【2025年2月最新情報】ものづくり補助金の概要と採択率を徹底解説|公募スケジュールや成功のコツも紹介

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菅野 翔
中小企業診断士

中小企業診断士

大学卒業後、ライター、映像編集、会計コンサルなどを経てIoTスタートアップ企業に創業メンバーとして参加。アパレル、飲食等の名だたる大手メーカーから新規受注し、IoTにより顧客の集客チャネルを拡大。

創業メンバーとして参画した経験から、何もないところから会社を運営していく大変さを実感し、同じような悩みを持つ経営者を助ける想いで中小企業の経営者に帆走する。

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2025年1月に最新のものづくり補助金情報が公開されました。

ものづくり補助金の通常枠の上限は最大3,500万円(グローバル枠は最大4,000万円)。
また、補助金の範囲内で得た収益を返納する「収益納付」は不要であることが明確に記されています。

この補助金は、中小企業や小規模事業者が新製品や新サービスの開発、設備投資を行う際に大きな助けとなる制度です。今回の記事では、2025年度19次ものづくり補助金の概要、最近の変更点、公募プロセス、そして採択率の動向を詳しく解説します。ものづくり補助金を最大限に活用したいと考える事業者の方は、ぜひ最後までご覧ください!

2025年、令和6年度、ものづくり補助金のパンフレット。ものづくり補助金の概要と採択率を徹底解説|公募スケジュールや成功のコツも紹介
中小企業庁:ものづくり補助金のパンフレットより
2025年、令和6年度、ものづくり補助金のパンフレットの裏面。ものづくり補助金の概要と採択率を徹底解説|公募スケジュールや成功のコツも紹介
中小企業庁:ものづくり補助金のパンフレットより

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目次

2025年度19次ものづくり補助金の主な変更点

令和7年度のものづくり補助金では、いくつかの重要な変更が行われました。

  • 現在の賃上げ状況を踏まえて、補助金の申請に必要な基本要件が見直されています
  • 中小企業の規模に応じた投資ニーズに対応するため、補助金の上限額が従業員数ごとの区分に基づいて再設定され、一部の上限額が拡充されました
  • 力強い賃上げを実現する中小企業の取り組みを支援し、賃上げが進みやすい環境を整備するために、新たに「最低賃金引き上げ特例措置」が設けられています。

2025年のものづくり補助金の基本要件

2025年度19次ものづくり補助金の基本要件として下記の要件があります。

以下の要件を全て満たす3~5年の事業計画書の策定及び実行

  1. 付加価値額の年平均成長率+3.0%以上増加
  2. 1人あたり給与支給総額の年平均成長率が事業実施都道府県における最低賃金の直近5年間の年平均成長率以上又は給与支給総額の年平均成長率+2.0%以上増加
  3. 事業所内最低賃金が事業実施都道府県における最低賃金+30円以上の水準
  4. 次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を公表
    (従業員21名以上の場合のみ) ※最低賃金引上げ特例適用事業者の場合、基本要件は1、2、4のみとする。

3~5年の事業計画に基づいて事業を進める必要があり、毎年その進捗状況を報告する義務があります。
また、事業の成果がチェックされます。もし、基本的な条件が達成できなかった場合は、補助金を返還する必要があります。

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2025年19次ものづくり補助金の概要

19次ものづくり補助金では、下記の2枠が設けられています。
海外市場開拓でない限り、「1.製品・サービス高付加価値化枠」が該当します。

  1. 製品・サービス高付加価値化枠
    革新的な新製品・新サービス開発による高付加価値化を狙うための投資。
    (例)最新複合加工機を導入し、これまではできなかっ た精密加工が可能になり、より付加価値の高い新 製品を開発
  2. グローバル枠
    海外事業の実施による国内の生産性向上外展示会への出展や新製造機械の導入に向けた投資。
    (例)海外市場獲得のため、新たな製造機械を導入し新 製品の開発を行うとともに、海外展示会に出展

補助金額

ものづくり補助金の上限額は2つの申請枠によって異なります。

  1. 製品・サービス高付加価値化枠
    • 5人以下 750万円(850万円)
    • 6~20人 1,000万円(1,250万円)
    • 21~50人 1,500万円(2,500万円)
    • 51人以上 2,500万円(3,500万円)
  2. グローバル枠
    • 3,000万円(3,100万円~4,000万円)

特例措置

大幅賃上げを行う企業は、特例措置として補助上限額が追加で100~1,000万円増額されます。
(補助金のカッコ内の金額は特例適用後の上限額を指します)
ただし、この特例は以下のどちらの条件を満たさない場合、補助金の返還が必要となります。

・給与支給総額の年平均成長率が+6.0%以上であること
・事業所内の最低賃金が、事業実施都道府県の最低賃金より50円以上高い水準であること

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補助対象経費

ものづくり補助金の対象経費は下記の通りです。

  • 機械装置・システム構築費(必須)
  • 技術導入費
  • 専門家経費
  • 運搬費
  • クラウドサービス利用費
  • 原材料費
  • 外注費
  • 知的財産権等関連経費
  • <下記はグローバル枠のみ>
    • 海外旅費
    • 通訳・翻訳費
    • 広告宣伝・販売促進費

