財務コンサルタントにおすすめの資格7選|難易度・仕事内容・年収・転職への活かし方
財務コンサルタントは、企業の財務状況を改善し、経営の健全化と成長をサポートする専門家です。その仕事内容は多岐にわたり、M&A戦略支援、事業計画・再生、IR関連支援、財務・会計業務の改善などが含まれます。本記事では、財務コンサルタントの仕事内容や年収、そして転職に役立つ資格について詳しく解説します。税理士の資格も財務コンサルタントとして非常に役立ちますので、ぜひ参考にしてください。

事務局
財務コンサルタント養成講座 運営事務局
2024年より講座を開講。これまでに税理士・行政書士・中小企業診断士をはじめ、保険募集人やIFAなど累計300名以上の専門家が受講。
財務支援/財務コンサルタントを目指す士業・コンサルタントの方に向けて、財務コンサルタントとしての実践ノウハウや働き方について情報発信を行っています。
財務コンサルタントとはどのような仕事か
財務コンサルタントとは、企業等の財務に関する課題を特定し、解決に導く職業を指します。財務コンサルタントとはどのような仕事内容であるかを理解することで、キャリアを具体的にイメージできるでしょう。
財務コンサルタントの業務内容
財務コンサルタントの仕事内容は、企業の財務状況の改善や資金調達、M&Aといった財務に関する幅広い課題に対応します。具体的には、財務会計プロセスの最適化、財務戦略資金繰り改善の支援、M&Aや投資計画の策定、法改正制度変更への対応支援、株主投資家向けのIR活動サポートなどが挙げられます。資金繰りに課題を抱える企業に対しては、キャッシュフロー分析を通じてボトルネックを特定し、資金効率の改善を図ります。また、金融機関との交渉における資料作成や返済計画の妥当性を示すことも重要な業務です。税理士が行う財務コンサルティングでは、財務諸表から経営状態を分析し、経営上の課題や伸びしろの発見、資金繰り改善などを行うことで、数字の面から事業戦略実現の角度を高めるアドバイスを担うこともあります。
財務コンサルタントの年収
財務コンサルタントの年収は、スキルや経験年数、所属先の規模や業務内容、担当するプロジェクトの難易度によって大きく異なります。経験が浅い段階では、400万円〜700万円ほどが相場とされていますが、経験を積むことで年収を大きく伸ばすことが可能です。特に、M&Aや事業再生、税務スキーム設計など、ニッチかつ高度な領域での実務経験を積むと、プロフェッショナルとしての市場価値が高まります。フリーランスの財務コンサルタントとして働く場合、年収レンジは600万円から1,200万円と幅広く、案件獲得能力や仕事の効率性によっては1,200万円以上を目指すことも可能です。資格の有無も年収に影響を与え、公認会計士や税理士、中小企業診断士などの国家資格を保有していると、信頼性が高まり、高収入につながる可能性が高まります。
経営コンサルタントとの違い
財務コンサルタントと経営コンサルタントは、どちらも企業支援を担う職種ですが、専門領域や提供する価値に違いがあります。財務コンサルタントは、「お金」に焦点を当てて企業をサポートし、売上を直接上げるのではなく「お金を残す仕組み」を整えるプロフェッショナルです。会社の財務機能に着目し、経営目標達成や経営課題解決のために財務的な手法を用いたり、財務機能そのものが抱える課題を解決する仕事をします。一方、経営コンサルタントは企業経営全般に関するアドバイスを行い、企業が成長し続けるための経営戦略を練る役割を担います。経営コンサルタントも財務・会計を切り口とする場合が多く、両者は比較的近い業務内容であるため、「財務系経営コンサルタント」と呼ばれることもあります。
財務コンサルタントに役立つ資格
財務コンサルタントになるために必須の資格はありませんが、専門的な知識と実務経験が求められるため、関連資格を保有していることが信頼の証となり、業務の幅も広がります。ここでは、財務コンサルタントに役立つ資格試験と、その難易度について解説します。
中小企業診断士
中小企業診断士は経営コンサルタントの唯一の国家資格として知られており、経営全般を学べる資格として人気があります。財務コンサルタントとしても非常に有利な資格です。試験の難易度は高く、勉強時間は800〜1,000時間程度必要とされています。総合的な合格率は5〜8%程度であり、司法書士や税理士よりも簡単で、社会保険労務士と同じくらいの難しさとされています。1次試験の合格率は近年30〜40%程度で推移しており、2次試験(筆記試験)の合格率は18%台で推移しています。2次試験(口述試験)の合格率は99%台と非常に高いです。中小企業診断士の資格を取得すると、経営者の視点を体系的に身につけることができ、財務コンサルタントとしての説得力や提案力を高めることができます。
税理士
