省人化・省力化補助金とは?補助金の活用方法を紹介!

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花村 大祐
中小企業診断士

大卒後、工作機械メーカーに勤務し、主に金属加工業を営む中小企業への法人営業に従事。フィールドセールス・マーケティング・プロモーションと幅広いセールス活動を経験。

中小企業診断士登録後は、補助金申請支援をきっかけに、ベンチャー企業の融資獲得のための事業計画策定、営業力向上・WEBマーケティング支援、組織構築、新規店の立ち上げ等の全般的な経営支援に従事。ご縁を大切にする経営支援を目指す。

目次

中小企業省人化・省力化投資補助金とは?

省人化・省力化投資補助金とは、令和5年度補正予算にて発表されている補助金になります。物価高騰や人手不足への対応を事業目的としており、事業規模の拡大を目指した設備投資に対する補助金となります。

中小企業から小規模企業まで幅広く活用でき、取得できる補助額は小規模事業者持続化補助金と比べても高額となり、より大きな設備投資・システム導入に活用することが可能です。

中小企業省人化・省力化投資補助金の事業内容と事業スキーム

本補助金に関して、公表されている経済産業省の資料から抜粋して解説します。

2024年2月23日時点で公表されている概要は以下の通りです。

経済産業省「令和5年度補正予算の概要」

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省人化・省力化投資補助金の目的とは

事業目的としては、中堅・中小企業を対象として、IoT・ロボットを活用した人手不足等の課題への対応を促し成長していくための大規模投資を後押しし、持続的な賃上げの実現を目指していることが読み解けます。

目的から読み解ける補助金の性格として以下のものが想定されます。

  • 成長を意識する中堅・中小企業を意識している企業向けの補助金であること。
  • 人手不足に着目した補助金であること。
  • 「ものづくり補助金」「事業再構築補助金」「IT導入補助金」等々、企業支援に活用できる補助金であること。

省人化と省力化の違いは?

まず省人化と省力化の言葉が持つ意味の違いから、本補助事業の活用法について考察していきます。

省人化と省力化は、どちらも「業務効率化」との関連が強いキーワードになります。業務効率化や仕事の無駄の削減、生産性の向上といった目的を含んでおり、アプローチ方法や施策にも共通点があります。

両者の大きな違いとして、省人化は目的の中に人員削減があることがあげられます。そのため、省人化の場合には具体的な効果として、コスト削減にあたる人件費の削減が含まれることになります。

省人化・省力化投資補助金は人手不足がテーマとして掲げられていますが、現場の人手不足を解消するために、現在の作業を省人化・省力化することで、そもそも作業自体に必要となる人の数を減らそうという取り組みと合致するものと考えられます。

以上の考察から、本補助事業の活用方法は人手不足への対抗策として、そもそも人が介在する仕事や作業自体を減らす(省力化)することで、結果として仕事全体に係る人の手を減らす(省人化)ことが求められています。そうした効果をもたらす設備投資やシステム導入に対して補助が出されることになると推測します。

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省人化省力化投資補助金の支援内容は?

事業目的にも記載されている通り、IoT・ロボットを活用した人手不足等の課題への対応を促し、持続的な賃上げの実現を目指しております。また、成果目標として、付加価値額の増加も掲げられており、賃上げを強く意識していることが読み解けます。

予想される支援内容としては、認定された製品が掲載されているカタログ(カタログについては後述します)より選択した製品の購入金額を含めた、「人手不足解消・賃上げを目指す事業に関連する経費」の一部が補助されると考えられます。

省人化省力化投資補助金の対象事業者と対象設備は?

対象となる事業者は、5人以下の小規模事業者から21人以上の中小・中堅企業となっており、幅広い事業者が対象となります。

対象設備は、事前に認定を受けた製品群から構成されるカタログから選定することとなります。事業目的にもあるようにIoT・ロボットの活用が掲げられていることから、人手不足の解決に活用できる設備投資に限定されることとなりますが、幅広い製品・システムが該当することが予想されます。

中小企業省人化投資補助金の補助金額

補助上限は従業員の人数に応じて設定が設けられております。補助率は1/2となります。賃上げ要件を達成した場合には補助上限額が引き上げとなります。下記に一覧化します。

従業員数補助上限額補助上限額(賃上げ要件達成)補助率
5人以下200万円300万円1/2
6人~20人500万円750万円1/2
21人以上1000万円1500万円1/2

<補助金額の計算事例>

従業員数6人~20人の企業が経費総額1,000万円の場合、1,000×1/2~500万となり、500万円が補助される金額となります。

成果目標として、「付加価値額の増加、従業員1人当たりの付加価値額の増加を目指す」が掲げられており、こちらを要件として満たすことが必須となります。

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省力化投資補助枠(カタログ型)の概要

2024年2月23日時点で公表されている補正予算の事業概要(PR資料)のなかには、補助枠・申請類型として「省力化投資補助枠(カタログ型)」と記載があります。

実際に申請を行う際は、IoTやロボット等の人手不足解消に効果的である製品が掲載された「カタログ」から導入製品を選定することになります。製品としては汎用製品となるため、特注仕様の製品は対象から外れる可能性があります。

