補助金・助成金の活用と経営分析

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花村 大祐
中小企業診断士

大卒後、工作機械メーカーに勤務し、主に金属加工業を営む中小企業への法人営業に従事。フィールドセールス・マーケティング・プロモーションと幅広いセールス活動を経験。

中小企業診断士登録後は、補助金申請支援をきっかけに、ベンチャー企業の融資獲得のための事業計画策定、営業力向上・WEBマーケティング支援、組織構築、新規店の立ち上げ等の全般的な経営支援に従事。ご縁を大切にする経営支援を目指す。

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目次

補助金を活用するメリット・デメリット

補助金を活用することのメリットについては、以下のような点があげられます。

  • 返済不要な資金調達の方法です。
  • 自己資金を投入することなく事業を実施することが可能です。
  • 補助金には審査があり、通過したということは一定の事業性を認められたということになります。
  • 補助金申請の際に、事業計画書を作成することで、現在の自社の現状を再確認することができます。

補助金を活用するデメリットには、以下のような点があげられます。

  • 補助金の申請・取得には審査があります。必要書類の収集や事業計画書を作成しなければなりません。
  • 審査にも基準があり、申請すれば必ず通る助成金とは異なります。
  • 補助金は後払いとなるため、事業の実施のための資金を調達する必要があります。

経営分析ツールの紹介

本章では、経営分析ツールをご紹介します。以下より紹介するツールは、公的機関や金融機関も積極的な活用を推進しているツールとなります。

資金繰り表

資金繰り表とは、企業活動における一定期間の資金の動きを把握するための管理表です。入金と出金の額と時期がわかるように記入していきます。エクセルや会計ソフトで作成することが可能です。

資金繰り表の雛形
出所:日本政策金融公庫 各種書式ダウンロード|中小企業事業|日本政策金融公庫 (jfc.go.jp)

資金繰り表作成の目的は、一定期間の収入・支出を記入し、月末の現預金残高を管理することができます。これにより、資金計画・実績が可視化され、資金ショートを防ぐことができます。

資金繰り表を作成するメリットは、以下の3点です。

  1. 黒字倒産の防止
    損益計算書上では、利益が出ているのに、現預金の残高がマイナス(資金ショート)となることにより、倒産してしまうことを「黒字倒産」と言います。

    資金繰り表を作成することで、将来における入出金のタイミングを把握することができ、黒字倒産を防止することができます。
  2. 金融機関からの融資獲得がしやすくなる
    金融機関からの融資を獲得するには、融資額と時期について明確な説明を求められます。その際、資金繰り表があれば数字的な根拠をもって説明することができます。金融機関からの信頼感も増すこととなります。
  3. 経営判断に利用可能できる

資金繰り表を作成することで、現状の経営状況を分析することが可能になります。経営上のリスクがどこにあって、どのように改善すればよいのか、指針とすることができます。

ローカルベンチマーク

ローカルベンチマークとは、経済産業省が提供している、企業の経営状態の把握をおこなうツールです。ローカルベンチマークは政府の各種施策と連携しており、補助金の申請にも実際に活用されています。

経済産業省 ローカルベンチマークシート
出所:経済産業省 ローカルベンチマークシート ローカルベンチマーク(ロカベン)シート (METI/経済産業省)

ローカルベンチマークを活用することで、個別企業の経営改善や地域活性化といった成果をあげている事例も以下に紹介されています。そこでは、資金調達や販路開拓、新商品開発といった内容で活用成果が紹介されています。活用事例 (METI/経済産業省)

経営デザインシート

経営デザインシートは、内閣府が提供している、これからの経営・ビジネスを構想するためのツールです。

経営デザインシートを使うことで、経営者の頭の中にある将来のビジネスの構想を整理し、見える化することができます。また、シートを従業員や支援者との対話ツールとして活用して、目指す方向性を共有することもできます。

経営をデザインする
出所:経営をデザインする 経営をデザインする (kantei.go.jp)

経営デザインシートのメリットは以下の通りです。

  • 1枚で完結するので全体を俯瞰することができます。
  • 記入欄が限られているので、要点しか書けないので大切な部分が明確になります。
  • 時間軸を意識できます。「これまで」と「これから」の対比・ギャップから、「いま何をするべきか」が分かります。
  • 「経営資源」と「ビジネスモデル」と「価値」の関係性を意識することで、経営者の頭の中の将来のビジネス構想を整理することができます。

