成果を出す展示会営業術 | Part1 なぜ展示会が最強の営業手法なのか?

清永健一@展示会営業コンサルタント (@tenzikai) / X

【執筆者】
株式会社展示会営業マーケティング 代表取締役 清永 健一
中小企業診断士

展示会のプロフェッショナルとして、展示会主催者や出展企業などにノウハウを伝えている。
著書の「飛び込みなしで新規顧客がドンドン押し寄せる展示会営業術」他4冊はいずれもAmazon部門1位を獲得。
展示会の専門家としてNHKラジオ総合第一に出演。
行政、公益法人、金融機関、各地の商工会議所など講演実績多数。


本シリーズは四部制で、上記の動画は「Part.1」です。

▼ シリーズ動画一覧


目次

はじめに

ビジネス見本市や展示会出展支援を専門としている展示会営業コンサルタントの清永健一です。

私は、展示会というニッチな分野でコンサルタントをしています。存在が珍しいので、商工会議所や公的機関、行政などに呼んでいただき講演することも多いです。また、テレビ新聞雑誌などのメディアに呼んでいただくこともあります。驚かれることもありますが、展示会というニッチなテーマで本も5冊出しています。

今回は確実に成果を出す展示会営業術を4回シリーズでお伝えします。

第1回では「なぜ展示会が最強の営業手法なのか」について説明します。

【展示会に出展するのは大変?】

この記事を読んでいる方の中には展示会は本当に出るべきなのか?と思っている方も少なくないかと思います。展示会出展に疑問を持っている方の主な理由は以下ではないかと思います。

◆日程は自分で決めらない

◆展示会の当日は、他の仕事ができない

◆準備に時間がかかる

◆出展費用がかかる

◆費用と労力がかかるのに、成果が約束されていない

色々な業種業態の方がいるかと思いますが、中小企業でB to Bのビジネスをされている方も多いと思います。

B to Bで見込み客を集めるたり、接点を持つのに今はどうしているでしょうか。図の左側がプッシュ型、右側がプル型の営業です。プッシュ型というのは、例えば、飛び込み営業です。昔は飛び込み営業をやっていた企業も多いと思います。逆に右側のプル型の最も典型的なものはWebやSNSです。SNSは、最近だとインフルエンサーさんにお金を支払って、拡散してもらうことも多いかと思います。

プッシュ型でも飛び込み営業以外に、テレアポしてから訪問や、DMを送ってからテレアポして訪問するといった組み合わせもあります。しかし、現在は人手不足の企業が多いと思います。そのような中、飛び込み営業をする余裕があるでしょうか。

昔は、「売って来るまで帰って来るな」と根性論で営業していた企業もあるでしょうが、今はコンプライアンス的にもそれが通用しない時代です。

一方のWebやSNSは、B to Cの商材のように一般消費者向けのものであれば、非常に有効かもしれません。一方で、B to Bビジネスの場合の営業相手は、例えば、〇〇業界の設計室長などです。その場合はWebやSNSでリーチするのはなかなか難しいです。従って、展示会が有効なのです。

展示会はテーマ別になっています。例えばフーデックスといえば食の展示会で、ケアテックスと言えば介護の展示会、ものづくりワールドは製造業の展示会です。特定のテーマに関心がある非常に良い見込客が集まって、来場者数は非常に多く、大規模な展示会には2万人以上が集まったりということもあります。そして、普段はなかなか会えないような方に会える機会があります。

例えば、パシフィコ横浜では、人と車のテクノロジー展が開催されています。そこに出展をすると、持てる限りの人脈を使って紹介してもらってもなかなか会えないような設計部長などがいらっしゃったりします。自動車メーカーの社内奥深くにいて、あまり社外と接点がないような部署の方に会えるのです。そういう方とリアルに対面で接点をもつことができるので、展示会へは出展するべきだと考えます。

ただ、単に出展して簡単に成果が出るというわけでもないので、しっかり戦略を立てて臨んでいくべきでしょう。

【来場者数はコロナ前に戻っている】

もう1つ大事な論点があります「最近コロナで展示会が縮小しているのでは?」と言われるケースもあります。

参考ですが、JIMTOF(ジムトフ)は工作機械の展示会ですが、2年に1度開催されていて、2018年の来場者が153,103人、2020年は中止で2022年11月の来場者が141,948人で2018年の約93%とほぼコロナ前に戻ってきていると言えます。

フーデックスジャパンは食品の展示会ですが、こちらも2023年は2019年の92%と回復しています。それぞれの展示会によりますが、イメージではだいたい7割から9割5分ぐらいまで回復していると言えます。コロナ前に比べて、来場者は課題を明確に持っている方が来るようになっているので、来場者数は減りましたが、質は逆に上がっているといえます。

【アフターコロナ時代の展示会で使える小技】

出展するときの小技も少し紹介します。

基本的にはコロナ前も今も展示会で成果を上げるための原理原則は変わりませんが、アフターコロナ時代に使える小技を3つご紹介します。

1つ目は、展示ブースの前でモニターを出してミニセミナーを実施すると非常に効果的です。これはコロナの前からとても良い方法だと言われていましたが、コロナ後は特に効果が高いと思います。特に最近は、密にならないように、コロナ禍より前と比べて、来場者がゆっくりと歩く傾向があります。結果、周りの音がしっかり聞こえるようになったため、来場者が自社のモニター等に気づきやすくなりました。マイクとヘッドセットをうまく使うことで、より認知度を高めることができるようになりました。

