財務コンサルタントの年収は?財務コンサルタントで独立するには
菅野 翔
中小企業診断士
中小企業診断士
大学卒業後、ライター、映像編集、会計コンサルなどを経てIoTスタートアップ企業に創業メンバーとして参加。アパレル、飲食等の名だたる大手メーカーから新規受注し、IoTにより顧客の集客チャネルを拡大。
創業メンバーとして参画した経験から、何もないところから会社を運営していく大変さを実感し、同じような悩みを持つ経営者を助ける想いで中小企業の経営者に帆走する。
財務コンサルタントとしてのキャリアを目指す方にとって、年収は大きな関心事の一つです。本記事では、正社員として働く財務コンサルタントの平均年収や、独立後の年収の違い。さらに年収を上げるためのポイントについて詳しく解説します。
財務コンサルタントの正社員の年収は?
財務コンサルタントとしての年収については、統計として正確な数字が出ているわけではありませんが、求人情報などから推測することは可能です。
正社員の財務コンサルタントの求人は、主にコンサルティング会社、会計事務所、税理士法人などで募集されています。一般的な会社員の平均年収(481万円)と比べると、財務コンサルタントの年収は高めの傾向があります。例えば、求人サイトでは以下のような年収で募集されていました。
財務コンサルタント(求人) | 年収 |
---|---|
税理士法人 | 500万円~800万円 |
コンサルティングファーム | 550万円~700万円 |
金融機関 | 750万円~1,000万円 |
財務コンサルタントの独立後の年収は?
正社員で財務コンサルタントとして働く場合の年収が正社員全体の平均年収よりも高いことはわかりましたが、財務コンサルタントとして独立した場合はどうでしょうか。
こちらも統計はありませんが、財務コンサルタントの顧問料の相場が1件あたり20万円~50万円程度※、スポットの案件や成功報酬型の案件なども加味すると、本業として独立して財務コンサルタントを行っている人は、年収が1,000万円を超えている可能性が高いです。
※参考:比較ビズ
ただし、うまくいかずに会社員に戻る人など、全員が成功するわけではありませんので、独立にはそれなりのリスクがあります。
財務コンサルタントとして成功するには?
では、財務コンサルタントとして成功し、年収を上げるには、どのような能力があればよいのでしょうか。
財務コンサルタントは企業のパートナーとして、資金調達、財務分析、資金繰りや利益率の改善といった重要な役割を担っています。
1. 資金調達の支援
企業が成長するためには、事業資金の確保が不可欠です。しかし、適切な資金調達手段を選択し、円滑に調達を進めるのは簡単ではありません。財務コンサルタントは、以下の方法で企業の資金調達を支援します。
- 最適な資金調達方法の提案
銀行融資、社債発行、エクイティファイナンス、クラウドファンディングなど、企業の状況に最適な手段を検討して提案。 - 融資交渉のサポート
銀行や投資家との交渉を支援し、条件の調整や必要な書類作成を支援します。 - 資金調達計画の策定
資金調達の目的、スケジュール、リスク管理を含む計画を作成し、実行を支援します。
これらの支援を通じて、企業が必要な資金を確保し、事業の拡大や運営を円滑に進めることが可能になります。
2. 財務分析の重要性
財務分析は、企業の健康状態を把握し、経営判断を行うための基盤となります。財務コンサルタントは、財務データを詳細に分析し、次のような情報を提供します。
- 収益性の評価
売上高や利益率、成長性などの分析を通じて、事業の収益性を評価します。 - 資産活用の最適化
資産や負債の活用状況から無駄を特定し、業務プロセスや資金運用の改善点を明らかにします。 - 財務リスクの特定
資金繰りや負債比率を検討し、将来的なリスクを予測します。
これらの分析結果を基に、クライアントにとって実行可能な改善策を提案します。
3. 資金繰りと利益率の改善
企業の経営を安定させるためには、日々の資金繰りの管理と利益率の向上が欠かせません。財務コンサルタントは、以下のような具体的な支援を行います。
- 資金繰りの最適化
入金と支出のタイミングを調整し、キャッシュフローを安定化させます。 - 利益率改善の提案
原価管理や価格戦略の見直しを通じて、収益性を向上させる施策を提供します。 - コスト削減支援
固定費や変動費の削減策を提案し、利益率の向上を図ります。
これらの取り組みによって、企業は経営の安定性を確保し、成長への基盤を築くことができます。
財務コンサルタントとして独立するにはどんな準備が必要?
