「ファクタリングを利用すると会社の信用が落ちるのでは？」
「取引先に知られて、今後の関係が悪化しないか心配」
「審査で自社の信用状態がネックになるのでは？」

このような不安を抱えている方は多いでしょう。

しかし、これらの多くは誤解に基づくもので、正しい知識を身につけることで、抱えている不安を解消できます。

本記事では、ファクタリングの利用が企業の社会的信用に与える影響や、審査通過のコツについて解説します。

この記事を読めば、安心してファクタリングを活用できるようになるので、ぜひ最後までご覧ください。

【結論】ファクタリング利用で社会的信用は落ちない！

結論から述べると、ファクタリングの利用で社会的信用は落ちません。

ここでは、その理由について解説します。

理由１：ファクタリングは融資とは異なるから

ファクタリングは、売掛債権をファクタリング業者に売却する「債権の売買契約」です。

金融機関からの「融資（借入）」とは根本的に性質が異なります。

項目	ファクタリング	融資
審査対象	売掛債権（売掛先）の信頼性	利用者の信用力（財務状況など）
入金スピード	最短即日	1週間〜数ヶ月
資金調達できる金額	売掛債権の額面金額が上限	金融機関により異なる
手数料	高め	低め
返済方法	ファクタリング会社への一括支払い	返済計画に基づいた返済
相手企業の承認	2社間：不要 3社間：必要	売掛先への通知・承認なし

重要な違いは、ファクタリングの利用履歴が信用情報機関に登録されない点です。

信用情報機関は与信取引に関する履歴を管理する機関であり、ファクタリングは「与信取引」に該当しないため、そもそもその対象外です。

融資では借入金の返済義務が生じ、その履歴が信用情報として記録されます。

一方で、ファクタリングでは売掛金を売却するため、利用者に返済義務は発生しません。

この法的・会計的な区別により、ファクタリングの利用が企業の信用情報や財務状況に直接的な悪影響を与えることはないです。

理由２：ファクタリング利用は貸借対照表に影響がないから

ファクタリングは売掛債権という「資産」を現金化する取引であり、貸借対照表の「負債」として計上される「借入金」とは性質が異なります。

ファクタリングを利用すると、貸借対照表上では「売掛金」（資産）が減少し、その代わりに「現金預金」（資産）が増加します。

この会計処理によるメリットは、以下のとおりです。

ただし、ファクタリング利用時に発生する手数料は、損益計算書の「営業外費用」として計上される点には注意が必要です。

過度な利用は利益を圧迫する可能性があるため、計画的な活用が求められます。

【注意】ファクタリング利用が取引先からの「個別の信用」に影響するケースも

ファクタリングの利用が企業の形式的な社会的信用には影響しませんが、個別の取引先との関係においては慎重な対応が必要です。

特に3社間ファクタリングの場合、売掛先に債権譲渡の通知が行われて売掛金がファクタリング会社へ直接支払われる仕組みであるため、取引先はファクタリングの利用事実を知ることになります。