現状、カタログ自体がまだ公表されていません。今後、カタログに掲載される製品の認定や登録方法についての方法が公表され、認定された製品情報が公募開始時に公表されるものと予想されます。

最新情報が発表された時点で、情報を更新します。

省力化投資補助金の対象経費・業種別予想を紹介

ここからは、2024年2月23日時点で公表されている情報から推測される、対象経費となる製品・カタログの内容を業種別に予想し説明します。

以下に記載されている対象経費・製品が必ず補助対象となる保証はございませんので、予めご留意ください。

製造業の省力化投資補助金対象経費・業種別予想

製造業においては、工場内の個々の作業現場や生産ライン全体を効率化するためのIoTやロボットがあり、それらの導入によって生産性を向上させ、一人当たりの付加価値を向上させる取り組みが考えられます。製造の現場では紙ベースでモノや情報が伝達されているケースもあり、人の作業を減らす、チェックを自動化するようなシステムの導入も取り組みとして考えられます。

事例としては、製造工程自体を人から機械へと置き換える自動化設備や、重い製品を無人で安全に搬送する無人搬送装置、複数の工程を一手に集約できる産業用ロボットの導入や、紙ベースの資料や管理方法をオンライン上で完結させる製造現場管理システムの導入などがあげられます。

省人化・省力化に寄与することが予想される製品については、対象経費として認定されカタログへ掲載される可能性が高いと考えられます。

具体的な製品としては、以下のようなものが想定されます。

  • 産業用ロボット
  • 自動化装置
  • 無人搬送装置(AGV)
  • 出荷・受入・在庫・棚卸・ピッキング管理システム

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飲食業の省力化投資補助金対象経費・業種別予想

飲食業においては、店舗内のオペレーションを効率化させるための設備投資が想定されます。

事例としては、自動清掃ロボットや自動配膳ロボットがあげられます。これら設備の導入により、個々の作業を効率化することで、仕事全体の効率化を実現し省力化を目指すこととなります。

また、人が介在しない作業を構築することで、人手不足の懸念を緩和することができます。

さらに、付加価値の低い業務から付加価値の高い業務へとシフトすることで、人的な資源を創出することにもつながり、事業拡大を目指したより付加価値の高い重要な業務へ従業員を集中させることも可能になります。

具体的な製品としては、以下のようなものが想定されます。

  • 自動清掃ロボット
  • 自動配膳ロボット
  • 自動調理ロボット
  • 予約・受付管理システム
  • デジタル・モバイルオーダーシステム

建設業の省力化投資補助金対象経費・業種別予想

建設業においては、現場作業の業務効率化が求められております。また、危険な作業を機械化することも重要な観点となっております。

事例としては、高層ビルや橋脚の測量・点検・メンテナンス分野での導入が進んでいるドローンがあげられます。導入における効果としては、従来の作業の効率化もあげられますし、必要となる人員の削減もあげられます。省人化・省力化を目指した取り組みと言えます。他にも、資材を無人で搬送する無人運搬ロボットや、溶接・塗料の吹き付けロボットなど、実際の建設現場に入り、人の作業を代替する、または人と協働で作業し、業務を効率化させるような設備投資が想定されます。

具体的な製品としては、以下のようなものが想定されます。

  • ドローン
  • 無人資材運搬ロボット・資材搬送装置
  • 溶接ロボット
  • 塗料吹き付けロボット

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介護業の省力化投資補助金対象経費・業種別予想

介護業においては、介護現場に寄り添った設備やシステムの導入が必要となります。

事例としては、介護支援ロボットの導入や介護者の状態を管理するシステムの導入などがあげられます。現場の作業を効率化するとともに、省人化を目的とした、作業の代替も進めていく必要があります。

また、人がチェック・管理している業務を効率化・削減するために、IoT/AIを活用したシステムの導入が求められています。

具体的な製品としては、以下のようなものが想定されます。

  • 介護支援/福祉ロボット・ヒューマノイドロボット
  • 介護者の状態を管理する記録システム
  • 介護者の行動を管理するモニタリングシステム
  • ケア用品の在庫管理システム

農業の省力化投資補助金対象経費・業種別予想

農業においては、高齢化や従業者数の現象による人手不足が顕著な状況と、労力を必要とする業務が多いことから、業務効率化と省人化・省力化が求められております。

事例としては、無人トラクターや自動走行するコンバインの導入など、人が直接操作せずとも農作業を実施できるような設備の導入があげられます。また、畑やハウス内の温度管理や農作物の生育状況をセンサーやモニターによって監視・把握し、遠隔での操作を可能とするシステムの導入もあげられます。

設備・システムの導入と活用によって、業務を効率化するだけでなく、特定のスキルや能力に依存したスキルを可視化することで担い手不足に対応することも可能になります。

具体的な製品としては、以下のようなものが想定されます。

  • 無人・自動農業用機械の導入
  • 畑やハウスのモニタリングシステム
  • 水田の遠隔制御システム

運送業の省力化投資補助金対象経費・業種別予想

運送業においては、物流や倉庫内での手作業の多さがあります。近年のインターネット通販の需要増、小口階層の増加など物流量自体の増大も受けて、多くの人手が必要となっていることもあります。トラックドライバーの慢性的な不足など、人手不足が業界全体の課題として捉えられています。これに対して、倉庫内の積み下ろし等では運搬を専門としたロボットの活用が進んでおります。