財務コンサルタントとして独立することは、多くのプロフェッショナルにとって魅力的なキャリアの選択肢です。自分自身の専門知識を活かし、自由な働き方を実現しながら、クライアントに直接価値を提供することができます。しかし、独立には準備と戦略が必要です。本記事では、財務コンサルタントが独立するために必要なポイントを解説します。
1. 専門分野を明確にする
独立する前に、自分がどの分野で専門性を発揮できるのかを明確にすることが重要です。財務コンサルタントの分野には以下のようなものがあります。
- 資金調達:融資や投資のサポート。
- 財務戦略:中長期的な経営計画の策定。
- キャッシュフロー管理:資金繰りの改善。
- コスト削減:経費削減や利益率向上の提案。
自分の得意分野を特定し、それを軸にサービスを構築することで、クライアントにとって明確な価値を提供できます。
2. 必要なスキルと資格を確認する
独立するためには、専門知識だけでなく、事業運営のノウハウや営業スキルが不可欠です。さらに、顧客や取引先からの信頼を得るために、関連する資格を取得しておくことが有効です。以下の資格や知識は、独立後の業務に役立ちます。
- 中小企業診断士
経営戦略、財務管理、マーケティング、人事労務など、企業経営全般に関する知識を体系的に持っていることを証明する資格。コンサルタント業務や経営支援を行う際に強みとなる。 - 税理士や公認会計士の資格
企業の財務状況の分析、税務申告、会計監査などを行う専門知識を有することを示す資格。 - ファイナンシャルプランナー(FP)資格
資産運用、税制、年金、保険、不動産、相続などに関する幅広い知識を有し、個人や中小企業向けの資産形成・資産管理の提案に活かせる資格。ライフプラン設計のアドバイスにも役立つ。 - 保険営業の知識など
生命保険・損害保険などの仕組みを理解し、企業や個人のリスクマネジメントに適した提案ができるスキル。経営者や個人事業主向けのリスク対策や資産保全のアドバイスに活用可能。
これらの知識や資格を活かすことで、より専門性の高いサービスを提供し、顧客の信頼を獲得しやすくなります。
詳しくは財務コンサルタント養成講座のHPでも解説していますのでご確認ください。
3. クライアント基盤の構築
独立後の成功には、安定したクライアント基盤が不可欠です。以下の方法でクライアントを獲得しましょう。
- ネットワーキング:業界イベントや勉強会に参加して人脈を広げる。
- Webマーケティング:Web広告やSNSを活用してサービスを発信する。
- 既存のつながりを活用:前職で築いた関係を活かし、紹介やリピートを狙う。
初期段階では、無料のセミナーや相談会を開催し、信頼を築くことも効果的です。
4. ビジネスモデルと料金設定
財務コンサルタントとして独立する際には、明確なビジネスモデルと料金体系を設計することが不可欠です。どのようなクライアント層をターゲットにするか、提供するサービスの範囲をどこまでとするかによって、最適な料金モデルは異なります。
プロジェクトベース(単発契約)
特定の課題に対して、一定の期間・範囲でコンサルティングを提供し、プロジェクトごとに料金を設定するモデルです。例えば、以下のような案件に適用されます。
- 資金調達支援: 事業計画書作成や融資申請サポート
- 財務分析・改善提案: キャッシュフロー改善やコスト削減策の提案
- M&A支援: 財務デューデリジェンスや企業価値算定
月額契約(リテイナーモデル)
企業と長期的な関係を構築し、継続的なサポートを行うモデルです。主に以下のようなサービスに適用されます。
- CFO代行サービス: 財務戦略の立案・管理を支援
- 月次財務モニタリング: 財務分析やキャッシュフロー管理
- 経営アドバイス: 資金調達・投資計画のサポート
成功報酬型(パフォーマンスベース)
クライアントが達成した成果に応じて報酬を受け取るモデルです。具体的には以下のような形で適用されます。
- 資金調達支援: 獲得した融資額や投資額の一定割合を報酬に
- コスト削減コンサルティング: 削減額に応じた報酬設定
- 利益改善コンサルティング: 目標利益超過分の一部を成功報酬に
5. 成功の鍵は信頼と実績
独立後の成功を左右するのは、クライアントとの信頼関係と実績です。クライアントに対して誠実に対応し、成果を出し続けることで、口コミや紹介が増え、事業が安定します。
また、成功事例やクライアントの声を積極的に発信することで、新規クライアントの獲得にもつながります。
財務コンサルタントの年収は?財務コンサルタントで独立するにはのまとめ
まとめ財務コンサルタントは、企業の資金調達、財務分析、資金繰りの改善など、経営において重要な役割を担う職業です。正社員としての年収は比較的高く、独立すれば1,000万円以上を目指すことも可能ですが、成功には専門知識や営業力、顧客との信頼関係の構築が欠かせません。
独立を目指す場合、以下のポイントを押さえて準備を進めることが重要です。
- 専門分野の明確化
資金調達、財務戦略、キャッシュフロー管理など、自分の強みを活かす分野を特定する。 - 必要なスキルと資格の習得
中小企業診断士、税理士、公認会計士、FPなどの資格が有利。 - クライアント基盤の構築
ネットワーキングやWebマーケティングを活用し、継続的な顧客獲得を目指す。 - ビジネスモデルと料金設定
プロジェクトベース、月額契約、成功報酬型など、適切な報酬体系を検討。 - 信頼と実績の積み重ね
成果を出し続け、口コミや紹介を増やして安定した事業基盤を作る。
財務コンサルタントとしてのキャリアを本格的に考えている方は、まずは基礎知識をしっかりと身につけることが大切です。
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