クレーム対応の基本!お客様の怒りを笑顔に変える!| Part1

【執筆者】
株式会社 パワーアップコンサルティング 代表取締役 松尾 正二郎
中小企業診断士
消費生活アドバイザー

◆ 略歴
昭和35年東京生まれ。
食品メーカーで営業、マーケティング、人事総務に従事。
2005年から10年間お客様センター責任者。
消費者対応部門統括部長、働き方改革等の部門統括責任者
を経て2018年独立。

◆ コンサルテーション・研修 事業
顧客対応品質向上、事業承継、賃金人事制度構築、
営業力強化、働き方改革推進、管理者育成

◆ 手帳事業
あなたの未来と今日をつなげる「パワーアップ手帳」
やりたいこと 見つける 叶える「Will手帳」

◆ 著書
サントリーがお客様の声を生かせる理由(共著)
セルフマネジメント力を高めるパワーアップ手帳術
お客様の怒りを笑顔に変えるクレーム対応のキホン


本シリーズは三部制で、上記の動画は「Part.1」です。

▼ シリーズ動画一覧


目次

はじめに

「クレーム対応のキホン お客様の怒りを笑顔に変える」というテーマで、下記の5部構成で説明したいと思います。今回は、第1部と第2部について解説します。

クレーム対応の基本!お客様の怒りを笑顔に変える!の目次

第1部:クレームはなぜ起きるのか

クレームが起きる理由

クレームがなぜ起きるのか、その理由には大きく3つあります。

  1. 商品、サービスの不具合
  2. お客様の勘違い
  3. 対応への不満

この3つの理由についてしっかりと理解した上で、どのように対応していけばよいか考えていくことが重要です。クレームが起きる理由を一言で言えば、お客様の期待への裏切りで起きるということになります。

クレームが起きる理由は期待への裏切りで起きる。

2014年の国民生活動向調査によると、この1年間に購入した商品や利用したサービスについて不満を持っている、被害を受けたことがあると答えた方が全体の1/3を占めています。そのうち苦情を相談したり伝えたりした人は6割ほどという数字が出ています。

対応がお客様の期待通りだった場合は「当たり前」と感じ、期待よりも対応が上回った場合は「満足」と感じます。さらに、思ってもいないほど良い対応であった場合は「感動」をするわけです。

一方、対応が期待を下回った場合は「不満」と感じます。「不満」と感じる人が「不満の表明」をすると「クレーム」になり、不満を伝えずに去っていく人もおられます。

従って、お客様の期待をしっかりと把握した上で、それを上回る対応していくことが重要になります。

お客様の変化

価値観の多様化や社会構造の変化によって、お客様の期待値はどんどん上がっています。それに合わせて、提供する側もサービス対応レベルを向上していく必要があります。皆さんも生活者として、以前と比べてサービスや商品に対する期待値が上がっていると思いませんか?

お客様にとっての変化が発生し、お客様にとっての「当たり」の水準が高度化しています。

特にSNSの浸透によって、お客様を取り巻く環境が大きく変わっています。従来であれば、サービス面について消費者よりも事業者の方が多くの情報を持っていることが大半だったのですが、今は消費者自身でSNSにより有用なサービスを入手し、他のサービスと比較することまで可能となっています。

また、昨今のコロナによってお客様の意識がますます高度化しており、「炎上社会」や「不寛容社会」、「クレーム社会」とも呼ばれています。

このように、お客様の期待度が高度化し複雑になっていくため、継続的な支持を得るためにも事業者側や企業側はしっかりと対応していく必要があります。

クレームの種類別対応方法

クレーム対応について、ここでは大きく2種類に分類して説明します。

クレームには2種類あります。一般のクレームと自己実現型のクレーム。

一般のクレーム

発生原因については、初期対応での対応ミスや製品サービスの不満によるものが大半です。

想定されるリスクについては、社員のストレスとなることや、クレーム対応がうまくいかないと企業の信用やお客様満足の低下につながります。

対応力向上のポイントと期待効果については、クレーム対応の基本手順を理解すること、傾聴と共感のスキルを習得することによって、お客様の満足だけでなく社員の満足も格段に上がります。

自己実現型のクレーム/不当要求・過剰請求のクレーム

クレームを申し立てること自体が目的であるため、一般のクレームとは発生の原因が全く異なります。

想定されるリスクについては、社員のストレスが非常に強いことから安全配慮義務違反にもつながりかねません。またクレーム対応に長い時間がかかる、コスト高となるというリスクもあります。

対応力向上のポイントと期待効果については、対応手順や基準作りが重要であり、事例の蓄積とロールプレイングによる訓練、場合によっては外部専門家の支援を仰ぐことをおすすめします。これによって、社員の安心感が醸成でき、クレーム対応のリスクやコスト、時間削減が可能となります。

第2部:傾聴と共感のコミュニケーション

1)お客様の期待値を超える

クレーム対応においては、お客様の期待値をいかに超えることが重要であるかを第1部で説明しましたが、ここで重要なのがお客様の期待値です。

皆さん、「神対応」というものを経験したことはありますか?