この際、取引先が「資金繰りが厳しく、経営が危ないのではないか？」「今後の取引を継続して大丈夫だろうか？」といった誤解や不安を抱く可能性があります。

新規の取引先や、取引関係がまだ浅い取引先の場合、このような印象の変化はより顕著になる可能性が高いです。

このような誤解は、実際の経営状態とは関係なく「ファクタリング＝資金繰りの悪化」という先入観から生じることが多いのが実情です。

誤解されないために出来る対策

取引先からの誤解を避けるためには、以下のような対策を講じましょう。

特に有効な方法は、2社間ファクタリングの利用です。

申込企業とファクタリング会社の2社間で契約が完結して売掛先への通知や承諾が不要なため、取引先に知られる心配がありません。

一方で、3社間ファクタリングを利用する場合は、売掛先と良好な信頼関係がある場合に限り、事前に説明して理解を得ることが重要です。

また、ファクタリングの利用頻度にも注意しましょう。

頻繁な利用は「慢性的な資金不足」という印象を与えかねないため、必要最小限にとどめることが大切です。

これらの対策により、取引先との信頼関係を維持しながら、効果的な資金調達が可能です。

ファクタリング審査にも、会社の信用情報はほぼ影響なし

ファクタリングは融資とは異なり、利用者の信用情報機関への照会や利用状況の登録は行われません。

つまり、ファクタリング会社は、利用申込者の信用情報を照会する権限自体を持っていないのです。

ファクタリングの審査において重視されるのは、申込企業自身の信用情報や財務状況ではなく、売掛債権の「売掛先（取引先）」の信用力です。

この点が、従来の融資審査とは大きく異なります。

利用者が過去に金融事故を起こして「ブラックリスト」状態であっても、売掛先の信用力が高ければファクタリングを利用できる可能性が高いです。

審査基準の詳細は、後述する「ファクタリングの審査で重視される項目」で詳しく解説します。

自社の信用問題が不安でもファクタリングを利用できるケース

ここでは、自社の信用問題が不安でもファクタリングを利用できる以下の4つのケースについて、解説します。

赤字経営や借入中の企業

銀行融資では、赤字決算が続くと返済能力に疑問を持たれて、新規融資の審査通過は極めて困難です。

したがって、赤字経営が続くと企業の信用力が低下して、新たな融資の審査通過が困難になるのが現実です。

しかし、ファクタリングは利用企業が赤字決算であったり、既に銀行からの融資やビジネスローンなどで借入中であったりしても、問題なく利用できます。

具体例として、以下のようなケースでもファクタリングは利用可能です。

これは、ファクタリングの審査が利用者の財務状況よりも「売掛先の支払い能力」を重視するためです。

スタートアップ企業

設立間もないスタートアップ企業は、実績が浅く、銀行融資などの審査が通りにくい傾向にあります。

従来の金融機関は2期分の決算書を求めることが多く、創業1年未満の企業は門前払いも珍しくありません。

しかし、ファクタリングは企業の業績や信用状況に左右されにくいため、スタートアップの資金調達の有効な選択肢となります。

以下のような場合は、スタートアップでもファクタリングの利用が可能です。

売掛債権の範囲内であれば安全に資金調達が可能であり、負債として計上されないため、将来的な融資枠を圧迫しないメリットもあります。

個人事業主・フリーランス

個人事業主やフリーランスは、法人に比べて事業規模が小さいと見られがちで、銀行融資の審査に落ちることが多いです。

これは、信用力が法人に比べて低いと判断されやすいためです。

個人と法人の信用評価基準には、以下のような違いがあります。

法人	決算書、登記情報、資本金、取引実績など多角的な評価が可能
個人	確定申告書のみで判断されることが多く、事業の安定性を証明しづらい

しかし、ファクタリングは売掛先の信用力を重視するため、個人事業主やフリーランスでも、きちんと支払われる見込みのある売掛金という資産があれば利用しやすい資金調達手段です。

個人事業主やフリーランスに特化したファクタリングサービスも存在し、少額からの買取やオンライン完結など、利用しやすい条件を提供している業者も多くあります。

他社のファクタリングを利用中

すでに他社のファクタリングを利用している場合「二重に利用すると信用を失うのでは？」という不安を持つ方も多いです。

しかし、原則として既に他社のファクタリングを利用している場合でも、新たなファクタリング会社に申し込みできます。

他社利用中でも以下のような場合は、ファクタリングを利用できます。

ただし、「二重譲渡」には注意が必要です。

同じ売掛金を複数のファクタリング会社に売却する行為は違法であり、詐欺罪や横領罪に問われる可能性があります。

ファクタリングで審査落ち？よくある原因４つ

ファクタリングの審査は融資に比べて通過しやすいとされていますが、それでも審査に落ちるケースは存在します。

ファクタリングの審査に落ちる主な理由は、以下のとおりです。

理由	具体的な状況
売掛先の信用力が低い	・売掛先が税金を滞納している ・財務状況が悪化している ・過去に売掛金の滞納がある創業間もない　など
売掛債権に問題がある	・支払期日までの期間が長すぎる ・売掛金の存在が疑わしい ・継続性のない一過性の取引
利用者側の不備・問題	・不誠実な態度 ・必要書類の提出遅延や不備 ・虚偽の申告　など
契約内容の問題	償還請求権がある契約は 実質的に「融資」とみなされる可能性がある