補助金申請の前に知っておくべき3つのステップ

補助金申請の前に知っておくべき3つのステップを紹介します。

ステップは以下のような流れで進めていきます。

  1. 現状把握
  2. 課題の発見
  3. 適切な補助金を見つける

補助金申請の前に必要な準備

補助金を申請する前に、申請予定の補助金のHP検索から公募要領を確認しましょう。その中の必要書類と、申請方法をまず確認します。

必要書類の中で、どのような書類が必要なのか把握することが大切です。

また、申請方法には郵送と電子申請の場合があります。電子申請は事前にアカウントを取得する必要があり、時間を要することがあります。あらかじめ内容を確認したうえで、申請の準備を進めていくようにしましょう。

補助金申請前のステップ1:現状把握

補助金申請前の準備として、まず現状把握を行いましょう。その際は、SWOT分析を活用しましょう。活用方法についてご紹介します。

SWOT分析の重要性

SWOT分析とは、「S=Strength(強み)」、「W=Weakness(弱み)」、「O=Opportunity(機会)」、「T=Threat(脅威)」の4つの要素を用い、組織の内部環境・外部環境を把握し、課題を明確化することができるフレームワークです。

  • Strength:強み(自社の強み、得意なこと)
  • Weakness:弱み(自社の弱み、苦手なこと)
  • Opportunity:機会(外部的な要因で自社の機会創出につながること)
  • Threat:脅威(外部的な要因で自社の脅威になること)

SWOT分析を行う目的は、自社の内部環境と外部環境を分析し、自社にとっての市場機会や事業課題・ビジネス戦略目標を発見することです。

下記のようなタイミングでの活用が期待できます。

  • 長期的な経営方針を検討するとき
  • 事業計画を検討するとき
  • 経営資源の最適化を考えるとき

SWOT分析のメリット

SWOT分析によるメリットは以下の通りです。

  • 現状を客観的に把握でき、自社の課題や改善点を発見できる。
  • 社内・従業員間での共通認識を見える化できる。
  • 外部環境による「脅威」、自社による「弱み」といったマイナス要素を踏まえた対策を練ることができる。
  • 外部環境による「機会」、自社による「強み」といったプラス要素を踏まえ、事業拡大の方策を練ることができる。

SWOT分析を行う際のポイント

SWOT分析を行う際のポイントは以下のとおりである。

  1. 分析における目的や目標を明確化する。

SWOT分析は、経営戦略や各種施策を立案するための手段である。分析や内容の洗い出しばかりにしないように注意する。手段と目的を分離して考えるためにも、分析する際は具体的な目標を設定しておくようにしましょう。

  1. 多様な声を踏まえて作成する

SWOTの各要素を抽出する際には、多くの項目を洗い出すことが求められます。作成する目的をメンバーで共有し、同じ方向性で議論を展開していくことが重要になります。一部の意見のみで分析を進めると、偏った項目が生まれやすくなり、全体としてバランスの悪い分析結果となってしまいます。

  1. クライアントの立場に立って考える

自社の強みや弱みを分析していく際は、クライアントの立場に立って考えることが求められます。自社の商品やサービスがクライアントからどのように評価されているのか、検討する際は客観的な目線をもって議論を進めていくようにしましょう。

補助金申請前のステップ2:課題の発見

自社内ですでに課題が明確な場合もありますが、上記のSWOT分析で見えてきた課題もあるかと思います。ここでは、課題発見の手順と方法について、再度まとめます。

課題発見の手順と方法

上記のSWOT分析の結果、4要素のなかでいくつか項目が抽出されたことを想定します。そのなかでも、より重要度が高い項目をひとつずつ絞り込んでいきましょう。これは自社ととりまく環境のなかでも、重要度の高いキーワードとなります。このキーワードを組み合わせて、自社の課題を明確化させましょう。

