認定支援機関になるには?要件・手続き・メリットを徹底解説
吉川 和明
中小企業診断士
大手製造機器メーカーにて、流通小売業向けPOSシステム、および決済システムの開発に従事。本業と中小企業診断士の二刀流で、商工会議所の経営相談員や補助金申請支援などの活動を実施中。
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認定支援機関とは?その役割と意義
認定経営革新等支援機関(以下、認定支援機関)とは、中小企業や小規模事業者が経営改善や成長を図るために必要な支援を行う機関です。中小企業庁によって認定され、事業者に対して専門的なアドバイスやサポートを提供する役割を担っています。
認定支援機関の定義と目的
近年、中小企業を巡る経営課題が多様化・複雑化する中、中小企業支援の担い手の多様化・活性化を図るため、中小企業に対して専門性の高い支援事業を行う認定支援機関を認定する制度が平成24年8月に創設されました。
本制度は、税務、金融および企業財務に関する専門的知識や中小企業支援に係る実務経験が一定レベル以上の個人、法人、中小企業支援機関等を認定支援機関として認定することにより、中小企業に対して専門性の高い支援を行うための体制を整備するものです。
認定支援機関が関与する事例としては、事業承継・引継ぎ補助金における確認書や経営改善計画策定支援における申請書などがあります。
認定支援機関になるメリット
認定支援機関になるメリットは、「事業的なメリット」と「組織的なメリット」の2つあります。
事業的なメリット
- 新たな収益機会の獲得
金融機関、商工会議所などさまざまな機関と連携を強化することができ 、事業計画策定支援や補助金申請サポートなど新たな収益機会を得ることができます。 - 顧客との関係強化
認定支援機関は、中小企業庁のホームページなどに掲載されるため、顧客となる中小企業・小規模事業者からの信頼度が高まり関係強化に繋がります。また、地域の中小企業・小規模事業者を支援することで地域経済の活性化にも貢献することができます。
組織的なメリット
- 組織の信用力・ブランド力向上
認定支援機関の認定を受けることで、組織としての信用力やブランド力が向上します。 - 人材育成
認定支援機関としての活動を通じて職員のスキルアップを図り、人材育成を促進することができます。
認定支援機関になるための要件と基準
認定を受けるための資格と基準
中小企業・小規模事業者の財務内容等の経営分析や事業計画の策定支援・実行支援を適切に実施する観点から、認定を受けるためには下記の3要件を満たす必要があります。
要件①:税務、金融および企業財務に関する専門的知識を有していること
税理士法人、税理士、弁護士法人、弁護士、監査法人、公認会計士、中小企業診断士であれば要件①を満たします。これら士業に該当しない場合は、経営革新等支援計画等の策定に際して主たる支援者として関与し、認定を受けた計画が3件以上あれば要件①を満たします。認定を受けた計画がない場合は、独立行政法人中小企業基盤整備機構(以下、中小機構)にて指定された理論研修を受講し試験に合格することで要件①を満たします。
要件②:中小企業・小規模事業者に対する支援に関し、法定業務に係る1年以上の実務経験を含む3年以上の実務経験を有していること
中小企業・小規模事業者等に対する支援に関して3年以上の実務経験を有し、かつ法定業務に係る1年以上の実務経験を有していれば要件②を満たします。実務経験がない場合は中小機構にて指定された実践研修を受講し試験に合格することで要件②を満たします。
要件③:安定した事業基盤を有していること
申請前3期の事業収入が黒字、もしくは最低でも1期の事業収入があれば要件③を満たします。
必要な経験とスキルの解説
認定支援機関になるには、中小企業庁の定める基準を満たすだけでなく、実際に中小企業・小規模事業者を支援していくために必要な経験やスキルが求められます。
- 経営支援に関する専門知識・経験
- 経営全般(財務分析、経営戦略、マーケティング、人事、労務、法務など)
- 販路開拓(営業戦略、マーケティング手法、展示会・商談会など)
- 資金調達(補助金・助成金、融資制度、投資など)
- 事業計画策定(現状分析、市場調査、収支計画、資金調達計画など)
- 事業承継(後継者育成、M&A、事業承継に関する税務・法務など)
- 問題解決能力
- 課題発見力(経営課題の原因分析と解決策を導き出す能力)
- 計画力・実行力(計画を実行に移し結果に結びつける能力)
- ヒアリング力(課題やニーズを的確に把握する能力)