これらの原因を理解し、事前に対策を講じることで、審査通過率を大幅な向上が可能です。

次では、審査で重視される項目と通過のコツについて詳しく解説します。

ファクタリングの審査で重視される項目と審査通過のコツ

ファクタリングの審査には重視される項目や通過するためのコツがあり、これらを理解することで、審査通過率を向上させることが可能です。

ここでは、以下のファクタリングの審査で重視される項目と審査通過のコツについて解説します。

何より大切なのは「売掛先」の信用力

ファクタリング審査で、重要視されるのは「売掛先」の信用力です。

ファクタリング会社は、買い取った売掛金が確実に回収できるかを最優先に判断します。

審査を通過しやすい売掛先の具体例は、以下のとおりです。

これらをふまえて信用力の高い売掛先からの債権を優先的に申し込むことで、審査通過率が向上します。

また、売掛先との取引期間の長さや、安定した取引実績を証明できる過去の請求書や入金履歴などの書類の準備も重要です。

売掛債権の内容（金額・期間など）

売掛債権自体の内容も審査の重要な要素です。

審査では、以下のような項目が重視されます。

したがって、資金化を急がない場合でも、支払期日が近い売掛債権を優先して申し込むことで審査通過率を高められます。

また、請求書だけではなく、契約書や納品書、通帳の入金履歴など、売掛債権の発生と実在を証明できる複数の資料を不備なく提出することも重要です。

ファクタリング利用者の基本情報

利用者の経営状態よりも、以下の基本的な要素が重視されます。

これらのことから、面談時や書類提出の際には不誠実な態度や横柄な言動は避けて、質問には的確かつ論理的に答える、また嘘をつかずに正直に状況を伝えることが大事です。

また、会社の代表者の身分証明書や事業用口座の通帳コピー、請求書など、求められた書類は漏れなく速やかに提出しましょう。

【目的別】信用問題が不安な方におすすめのファクタリング業者

信用問題に不安を抱える方でも、目的に合った業者を選ぶことで、スムーズに資金調達ができます。

ここではおすすめファクタリング業者について、以下の5つの目的別に解説します。

個人事業主やフリーランスにおすすめの業者

個人事業主やフリーランスには、以下の業者がおすすめです。

FREENANCEは、個人事業主・フリーランス専門のファクタリングサービスで、1万円からの少額買取に対応しています。

フリーランス専門のため個人の事情を理解した審査が特徴で、さらに損害賠償保険が無料で付帯するため、仕事のリスクもカバーできます。

ペイトナーファクタリングは、最短10分の入金スピードが特徴です。

審査が簡潔でフリーランスの利用実績が豊富なため、初回利用時でもスムーズに資金調達できます。

手数料が一律10%と分かりやすい料金体系も、個人事業主にとって利用しやすいポイントです。

即日すぐに資金を準備したい人におすすめの業者

即日すぐに資金準備したい人には、以下の業者がおすすめです。

ペイトナーファクタリングは、AI審査により最短10分で入金が完了するサービスです。

必要書類も請求書と本人確認書類のみと少なく24時間365日申込可能なため、急な資金需要にも対応できます。

QuQuMoは、完全オンラインで最短2時間入金を実現しています。

来店不要で全てオンライン完結するため、地方の事業者でも利用しやすく、必要書類も請求書と通帳の2点のみとシンプルです。

また、早く入金されるためのコツには、以下のようなポイントが挙げられます。

少額でファクタリングを利用したい人におすすめの業者

少額でファクタリングを利用したい人には、以下の業者がおすすめです。

labolは1万円からの極少額買取に対応しており、個人事業主や小規模事業者に最適です。

24時間365日対応で土日祝日も入金可能なため、週末の急な資金需要にも対応できます。

少額専門のため、審査も少額利用に適した基準で行われます。

アクセルファクターは、30万円からの小口利用が可能で、審査通過率93%以上と通過率が高いです。