補助率

ものづくり補助金の補助率は下記の通りです。

  1. 製品・サービス高付加価値化枠
    • 中小企業:1/2
    • 小規模事業者・再生事業者:2/3
  2. グローバル枠
    • 中小企業:1/2
    • 小規模事業者:2/3

特例措置

中小企業向けに最低賃金引上げ特例が適用される場合、補助率が2/3に引き上げられます。
(ただし小規模事業者や再生事業者は対象外です)
この特例を受けるには、次の条件を満たす必要があります

指定された一定期間(3か月以上)において、地域別最低賃金+50円以内の給与で雇用されている従業員が、全従業員の30%以上であること

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ものづくり補助金公募の採択率は?

第1回から直近の第18次までの応募件数、採択件数及び採択率を調査しました。

製品・サービス高付加価値化枠(一般枠)の採択率推移

採択率は第1次の62.5%から第4次の31.2%まで急低下しました。その後、第5次から第13次では50~60%台と安定して推移しています。しかし、第17次では29.4%と最低水準を記録し、最近では再び低下傾向が見られます。

締切回採択発表日申請者数採択者数採択率
1次2020年4月28日2,2871,42962.5%
2次2020年6月30日5,7213,26757.1%
3次2020年9月25日6,9232,63738.1%
4次〔一般型〕2021年2月18日10,0413,13231.2%
5次〔一般型〕2021年3月31日5,1392,29144.6%
6次〔一般型〕2021年6月29日4,8752,32647.7%
7次〔一般型〕2021年9月27日5,4142,72950.4%
8次〔一般型〕2022年1月12日4,5842,75360.1%
9次〔一般型〕2022年3月25日3,5522,22362.6%
10次〔一般型〕2022年7月15日4,2242,58461.2%
11次〔一般型〕2022年10月20日4,6682,78659.7%
12次〔一般型〕2022年12月16日3,2001,88558.9%
13次〔一般型〕2023年2月20日3,2611,90358.4%
14次2023年6月23日4,8652,47050.8%
15次2023年9月29日5,6942,86150.2%
16次2024年1月19日5,6082,73848.8%
17次2024年5月20日62918529.4%
18次2024年6月25日5,7772,07035.8%

グローバル枠の採択率推移

グローバル枠の採択率は、第4次の17.0%からスタートし、第7次以降は40%台で安定しています。一般枠と比較すると応募件数が少ないため、厳選された事業計画のみが採択されていると考えられます。

締切回採択発表日申請者数採択者数採択率
4次
〔グローバル展開型〕
2021年2月18日2714617.0%
5次
〔グローバル展開型〕
2021年3月31日1604628.7%
6次
〔グローバル展開型〕
2021年6月29日1053634.3%
7次
〔グローバル展開型〕
2021年9月27日933941.9%
8次
〔グローバル展開型〕
2022年1月12日692739.1%
9次
〔グローバル展開型〕
2022年3月25日612439.3%
10次
〔グローバル展開型〕
2022年7月15日702840.0%
11次
〔グローバル展開型〕
2022年10月20日763140.8%
12次
〔グローバル展開型〕
2022年12月16日562239.3%
13次
〔グローバル展開型〕
2023年2月20日612439.3%

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「ものづくり補助金」事業の流れ

ものづくり補助金の申請から完了までのプロセスは以下のステップに分かれています。

  1. 公募開始と締切
    補助金の公募が開始され、申請書類の提出期間が設定されます。事業者はこの期間内に必要な書類を準備し、提出します。
  2. 交付候補の決定
    提出された申請書類をもとに審査が行われ、採択された事業者が交付候補として決定されます。
  3. 交付申請と決定
    採択後、正式に交付申請を行います。審査を経て、補助金の交付が決定します。
  4. 補助事業の実施
    補助金交付が決定した後、事業者は補助金を活用して計画通りの事業を実施します。この段階での進捗は適切に記録される必要があります。
  5. 実績報告と確定検査
    補助事業が完了した後、事業者は実績報告を提出します。その内容に基づいて確定検査が行われ、補助事業の成果が確認されます。
  6. 補助金額の確定
    実績報告と検査の結果を受けて、補助金の金額が正式に確定します。
  7. 事業化状況報告
    補助事業が終了した後も、事業者は毎年「事業化状況報告」を提出し、事業の進捗や成果を報告します。これにより、補助金が適切に活用されているか確認が行われます。

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19次ものづくり補助金についてのまとめ

ものづくり補助金は、中小企業や小規模事業者にとって成長の機会を広げる貴重な制度です。2025年度19次の募集は、賃上げ促進や投資規模に応じた柔軟な支援が加わり、さらに多様な事業者に利用しやすくなっています。本記事で解説した要点を押さえ、計画的に申請準備を進めることで、補助金を効果的に活用できるでしょう。

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