連続起業家が語る成功し続ける秘訣!Part5 成長のためのインプットとアウトプットの方法とは?

登壇者
株式会社福水戸家 代表取締役 一般社団法人パラレルキャリアマネジメント協会 代表理事 磯部 一郎のプロフィール写真

磯部 一郎
経営者

株式会社福水戸家 / 株式会社福水戸家ホールディングス 代表取締役
一般社団法人パラレルキャリアマネジメント協会 代表理事

プログラマーとしてIT企業に入社。独立し大手企業向けの業務システム開発事業を実施後、上場企業に株式譲渡。立ち上げに関わった法人は15社。ゼロイチ起業から売上高10億円までのスケールアップ経験がある。企業・事業の買収・合併・譲渡や持株会社や合弁会社の設立など、経営者としての経験も豊富。


本シリーズは五部制で、上記の動画は「Part.5」です。

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目次

はじめに

渡邊社長

本日は、起業家兼経営コンサルタントの磯部さんをお招きして、「インプットとアウトプットを繰り返すことの重要性」についてお話を伺います。
これは経営者にとって非常に大切なテーマで、どれだけ情報をインプットし、それを成果に結びつけるかが鍵となります。
アウトプットを行うことでインプットが促進され、情報が吸収されやすくなるとよく言われますが、私自身も実際にそう感じています。話すことや書くことがインプットの吸収率を向上させるのです。
そのあたりについて、今日は磯部さんに詳しくお聞きしたいと思います。

インプットとアウトプットを繰り返す

磯部 一郎

インプットとアウトプットの繰り返しについてですが、これは単なる「本の読み方」や「まとめ方」ではなく、生き方そのものだと考えています。

磯部 一郎

幸福に生きるためには、自分のやりたいことを見つけて取り組むことが重要です。
しかし、多くの方は自分のやりたいことが何かを明確に把握していないのが現状です。それが誰かに教えてもらえるものなのか、あるいはシンデレラストーリーのように突然出会うものなのかと期待する方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、私はそのようには考えていません。

磯部 一郎

やりたいことが事業や仕事として形になれば、それは会社勤めの方にとってもそうでない方にとっても同様です。
会社勤めの方は、勤め先の企業を自分なりに再定義し、そこに反映させたり、副業をキャリアの一部として創造的に取り組んだりすることで、より満足度の高い生き方が可能になるでしょう。
それは社会貢献にもつながり、自己成長にも寄与するはずです。

磯部 一郎

やりたいことを見つけるためには、まず勉強が必要です。知らなければ人間の発想は広がりません。
しかし、現代の学校教育はインプットに偏りがちであると感じます。私の息子たちの教育においても、詰め込み型のインプット教育ではなく、アウトプットの重要性を強調しています。
詰め込み型教育が問題視されて久しいですが、では何が良いのかを発信する人は少ないのが現状です。

磯部 一郎

私自身はアウトプットの重要性を繰り返し訴えています。
インプットしたことをアウトプットすることで、自分の可能性を広げることができるのです。前回も「そんなことはない」と否定しないことが自分の可能性を広げるという話をしました。

磯部 一郎

例えば、本や美術館などからインプットを行うとします。
多くの人はインプットした情報をそのまま発信することを「はしたない行為」と考えることが多いです。確かに、他人が言ったことをそのまま読み上げ、自分の意見のように表現するのは、著作権的にも問題があります。しかし、学んだことを組み合わせ、自分の意見や認識として発信することは、現代では許容される行為です。
もし「それははしたない」と指摘されるようなことがあれば、ぜひ私の講座を紹介していただきたいと思うほどです。気にすることなく、自分の意見をどんどん発信すべきです。

磯部 一郎

ブログやnote、メルマガ、オンラインセミナー、さらに最近ではInstagramやFacebookのライブ配信など、様々な方法を通じて自分の意見を多くの人に伝える機会を作ることが重要です。
そうすると、受け手からさまざまな形でフィードバックが返ってきます。これを「レスポンス」と呼びますが、質問や感想として受け取ることができるこのフィードバックが非常に重要です。

