【完全版】2025年 大規模成長投資補助金コンサルタント選びガイド

金親 正和
中小企業診断士
中小企業診断士 / 宅地建物取引士 / 不動産コンサルティングマスター
賃貸不動産経営管理士 / 管理業務主任者 / 防災士
大学卒業後、総合不動産会社にて不動産の企画・開発、賃貸物件のリーシング・管理(5,000室)、売却(半年間で46物件)と入口から出口までの業務に従事。
現在は、「補助金を通じて、中小企業経営者の皆様を支えたい」という思いから、各種補助金の申請支援に注力している。
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はじめに
補助金制度の概要と重要性
補助金制度は、単なる資金援助にとどまらず、企業の飛躍的成長や経営変革を実現するための「国家戦略的ツール」と言えます。
中小企業にとっては、資金調達の選択肢が限られる中で、返済不要の補助金は極めて貴重な経営資源です。
新分野進出、省力化、設備更新、賃上げ対応といった重要施策を後押しすることで、自社単独では難しかった挑戦を可能にし、競争力を一段と引き上げるきっかけとなります。
また、補助金を申請するうえで、経営計画・事業計画を作成することで、自社の強みや目指すべき方向、目標とアクションプランが明確になり、金融機関や取引先からの信頼向上にもつながります。
補助金制度を上手に活用することで経営革新の鍵となり、今後の企業成長を大きく左右すると言っても過言ではありません。
なぜ「コンサルタント選び」がカギとなるのか
補助金の成功率を大きく左右するのが、「誰と一緒に申請準備を行うか」という点です。
採択可否のほとんどは、事業構想の精度と、それを補助金の審査基準に則して適切に構造化できているかにかかっています。
確かに採択・交付決定となれば良い結果といえますが、私は採択・交付決定とならなかったとしても補助金申請のプロセスを通じて、経営計画・事業計画書が作成されるため、進む方向と行わなければならないことを見える化できることが成果ではないかと考えています。
そのため、「コンサルタントをどう選ぶか」は、単なる書類代行ではなく、“未来の事業パートナー”を選ぶ行為であると思います。
大規模成長投資補助金とは?
目的と背景
「大規模成長投資補助金」は、日本政府が2025年に創設した新たな支援制度であり、中堅・中小企業が行う10億円以上の成長投資に対して最大50億円を補助する、極めて大型の支援施策です。
その最大の目的は、以下の3点を同時に実現することにあります。
- 省力化・自動化による生産性の向上
- 持続的な賃上げの実現
- 地域経済の供給力強化・波及効果の創出
この制度は、単なる設備更新支援ではなく、構造的な事業改革・拠点整備・抜本的な競争力強化を行う企業に対し、国が戦略的に資金支援を行うものです。
補助対象者と支援内容
本補助金の対象となるのは、以下の条件をすべて満たす中堅・中小企業です。
項目 | 内容 |
組織形態 | 法人格を有する事業者(会社法人・法人格のある組合など) |
従業員数 | 常時使用する従業員数が2,000人以下(単体ベース) |
投資額 | 原則10億円以上の成長投資(補助対象外の費用も含めて) |
賃上げ要件 | 補助事業の終了後3年間の対象事業に関わる従業員等1⼈当たり給与⽀給総額の年平均上昇率が、全国の過去3年間の最低賃⾦の年平均上昇率(4.5%)以上 |
補助金額・補助率の詳細
本補助金の上限額と補助率は以下のとおりです。
区分 | 内容 |
補助上限額 | 最大50億円 |
補助率 | 1/3以内 |
対象経費
本補助金の対象経費は以下のとおりです。ただし、補助対象外となる注意点が、公募要領には多数記載されています。実際に対象経費になるか否かについては、公募要領を熟読したうえで判断しなければなりません。
区分 | 対象となる経費 |
(1)建物費 | 専ら補助事業のために使⽤される事務所、⽣産施設、加⼯施設、販売施設、検査施設、共同作業場、倉庫その他成⻑投資計画の実施に不可⽋と認められる建物の建設、増築、改修、中古建物の取得に要する経費 |