2つ目は、自社のブースの前でパネルを動かし、目を引く方法です。コロナの前は、展示ブースの前で、声を張り上げて呼び込みをおこなうのが当たり前でした。しかし最近は、飛沫を嫌がる方が多いので、声を出すことがあまり喜ばれなくなっています。

3つ目は、サービス紹介やロゴなどを入れた同じ柄のマスクをして接客をする方法です。単純ですが効果があります。出展社側はまだマスクをしなければならないという状況も多いので、それを逆手に取った方法です。

【展示会出展7つのメリット】

展示会出展にはいろいろメリットがありますが、ここでは7つのメリットを紹介します。

1.特定のテーマに興味があり、購入欲が高い見込み客と接点を持てる

これが一番大きなメリットです。ある特定の展示会のテーマに興味関心があり、そしてこのコロナの中でもわざわざ展示会場に出かけて行こうとする課題を持った購入意欲の高い見込み客と接点を持つことができます。

2.コロナでも、見込み客とリアルに直接会うことができる

コロナの中でもZOOMやTeamsなどのオンラインではなく、直接対話できることはとても大きなメリットです。

3.商材や技術・サービスを五感を使って伝えられる

目で見て、耳で聴いて、舌で味わって、鼻で匂って、手で触る。五感を使って自社の商材を伝えられます。例えば、臭いを取る機械などは、オンラインでは分かりにくいため、展示会で直接体験してもらえるのは大きなメリットです。

4.商材の改善・改良の声を収集する場になる

リアルで対面して接するからこそ、「それは要らないが、これはできないのか?」という生の声を聞けるのも展示会だからこそできることです。

5.自社の顧客への提供価値を見直し、営業手法等に落とし込むきっかけになる

展示会は漫然と出展しても成果は出ません。しっかり準備をする必要があり、準備をすることで自社商材の魅力を見直すきっかけになります。結果、通常の営業活動にも使えるツールやトークを磨いていくことができます。

6.業界に存在感を示すことができる

展示会には特定テーマの業界が集まってきてます。そこで目立てば、業界内で注目されて、他社から「連携したい!」といった声がかかるなどのメリットもあります。

7.テレビ、新聞等に取材されやすい

展示会ではテレビや新聞に取材をされやすいということがあります。具体例を挙げると、福井県にもともとレジ袋を作っている会社が、レジ袋の有料化で市場が縮小する中で、ビニール加工の技術を生かして防護ガウンを作りました。それで感染対策EXPOに出展したのをテレビのニュースで取り上げられて、昼と夕方の2回放送されました。それを、兵庫県の看護師の副師部長がたまたま見ていて、大きな商談に繋がった例もあります。

【どの展示会に出るべきか?】

ではどの展示会に出展するかですが、開催時期や出展コスト、会場の場所、来場者数など、様々な検討材料があります。

ただ、重要なのは、あまり難しく考えすぎず、自社がターゲットとする顧客が集まる展示会を選択することです。来場者の属性で考えると、大きく2パターンあります。

1つは、業界特有の定番の展示会です。例えば食ならフーデックス、ものづくり系なら機械要素技術展、介護ならケアテックス、化粧品ならビューティーワールドが有名です。そういう展示会は失敗が少ないです。そういう展示会には、業界のいわゆるトップ企業が出展しています。

来場者はそのブース目当てで来ます。ライバルも多く、レッドオーシャンの中に飛び込んで行くと思われがちですが、展示会は逆にその戦法が良いのです。例えば、化粧品だったら、資生堂目当の来場者が自社のブースを通った時に、注目してくれたりします。自社ブースの訴求力が高ければ、見込み客を獲得しやすいのです。これを、コバンザメ作戦と言ったりします。

2つ目は、少し上級テクニックですが、全く同じ業界ではなく少しだけ違った商材等の展示会に出展するという方法です。

例えば、スペシャルティコーヒーの展示会SCAJというのが毎年ビッグサイトでありますが、コーヒーの展示会なので、会場はコーヒーに関係するものが出展されています。その展示会場で一番来場者を集めていた商材は、何のブースだと思いますか?実は紅茶のブースです。理由は単純で、展示会場の閉鎖された空間でコーヒーばかり見ていると飽きるからです。そこに紅茶があったので、思わず立ち寄るという動機が生まれます。この場合、簡単にオンリーワンの存在になれるのです。先程説明した来場者の属性で考えると、紅茶のバイヤーとコーヒーのバイヤーを兼ねているケースは多いので、ターゲット顧客に、差別化されたオンリーワン商材をP Rする事ができます。

今回は、展示会のメリットや、出展すべき展示会の選び方等についてお伝えしました。

次回は、展示会で成果を出す具体的な方法について述べていきたいと思います。


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この記事を書いた人

株式会社展示会営業マーケティング 代表取締役 清永 健一
中小企業診断士

展示会のプロフェッショナルとして、展示会主催者や出展企業などにノウハウを伝えている。
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展示会の専門家としてNHKラジオ総合第一に出演。
行政、公益法人、金融機関、各地の商工会議所など講演実績多数。

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