あるべき姿・なりたい姿の設定

先ほどのSWOT分析以外にも、課題発見の方法はあります。

自社の理想像=あるべき姿を設定することです。

例えば、「〇年後に売上〇〇を達成する」といったあるべき姿を設定します。

次に、自社の現状を把握します。ここでは、「売上〇〇しかない」といった形です。

現状とあるべき姿を明確化することで、そのギャップが見えてくるかと思います。

課題の特定

SWOT分析の結果やギャップ分析の結果をもとに、メンバーで議論をもう一段階深堀することで、自社の課題とはなんなのか、具体的に絞り込んでいきましょう。

課題のなかには、まだ表面化していないものもあります。またひとつではなく、複数が出てくることが予想されます。

その際は、課題に重要度をつけるなど、優先順位付けするようにしましょう。

補助金申請前のステップ3:適切な補助金を見つける

補助金は国や都道府県が募集しています。また、年度によって制度が新しくなり、募集内容が最新のものに変わるなど、制度変更もあります。補助金自体の種類も複数あります。そのため、自社に合った適切な補助金を見つけるには、適切な補助金情報を提供する機関を利用することが求められます。

いかに補助金情報を提供する機関を記載します。

また、自分で適切な補助金を早急に手間なく探す場合は、最寄りの中小企業診断士に相談するのもよいでしょう。

補助金情報を提供する機関

補助金情報を提供する機関をご紹介します。

ミラサポplusの活用中小企業向けの補助金や助成金を探す総合サイトです。
J-Netsのサポート補助金、助成金だけでなく、融資の検索も行うことが出来ます。
商工会議所・商工会の相談窓口誰でも相談することが出来るため、まずは相談してみると良いでしょう。

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補助金の相談・支援のご依頼は3Rマネジメントへ

当社は、中小企業支援に関する知識や経験があると国が認定した「認定経営革新等支援機関」に登録していますので、安心して補助金申請をお任せいただけます。

当社のサポート内容と依頼するメリットを以下にまとめましたので、支援先検討の参考になさってください。

3Rマネジメントのサポート内容

当社では、以下のとおりサポートを行っています。

  • 初回面談(オンライン)による相談受付
  • 申請書類の確認
  • 経営計画書などの申請書類の作成支援
  • 電子申請システムの入力支援
  • 採択後の交付申請支援
  • 交付決定後の遂行状況報告支援
  • 補助事業完了後の実績報告支援

当社では中小企業の事業再生に特化して支援をしてきましたので、補助金申請後においても、伴走型の経営改革・改善支援、融資や資金繰り、銀行対応等は特に強みが発揮できるところです。

3Rマネジメントへ相談・依頼するメリット

当社に相談・依頼するメリットを主に3つ紹介します。

  • 書類作成や申請の手間が減る
  • 採択決定後から実績報告まで支援がある
  • 採択される可能性が高くなる

 

補助金は、交付申請に多大な労力がかかりますので、当社では書類作成や電子申請システムの入力支援を行っていますので、手間が減り、本業に時間を費やすことができます。

また、採択されて補助事業実施後の実績報告においても相当な手間がかかります。そこで当社では、採択決定後の実績報告まで支援サービスを行っておりますので、安心してお任せいただけます。

なお、当社では、弁護士や税理士、社会保険労務士などの他仕業の方々や、製造業や飲食業、流通業などの会社員として実務を経験された中小企業診断士の専門家が多数在籍しています。

そのため、あらゆる業種の補助金申請においても、知見が備わっていることから高い採択率を保持できています。

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まとめ

中小企業における設備投資に役立つ税制優遇補助金を紹介しました。

補助金は、申請するための準備や経営計画書など漏れなく書類を用意して、沢山の書類を書くため、多くの企業が専門家に支援を依頼して補助金の申請を行っています。

自社のみで採択されるためには、多くの時間と労力を割くことになりますし、競争相手も沢山いるため、採択は簡単なことではありません。

そのため、補助金の申請は、自社のみで行おうとせずに、専門家による申請代行や申請サポートを活用することをおすすめします。

当社3Rマネジメントでは、補助金の申請支援に注力しており、豊富なサポート実績や高い採択率を誇っております。

補助金の申請代行やサポートを活用したいと思われた際には、3Rマネジメントまでお気軽にご相談ください。

補助金に関する初回のご相談は、無料でお受けしています。

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執筆者

中小企業診断士

大卒後、工作機械メーカーに勤務し、主に金属加工業を営む中小企業への法人営業に従事。フィールドセールス・マーケティング・プロモーションと幅広いセールス活動を経験。

中小企業診断士登録後は、補助金申請支援をきっかけに、ベンチャー企業の融資獲得のための事業計画策定、営業力向上・WEBマーケティング支援、組織構築、新規店の立ち上げ等の全般的な経営支援に従事。ご縁を大切にする経営支援を目指しております。

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