(2)機械装置費 | ①専ら補助事業のために使⽤される機械装置、⼯具・器具(測定⼯具・検査⼯具等)の購⼊、製作、借⽤に要する経費②①と⼀体で⾏う、改良・修繕、据付け⼜は運搬に要する経費 |
(3)ソフトウェア費 | ①専ら補助事業のために使⽤される専⽤ソフトウェア・情報システム等の購⼊・構築、借⽤、クラウドサービス利⽤に要する経費②①と⼀体で⾏う、改良・修繕に要する経費 |
(4)外注費 | 補助事業遂⾏のために必要な加⼯や設計、検査等の⼀部を外注(請負・委託)する場合の経費 |
(5)専門家派遣費 | 本事業遂⾏のために依頼した専⾨家に⽀払われる経費 |
※(4)及び(5)の合計額は、(1)(3)の合計額未満となること
出典:大規模成長投資補助金 公募要領
公募スケジュールと準備の必要性
ここでは、第3次公募におけるスケジュールを紹介します。第3次の公募申請については終了していますが、次回の公募開始に備えて、本補助金の特徴を捉えながら準備の重要性を考えたいと思います。
大規模成長投資補助金は、「10億円以上の大規模投資」や「年平均4.5%以上の賃上げ」など、通常の補助金とは比べものにならない高いハードルが設定されています。
採択には、事業戦略・財務計画・人材体制のすべてが整っていることが求められ、単なる書類提出では通用しません。特に成長投資計画書では、売上・利益への波及効果を定量的に示し、地域経済への貢献や実行可能性も詳細に説明する必要があります。
そのため、公募開始前から社内の関係部署を巻き込み、緻密な準備と外部専門家の活用を進めることが、採択への最短ルートであると考えます。
ステージ | 時期 |
公募申請 | 令和7年3月10日~4月28日 |
プレゼン審査 | 6月上中旬 |
採択発表 | 6月下旬 |
交付申請 | 7月上中旬 |
交付審査 | 7月下旬 |
交付決定 | 9月中旬以降 |
難易度と必要書類
2025年の「大規模成長投資補助金」は、金額規模の大きさに比例し、他の補助金制度と比べて非常に高い申請難易度を誇ります。最大補助額は50億円、補助対象経費の下限は原則10億円(税抜)以上、さらに年平均4.5%以上の賃上げという極めて高い基準が設けられており、事実上、事業者の成長戦略全体を審査対象とするような性格を持っています。
採択率は?
第2次公募(2024年)時点での応募数・採択件数の実績は公表されていませんが、初回(第1次公募)では約100件の応募に対し、採択は20件未満であったと推定されており、採択率は15〜20%程度との見方が一般的です。これは、通常の「事業再構築補助金」や「ものづくり補助金」と比べても遥かに低く、書類の完成度や事業構想の質によって勝敗が明確に分かれる領域です。
必要書類(成長投資計画書の中身)
申請の中核となるのが「成長投資計画書」(様式1)です。これは単なる設備導入の説明資料ではなく、企業の中期成長戦略全体を“定量的・論理的・構造的”に表現するビジネスドキュメントです。
主な記載内容は以下の通りです
- 補助事業の背景と位置付け
- 事業の内容・設備投資の詳細
- 投資による効果(売上、利益、雇用への波及)
- 賃上げの実現プロセス
- リスクと対応策
- 実施スケジュール・体制
- 地域波及効果(地域未来牽引企業であれば加点)
とくに「効果」については、具体的なKPI(例:売上成長率◯%、付加価値額増加◯円など)を明示する必要があります。審査員は、この「数字の根拠」と「実現可能性」を精緻に読み取ります。
このため、単なる文章力やテンプレート使用では対応できない高度な経営設計力と財務モデリング力が求められます。外部の専門家、とりわけ「戦略構想・資金調達・補助金制度」の3領域に精通したコンサルタントの関与が、書類の質を左右する局面です。
その他にも提出しなければならない書類が多数ありますので、確認が必要です。ローカルベンチマークも必須提出書類となっています。ローカルベンチマークに関する説明については、下記リンクを参考になさってください。