よく芸能人やスポーツ選手の「神対応」が話題になりますが、ショップ店員による「神対応」など、いろいろな局面で言われることも多いのです。

クレーム時に神対応を行うと、顧客は感動し、ファン化する可能性が高い。

期待を大きく上回る、思ってもいないような良い対応してもらった時には「感動の体験」が起こります。人は「感動の体験」をすると、対応してもらった相手のファンになるのです。これをクレーム対応に置き換えてみた場合、お客様によって価値観や期待する度合いも違うため、お客様の期待値を知る必要があります。このお客様の期待値を知るために、「傾聴と共感」が重要になります。

「傾聴と共感」によりお客様の真意を把握し、真意を把握することで期待を上回る対応ができるようになります。クレーム対応をすることでお客様をファンにすることができるのです。

「傾聴と共感」とは心理学でのカウンセリングの言葉なのですが、「相手の立場に寄り添って、効果的ないくつかの相槌や質問で真意を引き出し、信頼関係を築き、結果的に相手に行動変容させる」と定義されています。

具体的には、相手の価値観を肯定するのではなくそのままの気持ちを受け入れる、評価するのではなくイマジネーションを働かせてその気持ちを考えてみる、そのことを言葉にして返してあげる、ということになります。

私も実践してみたところ、お客様の気持ちに寄り添って真意を引き出すことによって、お客様との関係性が劇的に変わりました。

2)傾聴と共感のワークショップ

事例を見てみましょう。例えば、皆さんの仕事仲間からこのような相談を受けたと思ってください。仕事で大変な失敗をして、上司から厳しく叱責を受け、落ち込んでいる仲間に、どのように声かけてあげますか?

仕事で大変な失敗をして、上司から厳しく叱責を受け、落ち込んでいる仲間に、どのように声かけるか。仕事が生きがいだという考えに自らも賛成するといった「価値観の肯定」をします。

一般的には、仕事が生きがいだという考えに自らも賛成するといった「価値観の肯定」をします。また、仕事に失敗したからといって、だめな人間とはならない、気にし過ぎだと「評価」してあげることも大切です。

仲間の気持ちを受け入れ、相手がどのような気持ちなのかを考え、言葉で返してあげると次のようになります。

「生きがいである仕事で失敗して、悔やんでいるんだね」

「まさに、どん底の気分なんだね」

寄り添って気持ちを返してあげることで、相手の気持ちに深く刺さっていく、これが「傾聴と共感」のコミュニケーションの基本となります。

次に、「傾聴と共感」を効果的に実践するための4つのステップについて紹介します。

1. リフレイン

「ミラーリング」や「オウム返し」とも言いますが、相手の言った言葉をそのまま返します。言葉を返してあげることによって、「この人は私の話を聞いているんだな」ということが相手にしっかりと伝わります。

2. 置き換え

意味を置き換えずに受け手側の言葉で返すことによって、相手が話している内容と受け手側の話している内容が合っているか確認することでき、より深い関係性を築くことができます。

3. 感情の反映

相手の感情を言葉で返します。自分の気持ちを理解しているか、この気持ちがしっかりと合っていれば、さらに深い関係性を築くことになります。

4. 置き換え+感情反映

さらに置き換え+感情反映という形で段階的にステップを踏むことによって、相手は自然と真意を話したくなるわけです。

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この記事を書いた人

株式会社 パワーアップコンサルティング 代表取締役 松尾 正二郎
中小企業診断士
消費生活アドバイザー

◆ 略歴
昭和35年東京生まれ。
食品メーカーで営業、マーケティング、人事総務に従事。
2005年から10年間お客様センター責任者。
消費者対応部門統括部長、働き方改革等の部門統括責任者
を経て2018年独立。

◆ コンサルテーション・研修 事業
顧客対応品質向上、事業承継、賃金人事制度構築、
営業力強化、働き方改革推進、管理者育成

◆ 手帳事業
あなたの未来と今日をつなげる「パワーアップ手帳」
やりたいこと 見つける 叶える「Will手帳」

◆ 著書
サントリーがお客様の声を生かせる理由(共著)
セルフマネジメント力を高めるパワーアップ手帳術
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