原則即日入金に対応しており、柔軟な審査対応で個人事業主でも利用しやすいのが特徴です。少額でも丁寧な対応をしてくれる点が評価されています。

とにかく手数料を抑えたい人におすすめの業者

手数料を最小限に抑えたい方には、以下の業者がおすすめです。

PAYTODAYは、1.0%～9.5%の手数料を実現しています。

AIを活用した効率的な審査により人件費を削減し、その分を手数料の低価格化に反映させています。

最短30分のスピード入金も可能で、オンライン完結により諸費用も最小限に抑えることが可能です。

日本中小企業金融サポート機構は、1.5%〜の手数料設定で、経営革新等支援機関に認定された公的機関の安心感があります。

単なる資金調達だけではなく経営相談も可能なため、総合的な経営支援を受けながら低コストで資金調達したい方に最適です。

取引先に知られたくない人におすすめの業者

取引先にファクタリングの利用を知られたくない人には、以下の業者がおすすめです。

QuQuMoは、2社間ファクタリングに特化しており、完全オンライン完結で取引先に知られる心配がありません。

債権譲渡登記も不要なため、登記情報から取引先に知られるリスクもなく、安心して利用できます。

取引先への通知が不要なため、これまでの取引関係に影響を与えることなく資金調達が可能です。

ペイトナーファクタリングも2社間ファクタリングの形態をとり、取引先への通知がありません。

最短10分の迅速な対応により、取引先に知られる前に資金調達が完了します。

シンプルな手続きで、初めての方でも安心して利用できる点も評価されています。

ファクタリングの信用問題に関するよくある質問

ファクタリングの信用問題に関するよくある質問は、次の3つです。

ファクタリングを使ったことは取引先にバレますか？

2社間ファクタリングの場合は、申込企業とファクタリング会社の2社間で契約が完結するため、売掛先への通知や承諾は不要です。

したがって、原則として取引先にファクタリングの利用が知られることはありません。

一方で、3社間ファクタリングの場合は、申込企業・売掛先・ファクタリング会社の3者間で契約を締結します。

この場合、売掛先に対して債権譲渡の通知が行われ、売掛金はファクタリング会社へ直接支払われるため、取引先はファクタリングの利用事実を知ることになります。

ファクタリングの利用で今後の銀行融資に影響はありますか？

ファクタリングは企業の負債が増加しないため、基本的に銀行融資に直接的な悪影響はありません。

しかし、ファクタリング利用時に発生する手数料は、損益計算書の「営業外費用」として計上されます。

継続的にファクタリングを多用し、その手数料が経常利益を圧迫するような状況が続くと、銀行の融資担当者が財務分析する際に、資金繰りが慢性的に厳しいと判断する可能性があります。

したがって、ファクタリングは短期的な資金調達手段として活用し、長期的な資金繰り改善策と並行して利用することが賢明です。

ファクタリングに払う手数料の相場は？

ファクタリングの手数料は、契約形態によって大きく異なります。

2社間ファクタリングの手数料相場は8%〜18%、3社間ファクタリングの手数料相場は2%〜9%となっています。

3社間ファクタリングの方が手数料が低い傾向にあるのは、売掛先が直接ファクタリング会社に支払いを行うため、ファクタリング会社にとっての未回収リスクが低減されるためです。

なお、手数料以外にも債権譲渡登記費用などの諸費用が発生する場合があるため、契約時には手数料の内訳やその他の費用を事前にしっかりと確認することが重要です。

【まとめ】ファクタリング利用による信用問題は誤解！正しい知識で安心の資金調達を

本記事では、ファクタリングの利用が企業の社会的信用に与える影響や、審査通過のコツについて詳しく解説しました。

ファクタリングは融資とは異なり信用情報機関への登録もなく、貸借対照表の負債も増加しません。

ただし、3社間ファクタリングでは取引先に知られるため、個別の関係性には配慮が必要です。

正しい理解と適切な業者選びで、安心して資金調達しましょう。