補助金申請時に必要なローカルベンチマーク(ロカベン)とは? | ビジネス処方箋
提出時の注意点
- 電子申請は「gBizIDプライム」が必須。法人代表者が取得していない場合は即申請をしましょう。
- 交付決定前に契約・発注・支出した経費は補助対象外です。 申請中に設備商談が進んでいても、契約書や発注書は厳格に交付決定日以降に作成する必要があります。
- 成長投資計画書はPDF化して35ページ以内に収める制限があり、冗長な説明はマイナス評価につながる可能性があります。
その他、補助金の申請における注意点は沢山あります。毎回の公募要領をよく読んで、対応することが求められます。
コンサルタントを活用するべき理由
多くの経営者は、「補助金の申請くらい、自社でもやれるだろう」とお考えかもしれません。確かに、書類を整え、申請フォームに入力するだけなら、社内でも対応可能でしょう。
しかし、本補助金はそれほど単純なものではありません。単に事業内容を伝えるだけではなく、「なぜこの投資が成長につながるのか」「なぜこの会社に国が投資する価値があるのか」を、構造的・戦略的に説明する必要があります。
つまり、求められるのは“申請業務”ではなく、“経営戦略の提示”なのです。この段階で多くの企業がつまずきます。「時間をかけたが筋が通っていない」「資料が整っていても構想に深みがない」
そんな理由で不採択になるケースは決して少なくありません。
私たちは、単なる書類作成ではなく、事業の本質を言語化し、審査員が納得するストーリーに仕上げるお手伝いをしています。経営のパートナーとして伴走することで、申請を“作業”ではなく“成長機会”に変える。それが、私たちの支援の価値だと考えています。
コンサルタント選びで失敗しないために
よくある間違い
補助金申請において「誰と組むか」は、採択結果を大きく左右します。しかし、申請支援市場には実力差が激しく、よくある誤解がいくつか存在します。たとえば「経産省系出身」との肩書きだけで選ばれるコンサルタントには、実際に補助金採択を導いた経験や現場感覚がないケースも多々あります。看板に安心して任せた結果、テンプレ的な書類で不採択となる事例も後を絶ちません。
また、銀行や商工会議所経由の紹介コンサルに安易に依頼してしまう方も多いですが、紹介元が責任を取ってくれるわけではありません。「紹介=信頼」とは限らず、実績・支援体制・責任の所在を見極める必要があります。
さらに、「プレゼン対策だけ」「申請書の添削だけ」といったスポット的な支援では、根本的な戦略構築や社内調整が不足し、現場での実行体制が伴わずに失敗する危険があります。
確認すべきチェックポイント
補助金申請を成功させるには、単に「申請書が書ける」だけでは不十分です。必要なのは、「経営の全体像を設計できる力」×「採択に通る申請スキル」の両立です。
この点、私たち株式会社3Rマネジメントでは、単発支援ではなく、顧問契約という形で事前段階から社内体制の構築・事業計画の検討・財務戦略までを一貫支援しています。
補助金は書類審査だけでなく、「補助金の後にどんな成長を描けるか」が見られています。単なる申請代行ではそこまで踏み込めません。経営の深部に関与できる顧問として継続支援するからこそ、他社との差別化が図れるのです。
採択実績の有無に加え、「その後も支援できる体制があるか」「経営の話ができるか」を基準に、コンサルタントを選ぶことを強くお勧めします。
コンサルティング費用と相場
大規模成長投資補助金のような高難度案件では、コンサルタントの関与が必要不可欠になる一方で、「いくらかかるのか」「どこまでが適正か」といった費用面が気になる経営者も多いはずです。一般的には、成功報酬型と着手金+成功報酬併用型の2つが主流です。
成功報酬型の場合、採択金額の5〜10%が目安とされており、たとえば補助金1億円の場合で300万〜500万円、上限700万円程度が妥当といえます。また、着手金は100万円〜150万円程度が一般的ですが、書類作成や事前調査の範囲によって変動します。