磯部 一郎

私はオンラインセミナーや講義を多数開催していますが、自分が主催するものには必ずGoogleフォームでアンケートを収集しています。年間で数百通に及ぶフィードバックが手元に集まり、これらをすべて文字データとしてまとめています。
そして、これらのフィードバックをChatGPTに読み込ませ、「生き急ぐ磯部一郎の講座を受けた人たちの感想を150文字でまとめよ」といった指示を与えます。ChatGPTはその数百件のアンケート結果を分析し、私の活動を表現する言葉を生成してくれます。

磯部 一郎

実際、講座の中で使用する「価値創出」や「意識改革」といったフレーズも、ChatGPTから学んだものです。
これらの表現は1年前の自己紹介では使っていなかったものですが、インプットから得た知見をもとに、価値創出のロジックを構築しています。

磯部 一郎

これは、インプットとアウトプットを繰り返すことによって可能になったことです。さらにこのプロセスを高めるためには、自分がインプットする際に知的好奇心を大切にすることが重要です。
例えば、本屋に行った際、私は10冊から20冊ほどの本を購入します。これは、昔のCDのジャケ買いのようなもので、読むか読まないかは別として、知的好奇心を満たすために多くの本を手に取るのです。

磯部 一郎

起業を進めるうえで、知的好奇心が形になる時には、すでに市場が成熟してしまっていることが多く、その時点で動き出すのは遅すぎる場合があります。
例えば、本屋で感じる知的好奇心についてですが、新しい本が出ているということは、その分野の市場が成熟している証とも捉えられます。

磯部 一郎

しかし、ここで重要なのは、本そのものではなく、並んでいる本の間に何かを感じ取ることです。
私の場合、気になった本をすべて買い集め、机の上に並べます。既に持っていた本や読みたくなった本も一緒に並べて、10時間ほど机に向かいます。その際、コーヒーやお酒を手元に置きながら思索にふけるのが習慣です。

磯部 一郎

私はモレスキン手帳を愛用しています。これは「手で考える」ことを大切にしているからです。
角ばった机や、罫線の入ったノートではなく、丸いテーブルや無地のノートが理想で、スケッチする感覚で書けるものが最適です。
考えてから書くのではなく、書きながら考えるのがポイントで、思いついたことを手で書き出していくのです。興味が湧かなくなれば本を閉じ、気になる部分だけを見ながら、頭に浮かんだことを手で書き留めていきます。こうすることで、頭の中にあったものが自然と形になり、具現化されていきます。

磯部 一郎

絶対に避けるべきなのは、「手で考える」プロセスを飛ばしてタイピングしてしまうことです。せっかく脳が活性化している流れを止めてしまいます。
タイピングは、「手で考えてノートに書き出す」工程を経た後、まとめる段階で行うべきです。そうして完成したものをブログ記事やメルマガにすることで、自分独自のコンテンツが生まれ、面白いものに仕上がるのです。

スケールアップの谷マップ
出典:磯部一郎note「スケールアップの谷マップ」
磯部 一郎

上図は「スケールアップの谷マップ」というもので、私のアウトプットの一例です。これは何か特定の用途に使うために作ったものではありませんが、私が抱く世界観を表現しています。
この図は、誰かに教わったわけではなく、私がコンサルティングをしている中で、個人と企業の在り方を独自に考えたものです。

磯部 一郎

図の左側には「フリーランス村」や「独立の森」、「パラキャリ村」など、個人事業主の世界を描いています。これらは高台の上に位置しており、比較的安全なエリアです。
しかし、崖を下りると、谷底には猛獣がいるという危険な世界が広がります。この中腹のエリアには、起業して1人から4人規模の小さな会社があり、ここは収益性が高く、安全な領域でもあります。