税理士は、税金と会計処理のスペシャリストであり、税理士資格の取得を通じて、各種税金の計算や申告に関する知識、企業における財務処理や会計帳簿作成方法を学ぶことができます。財務コンサルタントの仕事をする上で、税理士資格は非常に役立ちます。税理士試験は難易度が高い国家資格であり、過去5年の平均合格率は19.7%、勉強時間は4,000時間程度必要とされています。科目ごとに難易度に差があり、簿記論、相続税法、住民税、固定資産税の合格率は比較的高い傾向にありますが、財務諸表論や消費税法は合格率が低い傾向にあります。受験資格は令和5年度から緩和され、会計学に属する科目については誰でも受験可能になりました。
公認会計士
公認会計士は、企業の会計や財務諸表の監査を担う専門家であり、財務関連の深い知識を持つことから、財務コンサルタントとして活躍しやすい資格です。公認会計士試験は、医師・弁護士と並ぶ三大国家資格の一つとされており、難易度は極めて高いです。受験資格は不要ですが、短答式試験と論文式試験の二段階選抜方式が採用されており、どちらも合格した場合の合格率は約7〜11%と厳しい水準です。令和6年(2024年)試験の合格率は7.4%と非常に低く、勉強時間も3,000時間以上が一般的です。複数回受験して合格する人が多く、平均で2〜3回受験するケースが多いとされています。公認会計士の独占業務である監査業務のほか、財務コンサルティング業務にも深く関わることができます。
日商簿記
日商簿記検定は、日本商工会議所が主催する簿記の資格試験であり、就職や転職などキャリアに活かしやすい資格として知られています。財務・会計の基礎知識を身につける上で非常に役立ち、財務コンサルタントを目指す上で取得しておきたい資格の一つです。日商簿記には、3級、2級、1級などのレベルがあり、それぞれ難易度が異なります。3級は商業簿記の基本的な部分が出題され、合格率は40〜50%程度と比較的易しい難易度です。2級になると商業簿記に加えて工業簿記も出題範囲となり、難易度は大きく上昇し、合格率は15〜30%前後とされています。1級はさらに専門性が高まり、独学での合格は非常に困難であり、合格率は8〜13%程度と難易度が高いです。
語学に関する資格(TOEICなど)
財務コンサルタントとして活躍する上で、語学に関する資格、特にTOEICなどの英語能力を証明する資格は非常に役立ちます。外資系のコンサルティングファームや、グローバルなM&A案件に携わる場合、高度な英語力が求められることがあります。TOEICのスコアは、ビジネス英語能力の客観的な指標となり、転職活動においても有利に働くことが多いです。特に、国際的な案件や外資系企業への転職を考えている場合は、高いスコアを目指すことが推奨されます。
財務コンサルタントへの転職
財務コンサルタントへの転職は、未経験からでも可能ですが、関連する業務経験や資格があれば有利に進められます。需要の高い職種ですが、即戦力として期待されるため、自身の能力を十分にアピールすることが重要です。
転職に役立つ経験
財務コンサルタントへの転職では、これまでの経験と経歴が重視されます。特に、財務コンサルタントとしての専門知識や実績が求められるため、税理士法人や監査法人、金融機関、あるいはコンサルティングファームでの業務経験が高く評価されます。具体的には、金融機関でのクライアントの資金調達・資金運用業務、企業の財務部門での資金調達・資金運用業務、M&Aや財務分析、経営戦略に関する経験などが転職に有利に働きます。これらの経験は、即戦力と見なされる重要な要素となり、経営陣やCFOへのアドバイスを行う機会が増えるポジションでは大きな差を生むことになります。
転職を有利に進めるには
財務コンサルタントへの転職を有利に進めるためには、いくつかのポイントがあります。まず、前述した中小企業診断士、税理士、公認会計士といった専門性の高い資格を取得しておくことが非常に有効です。これらの資格は、財務・会計分野での信頼性を高め、キャリアの幅を広げることに繋がります。また、英語をはじめとする語学力も、特にグローバル案件を扱うファームでは求められるスキルです。さらに、転職エージェントの活用も有効な手段です。財務コンサルタント職に特化したエージェントを利用することで、自身のキャリアに最適な高収入求人を見つけやすくなります。転職エージェントは求人情報の提供だけでなく、キャリアアドバイスや模擬面接のサポートも行っており、採用の可能性を大幅に高めることができます。
まとめ
財務コンサルタントは、企業の成長を支える重要な職種です。キャリアを形成する上で、実務経験だけでなく、信頼性のある資格取得が成功の鍵となります。税理士や公認会計士、中小企業診断士などの国家資格はもちろん、語学力や経営全般の知識も武器になります。転職や独立を見据える方は、自身のスキルアップとキャリア設計を意識して取り組みましょう。
さらに詳しく学びたい方へ:
「財務コンサルタントとしてのキャリアを築きたい」「実践的なスキルを身につけたい」という方は、 ぜひ当社が主催する『財務コンサルタント養成講座 無料セミナー』にご参加ください。
経験豊富な講師陣による具体的なノウハウの解説や、キャリアアップに向けたアドバイスが得られます。
▼無料セミナーの詳細・お申し込みはこちら