【2024年12月最新情報】事業再構築補助金の終了に伴う「新事業進出補助金」を詳しく解説!
金親 正和
中小企業診断士
中小企業診断士 / 宅地建物取引士 / 不動産コンサルティングマスター
賃貸不動産経営管理士 / 管理業務主任者 / 防災士
大学卒業後、総合不動産会社にて不動産の企画・開発、賃貸物件のリーシング・管理(5,000室)、売却(半年間で46物件)と入口から出口までの業務に従事。
現在は、「補助金を通じて、中小企業経営者の皆様を支えたい」という思いから、各種補助金の申請支援に注力している。
\認定支援機関!補助金のプロの中小企業診断士がサポート/
2024年12月6日発表:事業再構築補助金終了と新事業進出補助金の創設について
令和6年度の補正予算案が閣議決定され、関係資料が公表されました。
令和6年度補正予算案(中小企業・小規模事業者等関連予算)の資料を読み解くと、中小企業等事業再構築促進基金の枠から「中小企業新事業進出促進事業」を行うと記載されています。
これは新事業への進出にかかる支援の推進を図ることが目的とされており、新たに「新事業進出補助金」を創設するということです。
既に、事業再構築補助金の枠から「中小企業省力化投資補助金」は創設されておりますが、3,000億円の予算がついています。
弊社では、省力化補助金についての解説も行っていますので、参考になさってください。
省力化補助金とは? 中小企業省力化投資補助事業は補助金だけどカタログから投資商材を選定?中小企業診断士が詳しくわかりやすく解説! | ビジネス処方箋
事業再構築補助金は、新型コロナウイルス感染症の影響により、売り上げ回復が難しい状況下、ポストコロナ時代の変化に対応するために新市場進出等を行って、日本経済の構造転換を促すことを目的に実施されていました。
今や、コロナは第5類へ移行し、それこそ時代が変化しており、事業再構築補助金の当初目的とはそぐわなくなってきていると思います。
2024年12月6日の閣議では、「すべての世代の賃金・所得を増やすことを最重要課題」とする予算編成の基本方針を決定しました。
今の時代は、デフレに後戻りせず「賃上げと投資がけん引する成長型経済」に移行していくという流れに向かうことが示されました。
独立行政法人 労働政策研究・研修機構による発表では、2025年春闘においては賃上げ要求5%以上、中小企業は格差是正分1%を加えて6%以上の賃上げを目安としています。
2024年においては、賃上げの最終集計で5.1%という結果となっており、この流れはこのまま継続していくと思われます。
この流れに乗り遅れるとどうなるのでしょうか。
現在働いてくれている従業員が、自社より給料が高い会社に転職することにより、ますます人手不足となり、受注できない→売り上げが上がらない→会社の財務状況が悪化するなどのシナリオが想定できます。
よって、企業は現事業のみならず、新たな事業に進出することで成長・拡大をしていかなければ存続すら危ぶまれると危惧されます。
そのためにも、新事業進出補助金を活用することだけが目的ではありませんが、早めに専門家に相談することをお勧めします。
本目次に対する解として、事業再構築補助金は終了します!!との記載はまだありませんが、上述の通り、事業再構築補助金の基金枠を活用して、2つの補助金が新設されているので、終了するのではないかと推察しております。
新事業進出補助金とは?概要と特徴
中小企業庁が新事業進出補助金について下記の説明をしています。
企業の成⻑・拡⼤を通した⽣産性向上や賃上げを促すために、中⼩企業等が⾏う、既存事業とは異なる、新市場・⾼付加価値事業への新規参⼊にかかる設備投資等を⽀援
引用:中小企業庁HP 募集要項:中小企業新事業進出促進事業の概要
これを小学生でもわかるように書くと、
国は、【働く皆さんがもらえるお金を増やしたい】という願いがあります。
その願いを叶えるためには、働く会社が儲からないといけません。
なぜなら、働く皆さんは、働いたお返しとして会社からお金をもらうからです。
会社が儲かるためには、今の仕事だけではなくて、新しい仕事もやっていくと良いと思いますよ。と国は言っています。
ですから、国は、会社が儲かるような新しい仕事を行うときに、「お年玉」をあげますよ。
会社はその「お年玉」を使って、成長してくださいね。 ということです。
新事業進出補助金の予算には、1,500億円が計上されています。
補助金申請の要件は、企業の成長・拡大に向けた新規事業への挑戦(新規性)や賃金要件等となっており、現時点(2024年12月時点)では詳しいことはまだわかっていません。
事業スキームは、中小企業基盤整備機構から補助金が2分の1出ることということしか、公表されていません。
継続してウォッチしていきたいと思います。
新事業進出補助金で使える経費は?
「令和6年度補正予算案(中小企業・小規模事業者等関連予算)」では、新事業進出補助金で使える経費を下記としております。
- 建物費
- 機械装置費
- システム構築費
- 技術導入費
- 専門家経費 等
事業再構築補助金では、上記経費のほか、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費、広告宣伝・販売促進費、研修費、廃業費が対象でした。
新事業進出補助金でも、廃業費を除いて、これら経費も対象になるのではないかと推察しています。
このように、新事業進出補助金と事業再構築補助金の対象経費が、ほぼ同一のため、事業再構築補助金の後継補助金として考えても良いのではないでしょうか。
予想される申請条件
新事業に進出するために補助金を活用して事業を行っていくことから考えますと、事業再構築補助金でも条件だった内容が参考になるかと思います。
- 申請対象者
- 中小企業であり補助対象事業者としての適格性
- 新事業展開を目指す企業であること
- 事業内容の要件
- 新規性・革新性
- 有望度・実現可能性
- 持続可能性・成長性
- 提出書類
- 事業計画書
- 3ヶ年の決算書
- 賃上げ計画書
- ローカルベンチマークで作成した事業・財務状況
- 認定経営革新等支援機関による確認書
などが基本的な内容として想定できます。これらに加えて、条件が示されるものと思われます。ぜひ、使い勝手の良い補助金となることを願いたいですね。
予想されるスケジュール
現在、中小企業基盤整備機構では、新事業進出補助金に係る実施の検討にあたって、効率的な実施を行うために意見を募集しています。
※意見募集締切:2024年12月27日まで
それらの意見を基に、制度設計を組み直したり、追加したりする作業があると思いますので、決定して公表するのは、もう少し先になるでしょう。
公表はまだ先になるかもしれませんが、公表されてから計画を作成し始めるのでは遅いので、新事業進出を検討されている皆様やまだ具体的検討まで至ってないものの「何とかしなければいけない」状況の会社の皆様におかれましては、今から着手し始めることをお勧めします。
考える際の壁打ち相手にもなれますし、事業計画書の作成も行うことができますので、是非、早め早めのご相談をお待ちしております。
\認定支援機関!補助金のプロの中小企業診断士がサポート/