- 提案・交渉力(課題解決に繋がる提案および関係機関と交渉する能力)
- 情報収集・分析力(インターネット等を活用した情報収集および分析する能力)
認定支援機関の申請手続きの流れ
申請プロセスのステップ
認定支援機関の申請プロセスは、大きく分けて以下の4つのステップで進みます。事前にしっかりと準備を行い、スケジュールに余裕を持って進めるようにしましょう。
申請の準備に必要な書類
認定支援機関の申請手続きにおいて、一般的には以下のような書類が必要とされます。これらの書類を準備し提出することで審査が行われます。なお、具体的な必要書類については、申請先の中小企業庁や地域の経済産業局が提供する最新のガイドラインを必ず確認してください。
- 個人の場合
- 全員:青色申告決算書(一般用)の損益計算書(過去3期分)
- 税理士のみ:税理士証票(写真付)
- 公認会計士のみ:公認会計士証票(写真付)、または開業登録通知書、または登録証明書・経営革新等認定支援機関認定申請用
- 弁護士のみ:弁護士名簿登録通知、または身分証明書・登録証明書、または会員証明書
- 中小企業診断士のみ:中小企業診断士登録証
- コンサルタントのみ:国や県から認定等を受けた計画に認定書等3件分または専門的知識判定試験(理論研修)合格証書
- 法人
- 全員:決算書過去3期分
- 全員:登記簿謄本(発行から3ヶ月以内のもの)
- 税理士法人のみ:税理士法人の登載事項証明書
- 監査法人のみ:監査法人の登録証明書
- 弁護士法人のみ:弁護士法人の登録証明書
- 民間コンサルティング会社のみ:国や県から認定等を受けた計画に認定書等3件分または専門的知識判定試験(理論研修)合格証書
(出所:経済産業省 関東経済産業局 経営革新等支援機関の新規申請添付書類一覧より抜粋 )
認定支援機関になった後の支援内容と活用方法
中小企業への支援事例と具体的なサービス
認定支援機関による支援事例については、中小企業庁が「優良取組事例集」を公開しています。認定支援機関及び認定支援機関による支援を活用した中小企業・小規模事業者に対するヒアリング調査等を通じ、その結果を具体的な優良事例・活動事例として整理されています。
中小企業庁では本書の活用を通じて、
①他の認定支援機関の具体的な取組を参考にすることで、各認定支援機関の更なるスキルアップを図り、支援の質の向上・拡充が促進されること
②認定支援機関による支援の効果を認知してもらうことで、中小企業・小規模事業者による認定支援機関の活用が促進されること
を期待しています。
詳しくは下記を参照ください。
中小企業庁「認定経営革新等支援機関による中小企業・小規模事業者支援優良取組事例集」
認定支援機関としての成長戦略
認定支援機関として持続的に成長し、より多くの企業を支援していくためには、下記のような戦略的な取り組みが欠かせません。重要なのは現状に満足することなく、変化を恐れずに新たな挑戦を続けることです。
- 得意分野の深掘り
特定の業界に特化する、支援内容を特化するなど専門性を高めることで、他機関との差別化を図る。 - ニッチ市場の開拓
独自のニーズを持つ企業に特化したサービスを提供することで、ニッチ市場での新たな顧客層を獲得する。 - 異業種連携
金融機関、士業、コンサルティング会社など、他業種と連携することで、自身の顧客に対するワンストップのサービスを提供する。 - 先端分野への進出
DX、SDGs、事業承継など、社会的ニーズが高まっている分野の専門知識を習得し、先駆的なサービスを提供する。
まとめ:認定支援機関への道を目指すためのポイント
認定支援機関になるための要件・手続き・メリットについて解説しました。
令和6年12月時点で約37,000機関が認定支援機関として認定されていますが、実際には認定支援機関が不足しており、今後の支援体制の強化が求められています。
認定支援機関の役割は、単に経営計画を策定するだけでなく資金調達や税制優遇制度の利用支援など多岐にわたることから、認定支援機関の不足は深刻な問題となっています。
日本企業の99%超を占める中小企業の未来を支援するためにも、みなさんも認定支援機関に登録されることをお勧めします。
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- 迅速かつ的確なサポート:経営課題に対して具体的で実行可能な解決策を提示します。
認定支援機関として、企業経営の現場に寄り添った支援を提供することで、持続可能な成長を目指します。
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