適正価格かどうかを見極めるには、「単に書類を整えるだけでなく、事業構想そのものにどれだけ踏み込んでいるか」が重要です。たとえば、「書類一次通過で100万円」「採択時にさらに数百万円」といった段階的報酬設定を採る事務所は、支援工程が明確で信頼性が高い傾向があります。
金額よりも「どこまで寄り添ってくれるか」を軸に判断することが、失敗しないパートナー選びのコツです。
支援内容の詳細と範囲
補助金申請の成否は「書類の完成度」だけでなく、「構想力」「現場実行力」「審査対応力」によって決まります。表面だけの支援で採択を勝ち取ることは極めて困難です。株式会社3Rマネジメントでは、書類作成はもちろん、面談対策やプレゼンリハーサル、想定問答支援まで徹底的にサポートします。
とくに本補助金では、採択後のフォロー体制が重要です。補助対象経費の管理や交付申請、実績報告に至るまで、実務負担は想像以上です。
そのため、単発の申請支援よりも、「顧問契約」として長期的に寄り添う体制が現実的です。
私たちは、企業の成長投資を“補助金申請”にとどめず、“経営の転換点”として捉えています。
だからこそ、計画づくりから資金管理、人材戦略まで含めて支援できる顧問契約が、企業の本当の力になると考えています。申請は“点”でなく“線”の戦略として取り組むべきなのです。
コンサルタントを選ぶ前にやっておくべきこと
「まずは公募が始まってから考える」という姿勢では、本補助金のような高難度制度に対応するのは困難です。なぜなら、申請の成否は“書類の質”ではなく、“準備の深さ”で決まるからです。
コンサルタントに依頼する前に、まず経営者自身がやっておくべきことがいくつかあります。
まず一つ目は、社内体制の整理です。財務、人事、技術、現場など、関係部門を早期に巻き込むことで、後の情報収集や意思決定が格段にスムーズになります。「社長だけが知っている構想」では書類に深みが出ません。現場のリアルな課題を、部門横断で共有することが出発点です。
次に、公募開始前の情報収集と初期相談です。制度やルールは年度ごとや各回により細かく変化しており、過去の成功事例がそのまま通用するとは限りません。信頼できる専門家に早めに相談することで、「何を整え、どこまで準備すべきか」が明確になります。
私たち株式会社3Rマネジメントでは、顧問契約を通じて、制度の前後を見据えた長期的な成長戦略の設計支援を行うことができます。
補助金はあくまで“成長の手段”
本気で企業を変えたい経営者こそ、早い段階からの対話が大きな成果を生み出します。
補助金申請の成否は“誰と組むか”で決まる
大規模成長投資補助金は、単なる資金援助ではなく、企業の「未来戦略」に国が投資する制度です。その性格上、書類作成や要件整理だけでは不十分であり、事業の核心に踏み込んだ支援が求められます。
だからこそ、「誰に相談するか」が成功のカギなのです。
私たち株式会社3Rマネジメントは、単なる申請支援ではなく、「経営の変革」を実現するための伴走型支援を重視しています。これまで数多くの企業支援に携わり、補助金申請はもちろんのこと、財務・人材・事業計画にわたる一貫した経営支援を行ってきました。
大規模成長投資補助金のような高難易度制度こそ、単発支援ではなく、顧問契約による継続的な連携が最も効果を発揮します。
申請に必要な情報収集や社内体制の整理、事業構想のブラッシュアップまで、早期から支援できる体制が整っているかどうかが、採択結果を左右するのです。
最後に、補助金コンサルタントを選ぶ際のガイドとして、次の3点を強調しておきます。
- 実績よりも「誰と、どこまで伴走してくれるか」を見極める
- 書類作成だけでなく、事業構想や戦略構築に強いかを確認する
- 採択後の経費管理・報告まで責任を持って支援する体制があるか
「成長のための投資」は、信頼できるパートナーとの連携でこそ真の成果が得られます。
顧問契約という形での支援をご検討いただければ、きっと貴社の力になると確信しています。
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