具体的な製品としては、以下のようなものが想定されます。

  • 商品データの読み取りシステム(RFID)と仕分けシステム
  • 倉庫管理システム(WMS):受発注・在庫・棚卸管理からピッキング・出荷作業までの統合管理システム
  • IoT/AIが搭載された運搬支援ロボット:棚卸ロボットや仕分けロボット
  • IoT/AIを活用したトラックの自動配車計画システム:IoT機器搭載型トラック

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中小企業省力化投資補助金の公募スケジュール

2024年2月23日時点で公募要領・スケジュールについては公表されておりません。

公表され次第、最新の情報へと更新します。

中小企業省力化投資補助金の活用ポイント

本補助金は以下のような特徴のある補助事業です。

  • Iot・ロボット等を活用して人手不足解消に着目した補助金です。
  • 他の補助金と比較して、大きな金額の取得が可能な補助金です。
  • 従業員数に応じて、幅広い中小・小規模事業者まで活用できる補助金です。

中小企業・小規模企業を中心に幅広く活用された「小規模事業者持続化補助金」と比較して、大きな補助金の取得が可能となります。

持続化補助金は通常枠で50万、それ以外の枠を活用して200万円までとなっており、取得できる金額には大きな開きがあります。

それに対して、省人化・省力化補助金は最大で1500万円までの補助が受けられるため、より大きな設備投資事業に活用することが可能となります。

導入したい設備が省人化省力化補助金に当てはまらない、特注設備の導入を検討しているなど、これらの悩みを持たれている場合は、別の記事で紹介しているものづくり補助金の省力化(オーダーメイド)枠も参考にしてください。

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補助金の相談・支援は3Rマネジメントへ

当社は、中小企業支援に関する知識や経験があると国が認定した「認定経営革新等支援機関」に登録していますので、安心して補助金申請をお任せいただけます。

当社のサポート内容と依頼するメリットを以下にまとめましたので、支援先検討の参考になさってください。

H3.Rマネジメントのサポート内容

当社では、以下のとおりサポートを行っています。

 ・初回面談(オンライン)による相談受付

 ・申請書類の確認

 ・経営計画書などの申請書類の作成支援

 ・電子申請システムの入力支援

 ・採択後の交付申請支援

 ・交付決定後の遂行状況報告支援

 ・補助事業完了後の実績報告支援

当社では中小企業の事業再生に特化して支援をしてきましたので、補助金申請後においても、伴走型の経営改革・改善支援、融資や資金繰り、銀行対応等は特に強みが発揮できるところです。

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3Rマネジメントへ相談・依頼するメリット

当社に相談・依頼するメリットを主に3つ紹介します。

・書類作成や申請の手間が減る

・採択決定後から実績報告まで支援がある

・採択される可能性が高くなる

 

補助金は、交付申請に多大な労力がかかりますので、当社では書類作成や電子申請システムの入力支援を行っていますので、手間が減り、本業に時間を費やすことができます。

また、採択されて補助事業実施後の実績報告においても相当な手間がかかります。そこで当社では、採択決定後の実績報告までの支援サービスを行っておりますので、安心してお任せいただけます。

なお、当社では、弁護士や税理士、社会保険労務士などの他仕業の方々や、製造業や飲食業、流通業などの会社員として実務を経験された中小企業診断士の専門家が多数在籍しています。

そのため、あらゆる業種の補助金申請においても、知見が備わっていることから高い採択率を保持できています。

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補助金まとめ

2024年2月23日時点における省人化・省力化投資補助金の最新情報を解説しました。

補助金は、申請するための準備や経営計画書など漏れなく書類を用意して、沢山の書類を書くため、多くの企業が専門家に支援を依頼して補助金の申請を行っています。

自社のみで採択されるためには、多くの時間と労力を割くことになりますし、競争相手も沢山いるため、採択は簡単なことではありません。

そのため、補助金の申請は、自社のみで行おうとせずに、専門家による申請代行や申請サポートを活用することをおすすめします。

当社3Rマネジメントでは、補助金の申請支援に注力しており、豊富なサポート実績や高い採択率を誇っております。

補助金の申請代行やサポートを活用したいと思われた際には、3Rマネジメントまでお気軽にご相談ください。

補助金に関する初回のご相談は、無料でお受けしています。

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執筆者

中小企業診断士

大卒後、工作機械メーカーに勤務し、主に金属加工業を営む中小企業への法人営業に従事。フィールドセールス・マーケティング・プロモーションと幅広いセールス活動を経験。

中小企業診断士登録後は、補助金申請支援をきっかけに、ベンチャー企業の融資獲得のための事業計画策定、営業力向上・WEBマーケティング支援、組織構築、新規店の立ち上げ等の全般的な経営支援に従事。ご縁を大切にする経営支援を目指しております。

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