの場においては、お客様との契約を締結する、または契約に至るまでの交渉を指します。自分一人で決断することが苦手な方も多く、クロージングはそのような相手の気持ちを後押しするために重要なプロセスです。ここでは、クロージングを効果的に行う方法についてお伝えします。

BANT条件を抑える

「BANT条件」とは、以下の用語の頭文字を取ったもので、具体的には「Budget(予算)」、「Authority(決定権、決裁権)」、「Need(必要性)」、「Timeframe(導入時期)」の4つの要素を指します。クロージングがうまくいかない場合には、これらの要素のいずれかが満たされていない可能性があります。条件が整っていない状態でいくら交渉を重ねても契約には至らないため、BANT条件はしっかりと抑えておくことが重要です。

テストクロージングをする

お客様の購買意欲がまだ高まっていない、あるいはそもそも興味を持っていない場合に、いきなり「購入契約しますか」と詰め寄ると、制約率が大きく下がる恐れがあります。まずは「こちらにご興味はありますか?」や「よろしければ、詳しい資料をお送りしましょうか?」といったテストクロージングを行いましょう。これに対する相手の反応を見ることで、興味や関心の度合いが分かり、より的確なアプローチで交渉を進めることができます。

選択肢を用意する

クロージングにおいては、相手に決断を迫ることになりますが、場合によっては強引な印象を与え、制約を逃してしまうことも少なくありません。そのような場合に有効なのが、選択肢を提供することです。2つまたは3つの選択肢を提示し、それぞれのメリットとデメリットを説明した上で、相手に決定を委ねる方法です。これにより、相手は自ら決断したという実感を得ることができ、納得感のある商談が実現できます。

沈黙を恐れず待つ

クロージングの過程で、相手が黙り込んでしまう場面がしばしばあります。この際、沈黙を恐れて無闇に話しかけるのはお勧めできません。決断が難しい商談内容であればあるほど、相手には考える時間が必要です。もし交渉中に相手が急に無言になった場合、それは真剣に考えている証拠であると言えます。焦って不意に話しかけてしまうと、せっかく決断の糸口を掴んでいたのに邪魔してしまう恐れがあります。クロージング中に相手が沈黙してしまった場合には、じっと耐え、相手の考えが整理されるのを待つことも大切です。

導入のメリットを事例込みで伝える

新たなサービスや商品を導入する際には、抽象的なメリットだけを伝えると、相手にとって理解が難しいことがあります。そのため、できるだけ具体的な事例を交えて説明することが重要です。相手と似た業界や業種、あるいは似たような課題を抱えている企業が導入した場合、どのように変化したのかという事実を伝えることで、イメージが格段にしやすくなります。具体的な事例を交えることで、相手にとってよりリアルなメリットを感じてもらうことができます。

購入後を想像してもらう

購入において、人は必ずしもすべての判断を論理的に行うわけではありません。感情に訴えかける方法も効果的です。例えば、車の販売などでは「もしこの車を手に入れたら、誰とどこへ出かけたいですか?」といった質問をすることがあります。こうした質問を通じて、相手の頭の中で購入後のシーンが具体的に思い浮かべられ、購入意欲が高まることがあります。論理的な説明に加えて、感情に訴えるアプローチを取り入れることで、制約率を向上させることができるでしょう。

YESセット話法を使う

YESセット話法とは、会話の中で相手から「イエス」という返事を何度も引き出すことで、本命の質問に対しても「イエス」を取りやすくするテクニックです。この方法は、人が自らの行動や言動を一貫させたいという「一貫性の法則」を利用したもので、ビジネスの場でも有効に活用できます。

購入しなかった場合の損失を説明する

人は何かを得ることよりも、何かを失う痛みに対してより強く反応する傾向があります。重要な交渉では、「これを導入しなければ、得られたはずのメリットを失うことになります」というように、損失を強調して伝えることが有効です。ただし、虚偽の情報は避け、事実に基づいた説明を行うことが大切です。

講師に無料相談をする

ビジネス処方箋に登壇している講師に無料相談を行うことができます。
お問い合わせいただきましたら、ご相談内容に適した士業・経営者の講師をご紹介いたします。

このフォームに入力するには、ブラウザーで JavaScript を有効にしてください。
講師の多忙により、ご希望いただいた講師が対応できない場合がございます。予めご了承ください。

執筆者

売れる話し方 ・プレゼンコンサルタント
悠稀 智惠

舞台女優歴15年。ハリウッドの有名俳優も使う演技メソッドと起業家の成功ノウハウから編み出したオリジナル話し方メソッド「ハートフルスピーチ®」を、起業家や経営者向けに研修を行う。

講師実績
・電話/接客研修(KDDI代理店, 老舗洋菓子店, 食品会社など)
・営業研修(IT企業, 健康グッズ販売, 住宅販売など)
・新人研修/ハラスメント研修(IT企業, 製造企業など)

目次