磯部 一郎

データによると、15人から20人規模の会社が最も倒産しやすいという統計がありますが、これは私自身も何度か経験してきた道です。この規模になると、マネージメント層が1人では足りず、2人必要になりますが、社員数が少ないため、その負担が増します。
ここを乗り越えるためには、30人から50人規模の体制に一気に投資し、基盤を整えることが重要です。この考えを「倒産多発河川」という川で表現しています。

磯部 一郎

川を越えると、営業部隊の訓練所があり、その先には崖を登るようなステージが続きます。崖の下には「裏切りの洞窟」があり、さらに登ると「企業軍事施設」といった場所も描かれています。
これらの施設は簡単には建設できず、私自身もその段階まで到達しましたが、最終的には売却してしまったという経験も反映しています。

磯部 一郎

図の谷底の手前には「ベースキャンプ」があり、私自身は結局この谷底の住人だと位置付けています。
企業に勤めている方々には、もう少し右側の視野を持つことが求められますが、この図を通して私は、自分の世界観や企業の成長における課題を視覚的に伝えています。
スモールビジネスを支援する私の役割は、この川をどう渡るかという部分に焦点を当てています。

磯部 一郎

この図は直接的に収益を生むものではありませんが、私の思考や経験を凝縮したものであり、多くの方がこの絵に共感してくださいます。図を通じて反応してくれる方も多く、私の世界観を理解していただく一助となっています。
言葉で自分の考えを表現しようとするものの、共感を得るのが難しいと感じることがあります。SNSにこうした内容を投稿すると、「磯部さんの話を聞いてみたい」といった反応が寄せられることが多いですが、この絵そのものが欲しいというわけではなく、新たな話が生まれるきっかけになることもあります。

磯部 一郎

私がこの図を作成したのは、単に作ろうと思ったからではなく、ある日突然お茶を飲みながら描いてみた結果、自然に形ができたのです。
これを聞くと、「磯部さんだからできるんだ」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、実際にはインプットとアウトプットを10年以上繰り返してきた結果、このような形になりました。白いノートも30冊以上溜まっており、これは全て勉強の一環として積み重ねてきたものです。

磯部 一郎

SNSでよく見られる速読自慢に対しては、その自慢にプライドを持つよりも、アウトプットをし、それを発信することが重要です。
アウトプットして発信し、ネタが尽きたらまたインプットして吸収するという、アウトプット先行型のアプローチがより生産性が高いと考えます。

渡邊社長

ニューヨークの大学の論文によると、タイピングよりも手書きをすることで思考が活性化し、想像的な考えが生まれやすいという研究結果が出ているようです。
私たちのプログラミング教室でも、タイピングよりも手書きで考えることを重視し、まずは手でストーリーを作り、それをタイピングするという順番を踏むようにしています。これは非常に重要だと考えています。
今日は「インプットとアウトプットを繰り返す」というテーマで磯部さんにお話を伺いました。皆様も参考にしていただければ幸いです。


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執筆者

磯部 一郎
株式会社福水戸家 代表取締役
株式会社福水戸家ホールディングス 代表取締役
一般社団法人パラレルキャリアマネジメント協会 代表理事

芸者の置屋の息子として、日本橋人形町に生まれる。
大学卒業後、プログラマーとしてIT企業に入社。26歳で共同起業し、大手企業向けの業務システム開発事業を開始。37歳のときに悪性リンパ腫を発病し、上場企業に株式譲渡する。

その後、9度の再発・骨髄移植・右眼失明・余命宣告などを乗り越え奇跡的に生還。闘病中にメディア事業とコワーキングスペース事業、コンサルティング事業を開始。現在は株式会社福水戸家ホールディングスに経営統合。スモールビジネス向けの戦略コンサルティング事業に専念。

立ち上げに関わった法人数は15社にのぼり、ゼロイチ起業から売上高10億円までのスケールアップ経験がある。企業・事業の買収・合併・譲渡や持株会社や合弁会社の設立など、経営者としての経験も豊富。過去にはオンラインサロン・法人向け有料勉強会の運営や、ITによる町内会の活性化を成功させるなど、コミュニティ運営にも定評がある。

2021年3月には著書「生き急ぐ」を出版。

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